学校で子どもたちが安心して過ごすために
集団の状態に応じた支援の在り方を探る
平成19年度 佐賀県教育センター プロジェクト研究 人間関係づくり研究委員会


  •  小学校5年生の調査結果
クラスの雰囲気について(グラフ1,2の結果から)

 居心地のよいクラスとして,リレーションでは「笑い声のあるクラス」をあげた児童が半数以上を占め,最も多くなっています。
 また,「だれとでも気軽に話せるクラス」を求める児童も4割程度います。このことは,中学生と共通しています。
 ルールに関する面では,「誰かが悲しむことのないクラス」が5割以上を占め最も多く,このことは,他の学年と共通しています。



友達との関係について(グラフ3,4の結果から)

 友達に望んでいることに関しては,「『遊ぼう』と声をかけてくれる」「困っているときに助けてくれる」と回答した児童が半数を超え,低学年
と共通しています。
 また,安心できる友達としては,「約束や秘密を守ってくれる」という回答が多く,低学年や中学生と共通しています。「自分のことを分かっ
てくれる人」という回答も5割を超え,低学年に比べ増えています。
 自由記述では,友達にされて嫌なこととして,「無視される」「悪口を言われると」という回答が大多数で,居心地のよいクラスとして望む回
答と同様,侵害されないことを望む様子がうかがえます。



自己存在感について(グラフ5,6の結果から)

  クラスにいてよかったと思うときは,「友達と一緒に遊ぶとき」と回答した児童が6割を超え,最も多くなっています。このことは,他の学年
とも共通しています。また,クラスにいて認められている,役に立っていると思うときは,「友達から『ありがとう』と言われたとき」「友達から
『すごいね』『がんばったね』などと言われたとき」が4割〜5割を占め,友達からの言葉掛けが大切な条件であることがうかがえます。



授業への意欲について(グラフ7,8の結果から)

 楽しいと感じる授業としては,高学年では,「道具を使ったり,外へ出て活動したりする授業」が過半数を占めていました。
 また,「難しい問題ができたとき」や「答えが正解だったとき」に楽しさを感じている児童が4〜5割いました。 このことは,低学年と共通して
います。 また,意欲的に取り組めているときの様子としては,「黒板に書かれたことや,考えをノートに書く」と回答した児童が6割,「大事な
ところに印をつける」との回答も4割を超えていました。このことは,中学生,高校生に共通しています。
 また,「分からないことを先生や友達にたずねる」との回答も5割近くで,疑問点を人に聞いて解決しようとする点では,中学生,高校生と
共通しています。
  自由記述では,おもしろくない授業として,「(授業内容や問題が)分からないとき」と答えた児童が記述回答者の2割程度おり,難しい内
容に興味をもつ児童がいる一方で,そうでない児童もいることが推測されます。



先生との関係について(グラフ9,10の結果から)

 先生との触れ合い・コミュニケーションの面では,「困ったときに助けてくれる」が5割を超えて一番多かった項目です。先生への信頼・尊敬
の面では,低学年で一番多かった「勉強を分かりやすく教えてくれる」よりも,「楽しいことを計画してくれる」と答えた児童がさらに多くなって
います。このことは,中学生の結果とも共通しています。
 自由記述の回答では,先生にされて嫌なこととして,「嫌な言葉で怒られる,気にすることを言われる」「たたかれる」「ひいきする」「無視する」
等と答えた児童が記述回答者の半数近くを占め,中学生,高校生と共通していました。 


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