学習指導要領では、表現及び鑑賞領域の指導内容が、歌唱、器楽、音楽づくり、鑑賞ごとに示されるとともに、これら全ての活動において共通に指導する内容が〔共通事項〕として新たに示されました。〔共通事項〕は、「A 表現」「B 鑑賞」の各活動の基盤となるものであり、〔共通事項〕と表現や鑑賞の各活動との関連を十分に図ることが大切になります。
平成20年12月〜平成21年2月の国立教育政策研究所による特定の課題に関する調査(音楽)では、鑑賞において、音楽を特徴付けている要素や楽曲の構成を聴き取り、それらと関わらせて感じ取った曲想を記述したり説明したりすることに課題があり、表現の音楽づくりにおいても、つくったリズムとその工夫についての思いや意図を関連させて表現することに課題がありました。
そこで、本研究では、聴き取り感じ取ったことを基に、思いや意図をもって表現したり味わって聴いたりすることのできる児童を育成するために、〔共通事項〕をよりどころとして表現と鑑賞の関連を図った指導法について提案します。 |