M:  この数か月,子どもの様子が全く変わらないんです。いつまでこんな生活が続くのかと思うと,焦ってしまいます。 
T: ○○君が,元気に学校に行ってた時を10,一番元気をなくしていた時を0として,今の○○君は,どのくらいですか?
M: 3くらいでしょうか… 
T: 3ですか。一番下,0ではないのですね。
M: そうですね。0というわけではないですね。最悪の状態ではないです。 
T: 0ではないのは,子どもさんのどういう様子からですか? 
M: 自分の言いたいことを,私には言えるようになってきているんです。「今日はきつい。」とか。以前は口をきこうともしなかったものですから。 
T: そういう変化があったのですね。では,3を4にするためには,どのようなことができるようになったらいいと思いますか?
M: うーん。朝起きてきたとき「おはよう」って元気に言ってくれたらいいなと思います。最初は小さい声でもいいんですが。できるだけ私からは元気に声かけをするようにしようと思います。
★ ブリーフセラピー活用例
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不登校の子どもの保護者:子どもの様子に変化が見られず焦っている。【スケーリングクエスチョン】
M…保護者 T…教師

 子どもの様子が変わらないと不安を抱える中,今の様子を数値化することで,小さな変化に気付くことができた。さらに,具体的な差を考えていくことでスモールステップでの具体的なゴール設定をすることができた。
 解決イメージをもつには具体的な状態の確認とゴールの設定が必要になってくる。