明日からすぐに使える授業プラン、学習プリントなどの情報を提供します!!

1 研究の概要

(3) 平成22・23年度の研究の成果と課題

@ 研究の成果

 本研究は平成20年3月告示の新学習指導要領の内容を踏まえ、これまでの全国学力・学習状況調査や佐賀県小・中学校学習状況調査において明らかになった児童の課題の解決につながるよう、小学校国語科における指導の在り方について、平成21年度プロジェクト研究を踏まえて平成22年・23年度の2年間のプロジェクト研究で取り組んできました。本研究を通じて、授業モデルとそれを基にした授業プラン(展開案)や学習プリントの作成・提案を行うことができました。
言語活動の充実を図り、生きて働く言語能力を育成する授業の提案
@ 言語活動を取り入れた授業モデル


 指導事項(付けたい力)を明確にして、その指導事項を効果的に身に付けることができる言語活動を設定することを明示した授業モデルを作成しました。この授業モデルでは、単元の最終目標として位置付けた言語活動を目指して、児童が基礎的・基本的な知識・技能を主体的に身に付け、その力を活用して目標を達成することができるような学習の過程を示すことができました。
 単元を構想する上で必要な単元づくりの考え方や手順を示した「言語活動を取り入れた授業づくり」(教師用手引き)を作成しました。授業モデルを基に、単元を構想する前段階における学習のねらいの設定や教材研究の方法などを段階的に示すことができました。学習指導要領解説に例示されている「読むこと」領域に関する言語活動例の設定に関する資料も準備しました。
A 授業モデルを基にした授業プラン
 授業モデルを基にし、言語活動を効果的に取り入れた授業の具体を示した授業プランを作成しました。
授業モデルを基に作成した指導案を作成し、実際に授業を行った上で指導案を付加修正することにより、より実践的な授業プランを提案することができました。この授業プランは、先生方がダウンロードしてすぐ使えるように、指導案とともに単元の全時間分の略案(板書計画付き)とワークシートも作成しました。
授業を支える教材等の開発・提案
@ 知識・技能の習得を図る学習プリント

 4つの領域(読む、書く、話す・聞く、言語事項)の基礎的・基本的な知識・技能の習得をねらいとした、合計120種類の学習プリントを作成しました。学校現場で使用する場面を想定して、問題数や問題の難易度などを吟味して作成しています。また、児童の家庭学習や自己学習にも対応できるように、解答や解説を準備しています。
A 思考力・判断力・表現力を育む学習プリント


 知識・技能を活用して課題を解決することを通して、思考力・判断力・表現力を育むことをねらいとした、7種類の学習プリントを作成しました。作成する際には、全国学力・学習状況調査のB問題や佐賀県小・中学校学習状況調査の活用に関する問題を参考にしました。児童の学校生活や社会生活の場面を想定した内容で作成しています。
B 言語活動の機能や様式などを示した参考資料


 言語活動を行う際の参考となるように、教師用手引きや児童用手引き、ワークシートを作成しました。これらの参考資料は、学習指導要領解説に示された言語活動例を基に、実生活の様々な場面における言語活動を想定して作成しました。言語活動そのものに関する知識や様式などを示しています。

A 課題と今後の展望

 数多くの授業プランや学習プリントなどを作成・提案することができましたが、研究を進めていく上で、次の二点が課題となりました。
・平成23年度に国から示された学習評価の考え方を授業プランにおいて具現化すること。
・新教科書で新たに取り扱われている教材に対応した授業プランをさらに作成し、コンテンツの充実を図ること。
このような課題を踏まえ、今後は、学習指導要領の趣旨を踏まえた学習評価の進め方を具現化し、新教科書に対応した授業プランの追加、修正を進めていく必要があると考えます。また、学校において研究内容の理解を広げ、コンテンツの積極的な活用を図るため、研修講座等でコンテンツを活用した実践の紹介を行い、講座授業で提案している授業プランの実際を示すなどの方策をとる必要があります。
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