児童は話合い活動を経て自分のめあてを設定し、日々の振り返りを行いながら実践に取り組みました。ここでは、ペア活動後のアンケート、話合い後のアンケート、実践後のアンケート、「ふり返りカード」、学級会ノートの記述及び教師の観察により児童の変容を見ました。 |
○ 意欲の高まりの感じられる児童の感想 |
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ペアの人にアドバイスをもらったりして、発表に自信がついたし、もっと詳しく言わないといけないなあと思いました。 |
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話し合う前は、自信がなくて、あいさつはあまりしていなかったけど、学級会で話し合ってからは友達ががんばっている姿を見て、自分もいつの間にか大きな声でするようになりました。これからは、あいさつのカードがなくても自分の心の中のめあてを意識してあいさつをたくさんしようと思いました。 |
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みんなで話し合ったことで、あいさつの大切さがよくわかりました。もし話し合っていなかったら、その大切さもわからずに形だけあいさつをしていたような気がします。みんなに感謝したいです。 |
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「あいさつをしなさい」と先生から言われてするといやいやながらしていたような気がします。自分たちで決めたことだから自分のめあてが全部○だったらうれしいし、めあてがなくなってもあいさつ名人をめざしてがんばりたいです。 |
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以前は、はずかしがってなかなかあいさつができなかったけど、めあてを自分で決めて自分で実行したら、どうやったら自分らしいあいさつができるか考えられたので、前よりも何倍もよくなりました。そして、アドバイス(ペア日記)をもらった2週間目はさらによくなって、クラス全体が明るくなったような気がするので、あいさつは周りを明るくするまほうみたいです。 |
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友達のアイディア(柱3)がとても参考になったし、友達からたくさん勇気をもらいました。学級会があったからこそ、みんな相手をハッピーにさせたいという思いであいさつをしていたので、やっぱり話し合うことは大事だなと思いました。 |
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自分が決めためあても最初はなかなかできなかったけど、みんなが自分のめあてを達成しようとがんばっているのを見て、わたしも自分からすすんで取り組めるようになりました。 |
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1週目と2週目同じめあてにして取り組んだら、自分の成長のあとがよく見えたから、とてもうれしかったです。2週目が過ぎても自分であいさつカードを作って取り組みたいです。 |
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みんなで話し合って決めたことだから、男女関係なくしぜんにあいさつができました。話し合わなくて決めためあてだったら、男女関係なくできなかったと思います。これからも、男女協力していろんなことを取り組みたいです。 |
○ 教師の感想から見る、話し合い活動を取り入れた指導のよさ |
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ペア活動で、一度意見を友達に言っているため、それが自信となり、今まで発表できなかった児童が発表することができました。また、ペアの児童が意見を知っているため、話合い中で「ほら、ここ、発表した方がいいよ。自信をもって。」と励まされ、やっと手を挙げ発表することができた児童がいました。
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児童の発言の中に「『先に笑顔で元気よく』を徹底してすればいいと思います。」というものがあった。これは教師の話で紹介した「先に笑顔で元気よく」という○○小のキャッチフレーズや「徹底」という大好きな校長先生の集会での話が印象に残っていたことが原因だと考えられます。教師の話の中に短く端的な言葉を入れると効果的で印象深いものになるのだと感じました。 |
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実践の期間が終わっても、校長室に挨拶に行ったり、雨の日にも、校門であいさつ運動を続ける児童がいました。しかも、自ら楽しんで活動をしており、校長先生に毎朝挨拶に行っていた児童は、教頭先生にも挨拶へ行くようになりました。 |
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4年生が話し合ったことを生活主任の先生が取り上げ、全校朝会でその内容について全校児童に向けて話をされました。1クラスから全校に広げ、代表委員会などで話合いをもつなどの取り組みに今後広げられたらよいと思いました。 |
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「みんなで話し合って決めたことだから、自分も恥ずかしがらずにあいさつができてうれしかった」という感想がたくさんありました。教師が促すだけの指導や全体で話し合わずに自分で考えさせためあてからの取り組みだったら、ここまで盛り上がっていなかったと思います。話合いで一人一人の思いを共有し、みんながめあてに向かって頑張っているから、自分もめあてに向かって頑張れる。話合い活動を取り入れたからこそできたことだと思いました。 |
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柱2で「挨拶の必要性」について話し合ったことは、心に響くとても効果的なものでした。子どもたちは、得てしてその理由(大切さ)を知らずにやっていることが多いような気がします。それを大人ではなく友達の考えから知ることができたことが、自然な形で受けとめられ、自発的な実践力へと結び付きました。話合い活動は、魔法のような効果をもたらします。 |
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二週間の振り返りが終わった後でも自分のめあてを継続させたり、めあてがなくても自然な形で挨拶ができる児童が増えました。その後、クラス全体の挨拶に少し元気がなくなってくると、朝の会の「一週間のめあて決め」で「今週は、大きな声であいさつをしよう」とみんなで決めるなど、以前話し合ったからこそ、また自分たちで頑張っていこうとする意識が生まれました。 |