インフォームド・コンセント へ

インフォームド・コンセント へ

▼授業の実際 中学校(道徳)▲
▼授業の実際 小学校(算数)

 ★カウンセリングでは,初めての面接の時に「契約」といって,目標や方法等を説明して
   相談者が納得してから始めます。つまり,具体的な治療目標・治療計画・治療方法を
   話し合ってから決めます。このことをインフォームド・コンセント(説明と同意)といいます。
   授業において「導入」を「インフォームド・コンセント」という考えに置き換えることにより,
   授業自体が教師と子どもの双方向のコミュニケーションであることを確認することがで
   きます。

  学習目標・学習計画を明確にする。  

 (1)不安の除去ができる。

 (2)単元の意義付けができる。

 (3)授業の見通しをもつことができる。

 (4)意欲付けをすることができる。

2 インフォームド・コンセントを取り入れた導入をする。

 U 手立て 

 (1)自分の言葉で話すことで,授業の中で考えたことや得た知識を整理することができる。

 (2)他の子どもの意見を聞いて,自分を振り返ることができる。

 (3)気持ちが語られれば,感情交流が起こり,人間関係を育てることができる。

1 子ども同士の分かち合い(シェアリング)を取り入れる。

★授業にカウンセリング等の知恵を生かす手立てとして,以下の3点を挙げます。

★シェアリングとは感じたこと・気付いたことを互いに分かち合って,語り合うことです。

シェアリング へ
シェアリング1 へ 

シェアリング2 へ

▼授業の実際 中学校(道徳)▲
▼授業の実際 小学校(算数)   
 (1)個人と集団の関係の中で,子どもを育成することができる。

 (2)一人一人の子どもが生き生きと活動できる場を増やすことができる。

 (3)子ども同士が互いに教え合い,学び合う力が育っていく。  
3 コミュニケーションを促す交流活動を,取り入れる。

◆◆◆カウンセリング等の知恵とは? ◆◆◆ 

 T カウンセリングの技法 

★「よくできたね」とほめることもカウンセリング等の知恵に当てはめると賞賛や,受容に
  なります。このことを意識して用いることが「コミュニケーション」を育む,大きな一歩となる
  のです。

◆◆ カウンセリング等の知恵が授業に役立つの? ◆◆ 

★授業の中でのカウンセリングとは,お互いに語り合いながら問題を発見し,解決策を見い
  だしていくことです。つまり,授業において,それぞれの教師が何気なくおこなっている
 配慮
が子どもたちの問題意識を促し,解決策を見いだす手助けをしているので,知らず
 知らずのうちにカウンセリングとなっています。この配慮を意識して用いることが,カウン
 セリング等の知恵
を用いることになり,授業の中での相互交流(コミュニケーション)に
 つながります。

カウンセリング等の
技法
具 体 的 言葉 有 効 性
賞  賛 ・ほめる。
 「よくできたね」
 「いい考えだね」
・どんなに小さなことでもまずはできたことを
 認め,ほめることで子どもに自信や達成感を
 もたせることができる。
受  容 ・考えや思いを受け止める。
 「ええ」「そう」「それから」「うーん」
・受け止めていると言うことを言語だけでなく
 非言語を通して子どもに伝える。子どもが
 受け 止められているという気持ちを持つ
 ことで,安心して雰囲気を作ることができる。
質  問 ・質問をバランスよく使う。

<閉ざされた質問>
 「○○だと思いますか?」
(「はい」「いいえ」で答えられる質問) 

<開かれた質問>
 「どう思いますか?」
(「考え」を答える質問)
・「閉ざされた質問」を多用すると,尋問調に
 なりがちである。思いや考えを引き出す
 質問を行うことで,子どもの思考をより深め
 ることができる。
繰り返し ・言葉の最後の数語を繰り返す。 ・話の最後の数語を繰り返すことによって,
 子どもは,もう一度,思考したり考えをまと
 めたりすることができる。
明確化 ・言葉にならない気付きを言語化
 する。
 「○○のような感じですか?」
・気付いていて,まだ言葉に出していないこと
 を,ぴったりあう言葉で言語化することに
 よって,子どもの考えを明確にしていくこと
 ができる。
要  約 ・事柄や感情を要約する。
 「要するにこういうことですか?」
・話しの内容や思いを要約することによって,
 子どもが考えをまとめたり,明確にしたりす
 ることができる。
対  決 ・矛盾や不一致を発見し,解決を
 めざす。
 「さっきはいいと言い,今度はだめ
 だと言いましたが,本当はどっちな
 の?」
・内面にある葛藤や混乱を見つけ,伝える
 ことによって,子どもが自分自身で判断し,
 決定していくことができる。

★教師と子ども,また,子ども同士が相互に意思を通じ合わせることができるような
  授業がコミュニケーションを育む授業と考えます。
  コミュニケーションを育む授業を実践するためには,以下の4点に配慮して,カウン
  セリング等の知恵を用いた授業展開を行います。

  コミュニケーションを育む授業とは?

1 内容に興味や関心をもたせる。
   ・授業内容に子どもの体験・知識を関連付けることによって,興味をもたせ,
    共に学ぼうとする学習意欲を高めることができる。

2 内容が理解でき,やればもっと学習を進めることができると感じさせる。   
   ・一人一人の子どもに「できる」と感じさせることで達成感を味わわせ,
    そのことが自信につながり,自己肯定感を高めることができる。

3 形態や進め方が楽しいと感じさせる
   ・交流活動(グループ学習など)や分かち合い(シェアリング)などを取り入れること
    で,共に学ぼうとする仲間意識を育てることができる。 

4 できた内容を認め,満足させる。
   ・小さなことでもできたことを認め合う場を設定することで,相互理解を深める
    ことができる。

教育相談研究委員会の