英語活動の単元構成のポイント
1 単元の目標を決める | |||||||||||||||
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英単語や英語表現を覚えさせること,英会話力を身に付けさせることが英語活動の直接的なねらいではなく(結果的にそのような力が身に付くことは期待できますが),英語という言語を通して人とのかかわり(コミュニケーション)の楽しさを味わわせ,コミュニケーションへの積極的な態度を育てることが第一のねらいです。また,ALTや外国人ゲストとの交流を通し,彼らを窓口として異文化への関心を育て,異文化と比較することで自国文化,地域の文化などを再認識することも英語活動のねらいであると言えます。 上記2つの英語活動のねらいと,各学校で定めた目指す児童像を基に,単元の目標を設定することが最初の作業となります。 英語活動では,@の目標だけ,あるいはAの目標だけをねらったものということはなく,両方ともねらいとなり得ますが,そのバランスは単元によって異なってくるでしょう。実施しようとする単元において,上記@とAのどちらにウエイトを置いた目標を設定するのかということを意識しておかないと,総合的な学習の時間にありがちな「活動あって学びなし」という状態になってしまったり,英単語やセンテンスの「練習のための練習」ということになってしまったりするおそれがあります。 @にウェイトを置いたねらいの例
Aにウェイトを置いたねらいの例
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2 シラバスの型を検討する | ||||||||||||||
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シラバス(syllabus)とは,一般的に教授(講義)要目と訳されます。すなわち,教育活動に関する詳細な計画書のことで,英語活動で言えば,「どんな目標で」「何を」「どのように」取り扱うかということを計画することです。カリキュラムという言葉と同じ意味で使われることもあります。 単元を計画する際に,単元の目標に沿って,どのような観点で題材を配列するかということを考える必要があり,まずはそのタイプについて理解する必要があるでしょう。 例えば,中学校の英語の教科書などは,be動詞のあとに一般動詞が導入されるというように,ある程度,文法シラバスで構成されていると言えます。(すべてではありません。) しかし,小学校の英語活動では,文法項目を中心にシラバスを組むのは適当とは言えず,上記イ〜カを織り交ぜた混在型のシラバスが適していると言えます。 |
3 活動のタイプを検討する |
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活動計画を立てる際には,単元の目標と指導の形態(ALTとのTTなのか,担任単独なのかなど)などを総合的に考える必要があります。 例えば,ALTとのTTでは,ネイティブな音に触れさせるために,リズムチャンツなどの技能シラバスを取り入れたり,ALTとの授業自体を交流の場と考えて,あいさつや自己紹介などの機能シラバスで構成したりすることが考えられます。 また,高学年では,その発達段階を考慮し,単純な歌やゲームではなく,英語の指示により何かを作り出すといったタスクシラバス重視の活動を計画することも必要になってきます。 |
4 単元のねらいを定め題材を選定する | ||||||
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題材を選定するという作業は必要ですが,単元で何をねらうのかということをはっきりさせないまま題材を決めてしまうと,その題材で使われる単語の練習だけで終わってしまうことになりかねません。英語活動のねらいを意識して題材と活動を考えましょう。 |
5 実際に3〜4時間の単元を作成する | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
上記2〜4で述べたように,シラバスと活動のタイプを考慮し,児童の発達段階や英語活動経験年数に応じた単元構成の例を紹介してみます。 (下に例示した単元例の@,A,B…の数字は,指導の段階を表すものであり,時数ではありません。また,あくまでも例示であり,指導内容は,学年,児童の発達段階,英語活動経験などによって変わってきます。) |
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