生きて働く言語能力を育てる「国語科学習指導の具体策」を提案します!

 授業展開案6  〜授業づくりの基本構想に基づく実践の提案〜  (「書くこと」の指導)
単元名 
「フォトストーリーを作って紹介しよう」 〜写真と文章を組み合わせて自分の考えを表現する〜
教材名(出典)
「小さな労働者」(東京書籍「新しい国語2」)
生徒の実態と指導のねらい
  佐賀県の中学2年生の実態として、平成23年度佐賀県小・中学校学習状況調査の結果から、「書くこと」ついて課題が多いことが分かりました。とりわけ「取り上げた事実や事柄、課題についての自分の考えを明確にして書く」ことを問う設問で無解答率が他の設問を大きく上回っています。
  そこで、本単元では社会生活の中から身近な問題について呼びかける「フォトストーリー」を作ることを言語活動として設定します。その際、スモールステップで学習活動を明確に示したワークシート等の学習教材を用いることで、一人一人の言語能力に応じて言語活動を充実させることを目指します。
学習内容の系統性
言語活動について
 本単元では、「書くこと」の力を身に付けさせるために、新学習指導要領「B書くこと」の(2)に位置付けられている言語活動例の「イ 多様な考えができる事柄について、立場を決めて意見を述べる文章を書くこと」を単元に取り入れます。「フォトストーリー」を言語活動として取り入れることで、身近な問題に目を向け、情報を集めて効果的に表現する力を育てます。
単元の指導目標
(1)
「フォトストーリー」という表現方法を生かして、自分の考えを表現しようとする。
(2)
日常生活や社会生活の中から課題を見つけ、材料を基に自分の考えを表現することができる。
(3)
相手や目的に応じて文章の形態に違いがあることを理解できる。
単元の評価規準
   国語への関心・意欲・態度
 書く力
 言語についての知識・理解・技能
 多用な考えができる事柄について、立場を決めて意見を述べる文章を書くこと 〔B書くこと(2)イ〕
「フォトストーリー」という表現方法を生かして、自分の考えを表現しようとしている。
日常生活や社会生活の中から課題を見つけ、材料を基に自分の考えを表現している。
(ア)
相手や目的に応じて文章の形態に違いがあることを理解している。
(イ(オ))
単元の計画(全4時間)
主な学習活動
指導上の留意点
指導計画
ワークシート
単元の目標を知り、見通しをもつ。
モデル学習を行う。
記入例を参考にして「写真から得られる情報」を考えて箇条書きで書き出す。
教材文を読み、写真と文章を組み合わせた表現方法について考える。
学習計画表を配布する。
 
モデル学習を通して、今もっている書く力を再認識させる。
写真と文章が情報を補い合って、効果的な表現につながっていることに気付かせる。
指導計画1/4
学習計画表
ワークシート@
(記入例 , 
ワークシートA

ハインがなぜ「フォトストーリー」という表現の手法を用いるのかについて考える。
「フォトストーリー」の文章の表現の工夫とその効果について考え、交流する。
ハインになりきって写真に組み合わせる文章を書く。
「フォトストーリー」は、写真と文章を効果的に組み合わせた作品であることを再確認する。

ハインの文章を分析させ、表現の工夫とその効果について説明する。


ハインの表現の工夫をを基にして、「マニュエル」の写真に組み合わせる文章を書かせる。
指導計画2/4
学習計画表
ワークシートB

自分の課題を設定する。
「フォトストーリー」を作る。
ワークシートCや各自が準備した資料を基に、構想を練らせる。
自分の思いを伝えるために写真と文章の効果的な組み合わせを工夫させる。
指導計画3/4
学習計画表
ワークシートC
ワークシートD
(記入例 1, 2, 
   
10 相互に読み合った「フォトストーリー」の内容を読み取り、内容に対する自分の考えを書く。
11 写真と文章の組み合わせ方や表現の工夫についてグループで話し合う。
12 単元の学習を振り返る。

「テーマ」や「伝えたいこと」を考えながら読ませることで、書き手の思いが伝わる文章になっているかを考えさせる。

写真と文章の組み合わせ方や表現の工夫について交流シートやワークシートCを基に考えさせる。
学んだことを振り返らせ、今後の学習や生活に生かす場面を想起させる。
指導計画4/4
学習計画表
交流シート
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         ※学習計画表は、単元を通して同じものを使用しています。また、同一番号のワークシートはすべて同じ内容です。