設問番号 
5(4) 
(図形) 
正答率 
35.4 
無解答率 
19.4
               
                
                 
                   
                 
                  
    | 
              
                
                  〔設問の概要〕…円柱の体積を求める式と答えを書く。 
                    〔出題の趣旨〕…円柱の体積の求め方を理解し、体積を求めることができる。                       | 
                 
                               
                〈分析結果と課題〉                 円柱の体積の求め方を理解し、体積を求めることに課題があります。柱体の体積が(底面積)×(高さ)で求められることが理解できていなかったり、底面の円の面積を円周の長さと混同していたりしていたことが、主な要因として考えられます。 
                《これからの指導に向けて》 
                すべての柱体の体積は、(底面積)×(高さ)の公式で求められることを理解させることが大切です。 
                小学校で学習した「直方体の体積が、(縦)×(横)×(高さ)で求められること」から、(縦)×(横)を「底面積」としてとらえさせ、このことを基に、他の角柱や円柱などの柱体の体積についても同じ考え方ができることに気付かせる過程が大切です。その過程の中で、柱体は底面を垂直な方向に、一定の距離だけ平行に動かしてできる立体であるということから、体積は底面の形の積み重ねであるという概念をもたせることにより、(底面積)×(高さ)で求められることを公式として定着させていくことが重要です。理解が十分でない生徒には、底面積を表す数値が高さ1の体積を表す数値と等しくなっていることをとらえさせて、体積はその積み上げであるということに気付かせることが必要です。 
                                 | 
            
            
            
            
              設問番号 
                8  
                (図形) 
                正答率 
                45.7 
                無解答率 
                1.2  | 
              
                  
                    〔設問の概要〕…証明された事柄に新たな条件を付け加えた事柄について、正しい記述を選ぶ。 
                      〔出題の趣旨〕…証明の意義について理解している。 | 
                   
                 
                〈分析結果と課題〉 
                証明の意義の理解に課題があります。また,誤答の傾向からは,図形が特殊な場合になったことを、提示されている証明の仮定をすでに満たしているものととらえられずに、別の図形になったと考えたことが主な要因として考えられます。
                   
                  《これからの指導に向けて》 
                  仮定を満たすような新たな条件を付け加えた図形では,もとの図形で成り立っていた性質はそのまま成り立つため,改めて証明する必要はないことを理解させることが大切です。 
                  図形の学習においては、三角形と二等辺三角形の関係だけでなく、平行四辺形と長方形やひし形の関係など,一般的な図形とその特殊な図形である関係はいくつも出てきます。このような図形を取り扱った証明について学習する過程の中で,  
                  ○ 仮定と結論を明確にとらえさせる  
                  ○ 証明の必要性について考えさせる  
                  ○ 証明をするために根拠として使うことのできる性質や条件について考えさせる                   
                  などの取り組みが必要です。 
                  例えば平行四辺形の性質(2組の向かい合う辺はそれぞれ等しいなど)は、平行四辺形の特殊なものである長方形においても当然成り立ち証明する必要性がないこと、また「長方形の対角線の長さが等しい」等の新たに学習する性質を証明する際に、平行四辺形の性質が根拠として使うことができることなど、しっかりととらえさせていくような取り組みが必要です。このような取り組みをする中で、証明の意義についての理解を深めることができると思います。 
                 | 
            
            
              設問番号 
                9(2) 
                (数量関係) 
                正答率 
                37.7 
                無解答率 
                1.5  | 
              
                
                  〔設問の概要〕… y =−2 x 上の点を選ぶ。 
                    〔出題の趣旨〕…比例のグラフ上にある点の x 座標と y 座標の値の組が、その式を満たしている           
                    ことを理解している。 | 
                 
               
                〈分析結果と課題〉 
                グラフ上の点の座標と式の関係の理解に課題があります。座標の表し方を理解していなかったり、 y =−2 x を y =−2+x ととらえたりしたことが、主な要因として考えられます。  
                《これからの指導に向けて》 
                座標平面上の点が、ある関係を表す式のグラフ上にあるかどうかを確かめるには、点の x 座標と y 座標の値の組を式に代入して確かめればよいことを理解させることが必要です。 
                指導に当たっては、ある関係を表す式を満たすx 、yの値の組を座標平面上に表したものが、そのグラフであることを確認させたり、逆にある関係を表すグラフ上の点の x 座標と y 座標の組は、その関係を表す式を満たすことを確認したりする活動を取り入れるなど、双方向から考えさせる活動を位置付けることが大切です。 
                さらに、関係を表す式とそのグラフの特徴、またそのグラフが座標平面上のどの部分に示されるかということなどについて、実際にグラフ上に示すなどの具体的な活動を通して理解させる取り組みも大切です。 
                このような取り組みを行うことによって、本問題における「 y =−2 x のグラフは原点を通る直線になるので、(−2,0)や(0,−2)を通ることはない」などのようなグラフの特徴と座標平面上の点の位置を根拠とした判断も、できるようになると考えます。  
                                        
                  
                                     | 
            
            
              設問番号 
9(3) 
(数量関係) 
正答率 
34.8 
無解答率 
20.7  | 
              
                
                  〔設問の概要〕…比例のグラフから、 x の変域に対応する y の変域を求める。 
                    〔出題の趣旨〕…比例のグラフから、 x の変域に対応する y の変域を求めることができる。 | 
                 
               
                〈分析結果と課題〉 
                グラフから x の変域に対応する y の変域を求めることに課題があります。変域の意味を理解できていなかったり、x の変域に対応するグラフの部分を理解できていなかったりしたことが、主な要因と考えらます。また、数の大小関係と不等号の表現についての理解が不十分であることも要因として考えられます。 
                《これからの指導に向けて》 
                不等号を用いて表現された変域について、理解させることがまずは大切です。 
                例えば、−2≦ x ≦4を「以下」、「以上」という言葉を用いて説明し数直線上に表したり、変域に含まれる数を具体的に確かめたりする活動や、4≦ x ≦−2のように数の大小関係と不等号についての表現が誤っているものを取り上げ、正しい表現に改善させるような活動を取り入れていくことが考えられます。 
                また、グラフを用いて x の変域に対応する y の変域を視覚的にとらえさせることも大切です。 
                与えられた x の変域に対応するグラフの部分を図示し、そこから y の変域を視覚的にとらえさせ、不等号を使って表現させるような活動が考えられます。理解が十分でない生徒に対しては、グラフ上の数値を表に表して変化と対応の様子をイメージしやすくし、変域をとらえやすくするような手立てが必要です。
                 
                  
                 | 
            
            
            
              設問番号 
                10(1) 
                (数量関係) 
                正答率 
                46.9 
                無解答率 
                2.3                  | 
              
                
                  〔設問の概要〕… y =3/x について、正しい記述を選ぶ。 
                    〔出題の趣旨〕…反比例について、比例定数の意味を理解している。 | 
                 
               
                〈分析結果と課題〉 
                反比例について、比例定数の意味の理解に課題があります。反比例における x と y の関係が十分理解できていなかったことや、分数という式の形から、安易に「 y の値を x の値でわった商」とういう表現に結びつけたことが、主な要因として考えられます。 
                  《これからの指導に向けて》 
                  y が x に反比例する関係を表す式を y =a /x だけでなく, x y = a と表せることを理解させることが大切です。具体的には、反比例の関係において「比例定数÷ x 」で y の値が求まるという見方だけでなく、「 xと y の積が比例定数になる」というような見方でとらえさせることも大切です。 
                  指導に当たっては、反比例 y = a /x の関係を具体的に数値を代入して表に表したり、グラフをかいたりすることで、そこから x と y の間にどのような関係や特徴があるのか調べる活動を取り入れることが考えられます。その際、見いだされる関係や特徴を言葉で説明する活動を取り入れることで、さらに理解も深まると考えられます。 
                    
                   | 
            
            
              設問番号 
                11(1) 
                (数量関係) 
                正答率 
                48.2 
                無解答率 
                27.9  | 
              
                
                  〔設問の概要〕…一次関数の式から変化の割合を求める。 
                    〔出題の趣旨〕… y = a x+b について、変化の割合が a の値に等しいことを理解している。 | 
                 
               
                〈分析結果と課題〉 
                一次関数 y =a x +b について、変化の割合が a の値に等しいことの理解に課題があります。無解答率が27.9%と高かったことから、変化の割合の意味についての理解が、十分でなかったことが主な要因と考えられます。 
                  《これからの指導に向けて》 
                  変化の割合については、実際に( y の増加量)/( x の増加量)の値を求めることを通して、その意味をまずは理解させることが必要です。その上で、一次関数の変化の割合が常に一定になることに気付かせ、グラフでは直線の傾きに相当することを、変化の割合の意味に基づいて理解させることが必要であると思います。 
                  指導に当たっては、 y =2 x −3などの具体的な一次関数について、 x と y の対応や変化の特徴を表を使って見いだす活動や、グラフの傾きや式をよむ活動などを重点的に取り組むことが考えられます。そうすることによって、「変化の割合」と「傾き」の用語の意味の違いやつながり、式における x の係数との対応について、理解を深めることができると思います。また、3年次の関数 y =a x 2を学習する過程の中で、変化の割合が常に一定にはならない場合と比較しながら、一次関数における変化の割合について復習を図ることにより、さらに理解が深まると思います。  
                     
                   | 
            
            
              設問番号 
                11(3) 
                (数量関係) 
                正答率 
                21.7 
                無解答率 
              28.4  | 
              
                
                  〔設問の概要〕…16cmの長さのひもで作る長方形の縦の長さと横の長さの関係を式で表す。 
                    〔出題の趣旨〕…具体的な事象における一次関数の関係を式で表すことができる。  | 
                 
               
                〈分析結果と課題〉  
                具体的な事象における一次関数の関係を式で表すことに課題があります。本問題においては、正答率が21.7%と低く、無解答率は28.4%と高かったことから、与えられている長さ16cmと縦の長さ x cmと横の長さ y cmの関連が理解できていなかったことが主な要因と考えられます。また、他の要因としては、まわりの長さが16cmであることから、2 x +2 y =16という式が成り立つことに気付くことはできていても、 y について解くという式の変形ができなかったために誤答となったことも、考えられます。 
                  《これからの指導に向けて》 
                    2つの数量の関係を式に表すとき、図や表などを用いて2つの数量を具体的にとらえさせ、それらの変化や対応を調べる方法を身に付けさせることが大切です。 
                  題意に沿っていろいろな形の長方形の図をかいたり、縦の長さを規則的に変化させてそれに対応する横の長さを調べ表に表したりしながら、 x と y の関係に気付かせていくような活動が考えられます。本問題を例にとると,周囲の長さは16cmという一定の長さであることを押さえながら、2 x +2 y =16という関係式が成り立つことに気付かせ、その後に y =− x +8を導き出す場面を設定することで、文字式の表現の特徴への理解を深めることにつながります。最終的には、(縦の長さ)+(横の長さ)=(周囲の長さの半分)という考え方を用いることが、簡潔であることに気付かせ、定着を図っていくことが大切です。 
                   
                   | 
            
              設問番号 
                12 
                (数量関係) 
                正答率 
                48.6 
                無解答率 
                2.1  | 
              
                
                  〔設問の概要〕…水槽に水を入れ始めてからの時間と水の量の関係について、正しい記述を選ぶ。 
                    〔出題の趣旨〕…与えられた事象の中にある2つの数量の関係が一次関数であることを判断でき           
                    る。 | 
                 
               
                〈分析結果と課題〉 
                  与えられた事象の中にある2つの数量の関係が何であるかを判断することに課題があります。比例や反比例と一次関数を区別するための条件が理解できいなかったり、 x が増えれば y も増えるので比例であると安易に考えたりしたことが、主な要因と考えられます。 
                  《これからの指導に向けて》 
                  まずは、比例、反比例、一次関数の関係について、それぞれを表、式、グラフに表した場合の特徴など、基礎的・基本的な学習内容の定着が必要です。その上で、具体的な事象における2つの数量の関係をとらえる方法について理解させることが大切です。 
                  本問題の場合,水槽に水を入れ始めてから0分後、1分後、2分後、・・・、の水槽の水の量を求めて表を作り、 x が1増えると y がどのように増えるかなど変化や対応の様子を調べ、表から関数の関係を見いだす方法を理解できるようにすることが必要です。また、変化の割合が一定になることや、グラフに表すと(0,5)を通る直線になることなどをとらえて、一次関数になると判断できるようにすることが必要です。  
                  
                   |