生徒のやる気を引き出す「国語科授業の具体策」を提案します!

「生きて働く言語能力」の育成を目指した授業モデル

生きて働く言語能力の育成を目指した授業
  国語科の学習場面で言語活動の充実を図ることが、結果的に学習者の発達の段階に応じた「生きて働く言語能力」を育成することにつながります。そこで本研究では、新学習指導要領のねらいに対応した授業づくりを行い、具体的な実践例として授業展開案の提案を行います。
授業モデルの考え方
  新学習指導要領のねらいに対応し、生徒の実態に即した授業づくりを行うために、次の4点を授業づくりの視点として考えています。
 
@ 新学習指導要領の指導事項を基にした生徒の実態把握
A 学習内容の系統性を意識した重点を置くべき指導事項の明確化と教材選択
B 言語活動の充実を図る学習活動の工夫
C 学習の見通しのもたせ方と学習の振り返らせ方の工夫
  この4つの視点を踏まえた授業モデルを次のように考え、授業展開案を提案していきます。
 
場面 単元・授業構想の流れと指導のポイント 具体的な手立ての例
生徒が身に付けるべき
知識・技能の実態把握
身に付けるべき知識・技能に着目した生徒の実態把握を行うことで、単元で身に付けさせたい力や生徒の実態に応じて補う力を明確にします。
また、生徒自身にも身に付けるべき知識・技能を意識させます。
 
指導のねらいの明確化
 
 
  生徒が学習のねらいや
  見通しをもって取り組む
  ための手立て
指導のねらいにつながる単元導入時の工夫や単元全体の学習計画表を提示を行うことで、学習することの見通しや興味・関心をもたせます。
また、学習することや言語活動の目的などを明らかにしながら、生徒に、身に付けるべき知識・技能とその活用について意識させます。
単元のねらいや生徒の実態に応じて次のような手立てが考えられます。

身に付けるべき知識・技能に着目した事前アンケートの実施と結果の利用

レディネステストとしての学習プリントの提案
   
単元や授業のねらいを明確にした学習計画表の提示と使用
単元のねらいに即した生徒の興味・関心を喚起するための単元導入時の工夫
 
  生徒の主体的な活動や
  つまずきに対応するた
  めの指導の手立て
ワークシートや補助資料等の工夫を通して、生徒が学習の道筋を自分で確認しながら主体的に学習活動に取り組むことができるようにします。
また、授業を支える学習プリントや生徒用手引きなどを利用して、知識・技能の確実な習得とそれを活用した学習を効果的に行わせるとともに、つまずきのある生徒への対応を図ります。
  身に付けた知識・技能を
  意図的に活用させるた
  めの手立て
生徒が主体的に取り組むことができるような課題を設定し、課題を解決する過程を組み込んだ活動になるよう配慮します。
また、学校生活や社会生活の場面を想定した言語活動を設定し、身に付けた知識・技能を活用させます。
生徒の主体的な活動を支えるワークシートや補助資料等の工夫
 
授業を支える学習プリント、生徒用手引き、教師用引きの利用
相手、目的や意図、多様な場面や状況といった条件を明らかにした活動
設定した課題の解決に向けた学習の過程が分かるようなワークシートや手引き等の利用
 
  生徒が身に付けた知識
  ・技能や思考力・判断力
  ・表現力を自覚させる手
  立て
自己及び相互評価や学習計画表の活用によって、生徒に、本単元や本時で身に付けた知識・技能や育成が図られた思考力・判断力・表現力を自覚させます。
 
  今後の学習や生活につ
  なげていく意識をもたせ
  る手立て
単元を振り返らせ、今回何を学習したか、それが次の国語の学習や学校生活や社会生活にどのようにつながるかを意識させます。
 
次の単元への見通し
 
交流による自己及び相互評価の手立ての工夫と活用
学習計画表の利用
 
身に付けさせるべき知識・技能の意識化を目指した事後アンケートの実施と結果の利用
確認テストとしての学習プリントの利用
授業モデルを基に提案する授業展開案
  県内で採択されている2社(光村図書・東京書籍)の教科書教材を使った授業展開案を提案します。それぞれの授業展開案のページにリンクを設定していますので、ご利用下さい。なお、実際の実施時期に合わせて、説明的な文章を使った授業展開案については8月に、文学的な文章を使った授業展開案については10月に公開する予定です。
 
指導のねらい 位置付けた言語活動 使用する教材
目的や相手に応じ、様式に合わせて書くことができる。 
授業展開案1
小学生向けの内容紹介用リーフレットを作る。
【書くこと(2)イ】
「分かりやすく書こう」
「ハチドリの不思議」
  (東京書籍)
筆者の主張と表現の工夫・特徴について読み取ることができる。
授業展開案2
文章と図表などとの関連を考えながら、説明や記録の文章を読む。
【読むこと(2)イ】
「未来をひらく微生物」
  (光村図書)
条件に応じて、伝えたいことが相手に明確に伝わるように書くことができる。
授業展開案3
文学的な文章の一部を脚本化する。
【書くこと(2)ア】
「視点を変えて書きかえよう」
「少年の日の思い出」
  (東京書籍)
思考力や想像力を働かせて読むことができる。
授業展開案4
思考力や想像力を働かせて、仮想対談を行う。
「少年の日の思い出」
  (光村図書)

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最終更新日:2011-03-30