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言語活動を取り入れた授業づくり

言語活動の充実を図る授業づくりを考える際には、指導事項(付けたい力)を明確にし、言語活動の特性を踏まえることが大切です。
言語活動の充実を図る授業づくりのポイントとして、次のことを提案します。
1 教材や指導事項の系統を把握する
各学年で行われる3領域1事項の指導は、年間を見通し、意図的・計画的に行う必要があります。
例えば、「読むこと」領域の文学的な文章の指導において、年間3教材を取り上げて指導するとします。その際、3教材とも同じ指導事項(付けたい力)を設定するのではなく、それぞれの教材に即した指導事項を重点化します。さらに、児童の実態に応じて、習得が不十分な指導事項については、次の単元でも取り上げて指導していくような柔軟な計画が必要になってきます。以下に述べるように、学年間の系統及び年間の系統を把握しておくことが大切です。
(1) 学年間の教材と指導事項の系統をみる
当該学年の教材だけでなく、6年間を見通して指導することはとても大切です。今、学習していることは次の学年のどの教材で生かされるのか、この学習を行うためには、前の学年のどの教材で身に付けた力が不可欠なのかなどを考えて、系統性を踏まえた指導を行いましょう。以下に、教科書教材系統表を示しました。6学年全ての教材の配列や指導の系統性が一覧できます。
 

光村図書教材系統表【PDF】 東京書籍教材系統表【PDF】
       ※系統表は、A4版で複数ページに分かれています。ダウンロードした後、A3版程度に拡大して貼り
         合わせて お使いください。
(2) 年間の教材と指導事項の系統をみる
年度当初に作成したおいた年間指導計画で、指導事項 と教材を確認します。特に、同じ領域の指導事項における系統性を把握しておくことが大切です。
【 表 光村図書2年「読むこと」物語文の年間指導計画例 】
2 言語活動の特性を踏まえる
言語活動を適切に設定するには、指導事項(付けたい力)と言語活動の特性を踏まえて設定することが大切です。
例えば、低学年向きの言語活動例「クイズ」なら、クイズを作るために必要な本を選んで読んだり、書かれた内容の大事な言葉や文章を書き抜いたりする力が必要です。また、中学年向きの言語活動例「パンフレット」なら、パンフレットを作って紹介するために、要点に注意して読み、必要な文章や言葉について引用したり要約したりする力が必要です。このように、指導事項と取り入れる言語活動は密接に関連し合っています。
そこで、言語活動を設定した指導目標例を、新学習指導要領に基づいて作成し、以下の「言語事項参考事例」を表にまとめました。

「言語活動参考事例」はこちら
 言語活動参考事例

 
なお、表に示した言語活動例は、考えられる活動を例示したものです。児童の発達の段階やこれまでの学習状況等に応じて他の活動を取り入れることもできます。また、例示した目的以外にも、複数の目的に取り入れることができます。(例えば、本の帯などで紹介する活動は、文学的な文章の解釈、説明的な文章の解釈、目的に応じた読書、それぞれの目的にも取り入れることが可能です。)
3 指導事項(付けたい力)にふさわしい言語活動を取り入れる
国語科の授業づくりを考えるときに、単元構想はとても重要です。ここでは、実生活で生きて働き、各教科等の基本となる国語の能力を身に付けるための 「単元づくり」について提案します。 言語活動を取り入れるときの基本的な考え方や、指導計画を立てる際に気を付けることなどについて、1・2・3のステップで、事例を挙げながら分かりやすく説明しています。
              
単元づくりのステップ1・2・3
ステップ
留意点(参考資料・リンク
2年「お手紙」での例
指導事項(付けたい力)の確定
 
 
言語活動の
選定
指導計画づくり
(目標や評価規準の設定)
●指導事項(付けたい力)を確定します。
(1) 児童の実態を踏まえます。
  これまでに学習している教材や指導内容を把握します。
  これまでに経験している言語活動の種類や内容を把
握 します。
(2) 教材の指導事項(付けたい力)を決めます。
  教材の内容、文章構成、主題などについて教材研究をします。
  指導事項(付けたい力)を決めます。

「指導事項」はこちら
「指導事項」(読むこと領域)

   
 
★ポイント@★
単元で指導することを重点化する。

●指導事項と教材にぴったり合った言語活動を選んで取り入れます。
 (1)ステップ1で決めた指導事項を身に付けさせるために
      ふさわしい言語活動を選定します。
 (2)言語活動のもつ特性や効果について調べます。
       ○言語活動を取り入れることで、どんな能力を伸ばせ
       るかを考えておきます。
       ○教師自身が実際にその言語活動を行ってみること
       で、指導することがより具体的になります。
「言語活動参考事例」はこちら
言語活動参考事例
   
★ポイントA★
考え方の基本です。
○○(言語活動)を通して
□□(指導事項)を指導する。
●指導事項と言語活動を踏まえ、具体的に単元の指導計画を立てます。
  (1)大まかな指導計画の構想を立てます。
   ○指導事項を、その単元を通して確実に身に付けさせ
    ることができるように、一次から四次までの指導計画
    を立てていきます。
   ○一次から四次まで、単元を通した形で言語活動を取り
     入れます。
  (2)単元の指導目標を決定します。
   ○目標の文言に、言語活動と指導事項の言葉を入れ
     込むのが基本です。
★ポイントB★
指導目標の書き方の基本型です。
○○(言語活動)をすることを通して、 □□(指導事項)することができる。
  (3)単元の評価規準の設定をします。
   ○指導事項に沿って、評価規準を設定します。
   ○文末は「〜ている」などと、記述するのが基本です。
 (4)1単位時間ごとの指導計画を立てます。
指導過程における指導のポイントを示したモデルは
     こちら
   「授業モデル」
 
 
「授業モデル」を基にした実際の授業の具体例は
     こちら
 
「授業プラン」
 
 
指導に生かす評価の考え方が分かる手引きは
     こちら
  「評価の手引き」
 

・ここで示した、「言語活動を取り入れた単元づくりのポイント」をA4のPDF1枚で示しています。どの領域、どの単元、どの学年においても活用できる考え方を示しています。印刷していつでも手元に置いておく形でご活用ください。
                                             ダウンロードはこちら  『言語活動を取り入れた単元づくりのポイント』
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