生活科の目標・内容のねらいの具現化
1  生活科の目標・内容のねらいを具現化・重点化しよう (1)具現化のポイント
(2)観点の趣旨にもとづく具現化モデル
(3)評価の重点化モデル
2  一人一人のよさや成長をとらえよう (1)一単位時間の評価
(2)単元の評価
生活科の目標・内容のねらいの具現化
生活科の目標・内容のねらいの具現化
★単元の具体的な評価規準を作成します
○単元の活動内容と照らし合わせ,生活科の8つの内容のどれが主な内容となるか確かめます。
○主な内容について,国立教育政策研究所教育課程研究センターから出された「内容のまとまりごとの評価規準」を書き出してみましょう。
○書き出した「内容のまとまりごとの評価規準」を基にして,単元目標と照らし合わせながら,3つの観点で作成していきます。
○「おおむね満足できる状況」に視点を置いて,児童の具体的な姿で表現していきましょう。
★小単元(活動)ごとの評価規準を作成します
○5〜10時間ごとの学習のまとまりで,作成していきましょう。
○年間カリキュラムにおける単元の位置付けや児童の実態に応じて,重点化を図っていくことが大切です。
★評価の視点と評価の方法を考えます
○評価規準を満たす具体的な児童の姿を思い浮かべて,「評価の視点」を作成します。
○それらを見取るための評価方法も考えておきましょう。
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評価の観点及びその趣旨
評価の観点の趣旨を踏まえ,評価規準や視点へと具体化していくために,一般的なモデルを作成してみました。実際に単元ごとの評価規準を作成する時には,8つの内容のうち,主とする内容のねらいを盛り込んでいくことで,より具体的な評価規準,評価の視点を設定することができます。

 
  生活への関心・意欲・ 態度 活動や体験についての
思考・表現
身近な環境や自分についの
気付き
観点の趣旨
 
身近な環境や自分自身に関心をもち,進んでそれらとかかわり,楽しく学習や生活をしようとする。 具体的な活動や体験について,自分なりに考えたり,工夫したりして,それをすなおに表現することができる。 具体的な活動や体験をしながら,自分と身近な人,社会,自然とのかかわり及び自分自身のよさなどに気付いている。
学年別観点の趣旨
 
身近な人,社会,自然及び自分自身に関心をもち,進んでそれらとかかわり,楽しく学習したり,意欲的に遊びや手伝いなどをしたりしようとする。
 
 調べたり,育てたり,作ったりするなどの活動や学校や家庭などにおける自分の生活について,自分なりに考えたり,工夫したりして,それをすなおに表現することができる。 具体的な活動や体験をしながら,学校や家庭及び地域と生活,公共物の利用,身近な自然や動植物,自分の成長などの様子に気付いている。
 
評価規準に盛り込みたい項目例
 
・環境や自分の生活等についての関心

・意欲的に取り組んだ様子

・身に付けた態度
・活動を広げたり深めたりしている様子

・活動の楽しさ,工夫,気付いたことなどの表現
・対象や対象へのかかわり方への気付き

・実感を伴った気付き

・自分のよさや成長への気付き
評価の視点例
 

@身を乗り出して見たり聞いたりしている。

A繰り返しかかわっている。

B自分から材料や情報を集めている。

C「楽しい」「見つけたよ」と自分から言いに来る。

D「またしたい」「もっと〜したい」という言葉を発している。

E(授業以外でも)継続的にかかわっている。

@対象や環境を生かして,考えたり試したりしている。

Aよりよいかかわり方を工夫している。

B友だちと一緒に,かかわっている。

Cよさや気付きを生かしながら,かかわっている。

D工夫してかかわったことをすなおに表現している。
 


@対象や環境のよさに気付いている。

A対象や環境へのかかわり方のよさに気付いている。

B対象や環境へのよりよいかかわり方に気付いている。

C対象や環境へのよりよいかかわり方に気付いたり,工夫してかかわったりした自分自身のよさや成長に気付いている。
 評価の視点設定のヒントへ  評価の視点設定のヒントへ  評価の視点設定のヒントへ

評価の方法



 
○行動観察
・行動・つぶやき
・言葉(発表・話し合い・会話)
○対話
○作品
・振り返りカード
・こんなことしたいなカード

 
○行動観察
・行動・つぶやき
・言葉(発表・話し合い・会話)
○対話
○作品
・振り返りカード
・作戦カード

 
○行動観察
・つぶやき
・言葉(発表・話し合い・会話)
○対話
○作品
・振り返りカード
・手紙
 実践事例1の単元目標と評価規準へ  実践事例2の単元目標と評価規準へ
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評価の観点及びその趣旨
評価の重点化とは,重点的に評価する観点を1〜2つに絞り込むことです。
ここでは,学習する内容や活動を吟味し,どの観点に重点を置くかについて,明確にしていくことが大切になってきます。
重点化の方法としては,年間カリキュラムを基にした単元レベルでの重点化,単元指導計画を基にした「出会う」「行う」「ひらく」の3つの学習段階レベルでの重点化,単位時間レベルでの重点化などの方法があります。
本研究では,まず単元レベルで,生活科の内容を1つ〜2つ程度に絞り込みを行うとともに,学習過程の3つの段階レベルでは,下図のように重点化してみることにしました。
このように評価の重点化を図ることで,目指す児童の姿が焦点化され,指導の方向性が明確になるとともに,ゆとりをもって評価することが可能となります。
下の学習過程は,内容のねらいを盛り込みながら,単元の評価規準を設定するなど,単元構成のヒントとして活用することができます。
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生活科の目標・内容のねらいの具現化
評価の観点及びその趣旨
一単位時間の評価は,評価規準に沿って行います。評価規準を基に,活動場面の具体的な動作や言葉で表現した評価の視点(見取りの視点)で,児童全体を大まかに見渡してみましょう。
気になる児童はいませんか?
おそらく,それは,評価の視点(見取りの視点)に該当する姿が,なかなか見えてこない児童でしょう。
そのような児童には,生育歴や既習経験,性格等も踏まえながら,より適切な指導を考えていく必要があります。
一方,該当する姿が見られる児童は,「おおむね満足できる状況」にあるととらえることができます。そのような児童には,「よさ」を具体的に伝え,さらに学びを広げ深めることができるように指導をしていくことが大切です。
また,「十分満足できる状況」かどうかについては,該当する姿が見られた視点の数だけで,判断することのないようにします。一つの視点に該当する姿が,繰り返し発現することもあるからです。
これらの視点を手掛かりに,問いかけたり対話したりすることを通して,関心・意欲・態度の高まり,思考や気付きの広がりや深まりについて,とらえていくようにします。
評価規準
評価の視点(見取りの視点)
@「不十分な状況」にある児童へ
・対話しながら,つまずきや原因を把握する。
・思いを引き出す。
・一緒に活動しながら,ヒントとなるような助言や資料提示等を行ったり,友達との交流を促したりする。
・繰り返しかかわりながら,変容を見守る。
・成長を称賛し,励ます。
「おおむね達成」に向けての支援
A「おおむね達成の状況」にある児童へ
・「よさ」を称賛し,具体的に価値付ける。
・活動の広がり・深まりを意図した助言を行ったり,友達との交流を促したりする。
・活動の広がり・深まりを継続的に見守る。
さらに学びを広げ,深めるための支援
継続
かかわり
目指す児童の姿へ
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評価の観点及びその趣旨
 
単元における評価は,累積した評価情報を基に,一人一人のよさや成長をとらえていきます。
そして,もう一度,単元全体の評価規準に照らし合わせて,児童の姿を見つめてみましょう。そうすることで,より確かな評価となります。
事前に行った実態調査や前単元の学習における児童の姿などと比較しながら,その成長の様子をとらえていくことも大切です。 
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