★教師の困り感にブリーフセラピー〜マイナス面に目が行く

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C:みんなと一緒のことは,なんとなくやりたくない。
  なにか始めるとき,なかなか取りかかれないけど,この前の○○活動は,やってみると楽しかった。
  でも,すごく時間がかかってしまった。

T:やってみたら楽しいこともわかっているんだね。
  それに,時間がかかってもできているんだね。きっと,丁寧にやってるんだね。


C:うん。一応,ほめてもらった。

T:その○○活動のときは,どうして参加できたのかな?

C:うーんと,あっ。そのときは,△△先生が,誘ってくれた。誘ってもらったら,できることがある。


T:後ろから押してもらったらできるって感じ?

C:うん。そうみたい。

  

 様々な活動に,なかなか自わから参加しない。「できない。」「したくない。」と言い,みんなの様子を一歩離れて見ていることが多かった。しかし,このやりとりの中で「できることがある」ということにC自身が気付いた。さらに,会話を進める中で,どのような状況のときにそれができたのかということを振り返り,自分が参加しやすい条件をはっきりさせることができ,活動内容によって参加する機会も増えた。参加できないのはなぜかということを探っていくよりも効果的である。

集団不適応:周囲と同じ活動に参加できない。それがなぜだか,自分でも理由がわからず困っている。

◎ 子どもの様子とねらい

そこで

◎ 考察

・不登校傾向で,自己肯定感や有能感が低い状態。エネルギーが下がっている。
・活動に自ら参加することはなく,みんなの様子を一歩離れてみていることが多い。「何かやってみる?」との誘いかけに,「したくない」と答えることが多い。

遊戯療法の中の会話では,こちらの問いかけに対して,「できないこと」「したくないこと」について話をすることもある。
・「リフレーミング」を用い,肯定的な見方で「できていること」を探しながら,自己肯定感や有能感を高めていく。
・「できていること」について,「コーピングクエスチョン」により動機付けしていくことを試みる。

◎ 実践

C…子ども  T…教師