C…子ども   T…教師
★ これがブリーフセラピー
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集団不適応:注意散漫なため,失敗が多い。そのためしっ責を受けやすい。 【ミラクルクエスチョン】
C:  またお母さんに怒られた。同じことを何回も言われる。
T: あなたが眠っているときに,奇跡が起きて,あなたの今の悩み事やこまりことが,全部なくなってたとします。そしたら,目が覚めたあなたは,そのことにどこで気付くでしょうか。
C: すぐ気付く!お母さんから怒られないで起きてる。 
T: すごい!目が覚めてすぐに奇跡に気付くんだね!他には? 
C: お母さんにいちいち言われないで,朝の支度ができてる。一回も,何も言われない。そして,7時に歯を磨いて,7時5分にお家を出る。そしたら,お母さんが「おりこうね」って言うと思う。
T: すごい奇跡だね。いつか,そんな奇跡が起こるといいね。そうだ。日を決めて,奇跡を起こしてみない? 
C: えっ?どうやって起こすの? 
T: 奇跡が起こったつもりで,朝を過ごしてみない?あっ。でもこのことは,誰にも内緒でやるんだよ。みんなにわかったら,奇跡じゃなくなるもん。
C: そうだね。特に,お母さんには内緒ね。きっと,すごくびっくりするよ。

 家庭でも学校でも,同じような理由でしかられてしまうことが多い子どもで,半ば,しかられることに慣れっこになってしまっている印象があった。自分の思いを言葉で的確に表現することができるので,ミラクルクエスチョンを中核としたやりとりを展開した。子どもは,想像力を働かせてのやりとりを楽しみながら,はっきりとした解決のイメージをもつことができた。