話合い活動のよさを生かした学級活動内容(2)の授業を提案します。

2 研究の実際

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(5) 授業実践

  本研究が提案する授業モデルを基に小学校で行った実践例を示します。

【小学校第6学年】学級活動内容(2)における授業実践

題材

忘れ物0大作戦

 
イ 基本的な生活習慣の形成 
段階
活 動 過 程
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○ 題材設定
 
教師が児童の日頃の実態により題材を設定した。
 
○ アンケート調査
忘れ物アンケートを実施する。(実態の把握、意識付け)
 第1回計画委員会
【原案】
教師と計画委員会で、題材名、話合いのめあて、柱などを考えて原案に書く。
役割分担をする。(司会、進行、黒板記録、ノート記録など)
 実態調査
【実態調査】
一週間自分の忘れ物の状況を調べさせ、課題意識をもたせる。
 原案の配布
原案に自分の考えを前もって書き込ませる。

 第2回計画委員会
話合い活動の準備と打合せをさせる。 アンケートを集計し結果を模造紙にまとめさせる。

本時の

題材
忘れ物0大作戦
提案理由
6年生になり教科書ノートなどの勉強道具宿題などの忘れ物がまだまだ見られます。そこでみんなで今の様子を見直し忘れ物をなくす方法を考えたいと思って提案しました。
話合いのめあて
・ 友達の意見をしっかり聞いてよい考えを見付けよう。
・ 自分の意見や出された意見の中から自分のめあてを決めよう。

話合いの流れ
1 はじめの言葉
2 運動会での応援歌
3 役割の紹介

4 題材の確認
5 提案理由
6 話合いのめあての確認
7 話合いの柱の確認
8 話合い
柱1を話し合う前の先生の話

   

【話合い活動の様子】
柱1 自分で忘れ物をしないようにできていますか。
たまに教科書を忘れてしまいます。
宿題や教科書を忘れることがあります。
ナフキンを忘れます。
マスクをよく忘れます。
 
柱2に向けての先生の話
柱2 忘れ物をしないことはなぜ大切なのだろう。
教科書を忘れたら勉強できなくて困るからです。
忘れ物をすると借りなければいけないので友達に迷惑をかけるからです。
自分の勉強が遅れて、困るからです。
大人になってから会社で使うものを忘れないようにするためです。
   
柱3に向けての先生の話




柱3 どうすれば忘れ物が0になるか考えよう。
前の日、時間割をした後、もう一度確かめる。
時間割にチェックする。
時間割の順番に教科書を並べる。
   
めあてを決める前の先生の話
9 めあてを書く
10 話合いの気付き
11  ○○賞の発表 
12
  先生の話                                               

13 終わりの言葉
 





○ めあての掲示

具体的なめあてを振り返りカードに記入させ、教室に掲示する。

 
○ 実践活動
  日々振り返りをしながら実践する。
     
 
めあて
 
 
 
日々の振り返り
 
   
 
 
     
  実践後の感想
 

振り返り活動の

時間の最後に実

をしての感想を書く

 
               
  <ふり返りカード>
○ 振り返り活動
  1週間実践をした後、ペアで振り返りをしました。
ペアの友達から、アドバイスや感想をもらいました。 
 児童は話合い活動を経て自分のめあてを設定し、日々の振り返りを行いながら実践に取り組みました。ここでは、話合い後のアンケート、実践後のアンケート、「ふり返りカード」、学級会ノートの記述及び教師の観察により児童の変容を見ました。
○ 意欲の高まりの感じられる児童の感想
 
1週間で2つだったのでよかったと思います。前回より少なかったのでよかったです。 (1週間の忘れ物 8→2)
 
1回目より忘れ物が減ってきました。これからもこの調子で忘れ物0をめざします。(1週間の忘れ物 9→2)
 
このようにめあてを決めて毎日続けると忘れ物が減りました。これからも続けたいです。(1週間の忘れ物 2→0)
 
今までと比べて時間割にチェックすると忘れ物をしないようになりました。これからもチェックして忘れ物をしないようにします。(1週間の忘れ物 4→0)
○ 教師の感想から見る、話し合い活動を取り入れた指導のよさ
 
事前にアンケートを行った時点でこれまでよりも忘れ物に対して注意をするようになり忘れ物を減らそうとする意識が生まれました。  
 
柱2で「なぜ忘れ物をしてはいけないか」という必要性を自分たちで考えさせることで教師が注意をするよりも価値を共有化することができクラス全体で「忘れ物をなくそう」という雰囲気になりました。
 
めあてを自分で決めて実践し「ふり返りカード」で目に見えて成果を現すことができたので、日々意欲的に実践に取り組むことができました。
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