これからの国語科学習指導について提案します!!

研究の実際

基礎的・基本的な知識・技能の定着と思考力・判断力・表現力の育成について
国語科における基礎的・基本的な知識・技能とは、「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」及び「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」の3領域1事項に示されている指導事項や言語活動例に示されている活動の様式や方法などである。この知識・技能はすぐに定着するものではなく、繰り返し使っていくことで定着していくものです。
児童がある課題を解決していくとき、もっている知識・技能を使って、自分の考えをまとめて表現していきます。この課題を解決していく過程で、思考力・判断力・表現力が必要です。基礎的・基本的な知識・技能の定着と思考力・判断力・表現力の育成の間には、双方向性があり、児童が主体的に課題に向き合い、解決してしていくことを通して、知識・技能の定着と思考力・判断力・表現力の育成が図られると考えます。
新学習指導要領における「習得」と「活用」について
「習得」とは、「話すこと・聞くこと」、「書くこと」、「読むこと」及び「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」に示されている指導事項の内容を身に付けることであり、「活用」とは、実生活の様々な場面において、言語活動を通して身に付いた力を使うことです。また、「習得」と「活用」の関係には、「習得」から「活用」に向かう方向と「活用」から「習得」に向かう方向があります。
新学習指導要領で国語科の授業はこのように変わる!

ポイント1

活動もあって学びもある授業へ

文章を切り刻んだ、一問一答形式で進める授業より、活動を取り入れた授業の方が児童の意欲も高まります。しかし、楽しいだけの授業でいいのでしょうか。教師は、授業を通して児童に国語の力を付けなければいけません。新学習指導要領では、学習過程の明確化と学習の系統性の重視が改訂の要点として挙げられています。授業を通して児童に身に付けさせるべき力をはっきりと意識し、何のために活動を仕組むのかを教師自身が明確にしておくことが大切です。「活動あって学びなし」の授業から「活動もあって学びもある」授業へ転換する必要があります。

ポイント2

秘密を見付ける授業へ

「読むこと」の授業では、学習材が説明的な文章であっても文学的な文章であっても、その内容の読み取りに終始してしまう授業をよく見掛けます。そのような授業では、取り扱った文章の読み取りはできても、他の文章に出会ったときに児童はどう読み取っていいのか分からなくなります。新学習指導要領では、基礎的・基本的な知識・技能の習得とその活用が重視されています。つまり、作品の内容を教えるのではなく、作品の中に隠された表現方法や構成などから「読み方」を教えることが重要です。この「読み方」はどの文章にも使えるものであり、基礎的・基本的な知識・技能となります。内容の読み取り重視ではなく、「読み方」を学ばせることを通して、文章に隠された秘密を見つける授業を考える必要があります。

ポイント3

実生活に寄り添った授業へ

新学習指導要領では、「日常生活に必要な基礎的な国語の能力を身に付けることができるよう」とあります。授業で付けた力が実生活で生かされなければいけません。そこで、実生活を意識した言語活動を設定して、児童に相手意識や目的意識をしっかりともたせ、実生活に生きて働く国語の力を付けていけるような、実生活に寄り添った授業を考える必要があります。

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最終更新日: 2010-03-23