第4学年   道 徳 学 習 指 導 案
                             
1 単元名  ぼく・私の学校はいい学校だよ  【内容項目 愛校心 4−(4)】

2 単元設定の理由

○ねらいとする価値について
 児童にとっての学級・学校とは,1日のうちの多くの時間を教師や友達と過ごす大切な場である。そして,授業をはじめ学校生活全体から学びとる社会性や豊かな心情は,将来へ向けての人格形成上の鍵となる重要な機能を果たしているといえるだろう。
 上級生の仲間入りを果たすこの時期に,学級や学校の「よさ」に気付かせたり,そこに込められたたくさんの人々の思いに気付かせたりすることは,児童にとって自分の学校を「いい学校だなあ」「もっと大切にしたいなあ」という心情を育てる上で意義あることだと考え,本主題を設定した。

○児童の実態について
 本学級の児童は,掃除を熱心に取り組んだり,元気よくあいさつをしたりすることができる。満足した学校生活をしている様子は,ほとんどの児童がアンケートで「学校はとても大切である」「学校は大切である」と答えていることからも分かる。
 しかし,勉強の大切さや友達の大切さは意識しているものの,学校の「よさ」や「大切にしている人」について深く考えている児童は少ない。
 そこで,この学習を通して,学校にかかわる「人」「もの」「伝統」には,それぞれ自分たちをよくしようとする共通の願いがあることに気付かせ,学校の一員であることの喜びを味わえる児童になってほしい。

○資料について  
 本単元は,3時間計画である。1時目では,学校の中にある「人」「もの」「伝統」という3つの視点からの写真を資料として活用する。それらを提示することで,それぞれがもつ「よさ」や,そこに込められた人々の思いに気付かせることができるであろう。また,資料となる写真が児童にとって身近なものであるため,生活へも広げやすいと考える。
 2時目は,1時目終了から調べてきたことや本時で見付けた「よさ」を付箋紙に書かせ,校舎全景図・校内平面図に貼らせたものを資料とする。多くの児童の考えを1枚の図にまとめることで学校の中にある「よさ」やそこに込められた思いがいかに多いかということに気付かせることができるであろう。自分の意見や考えをワークシートに書き込むだけよりも,それを出し合い,図上に付箋紙が増えてくるのを視覚的にとらえさせることで,「自分たちの学校はよい学校だ」という思いをもたせることができるであろう。
 3時目は,読み物資料(見えない名札 文溪堂)を使う。本資料は,公園で「仲間に入れてよ」と言ってきた他校の子どもと口論になり,やがて互いの学校の悪口を言い合う。それを見ていた卒業生にとがめられるという話である。実際に本校の近くにも,いくつかの学校があり,児童にとっては共感しやすい教材だと考える。この資料を使うことで,自分たちは学校の一員であるという所属意識を感じさせることができるであろう。

○指導の重点   
 本単元では,「三田川小の見えるよさ」→「三田川小の見えないよさ」→「三田川小の様々なよさと自分とのかかわり」という単元の構成をとる。
 1時目では,学校の中にあるよさを「人」「もの」「伝統」の3つの視点から見付けさせていく。そして,「そのどれが一番すばらしいか」を考えさせていくことで,それぞれに込められた「学校をよくしたい」「子どもたちをよくしたい」という思いや願いに気付かせていく。
 2時目では,本時までに調べてきた,学校の「よさ」や込められた「思い」を1枚の地図に書き込んでいく。さらに,学校を大切にしたいという思いをもった人は,学校の外にもたくさんいることを知り,その見えない思いにふれさせる。そこから,三田川小学校に込められた「学校を大切したい」という思いの多さに気付かせ,学校を大切にしようとする心情を育てる。
 3時目では,みんなで完成させた「よさ」や「思い」の地図をもとに,「三田川小はいい学校だ」という思いをもたせたい。そこから,資料に入ることで,他の学校のよさにも気付かせるとともに,「自分は三田川小の大切な一員だ」という所属意識や自覚を育てたい。

3 単元のねらい
 学校の中にある「よさ」や,そこに込められた「思い」を知ることで,「学校を大切にしたい」という心情を育てるとともに,その一員として行動することの大切さにも気付かせる。
  
 
4 指導計画   

第 1 時
主  題 学校ってありがたいなあ
ね ら い ◎ 学校にあるものや学校にいる人は,子どもたちがよくなってほしい,成長してほしいという思いをもっていることに気付かせ,学校を大切にしようという心情を育てる。
ねらいの具体化 【価値についての理解】
・三田川小にある○○が,三田川小のよさだよ。
・ずっと続けられている○○が三田川小のよさだよ。
・三田川小の○○先生は〜してくれるよ。それが三田川小のよさだよ。
・三田川小には「もの」「伝統」「人」の3つのよさがあるんだね。
・たくさんのよさには「子どもたちによくなってほしい」という願いが込められているんだね。
・○○にはきっと「〜なってほしい」という願いが込められていると思うよ。
・三田川小のよさや願いをもっと見付けたいなあ。

【道徳的心情】
・三田川小には,たくさんのよさがつまっていてすてき(いい学校)だなあ。
中心となる資料 ○写真(人のよさ…学校の先生,物のよさ…遊具,伝統のよさ…朝のかけ足)

第 2 時
主  題 学校ってすてきだなあ
ね ら い ◎ これまで見付けてきた学校のよさを出し合うとともに,学校以外にも学校を大切に思っている人がいることに気付かせ,その思いを考えさせることで学校を大切にしようという心情を育てる。
ねらいの具体化 【価値についての理解】
・A君が見付けた○○も三田川小のよさなんだなあ。
・たくさんのよさがあるけど,どれにもぼくたちによくなってほしいという願いが込められているんだね。
・三田川小の外にも三田川小や私たちのことを「よくなってほしい」と思っている人がたくさんいるんだ。
・私の知っている○○さんも,きっと三田川小を大事に思っているはずだよ。
・三田川小に思い出がある人も三田川小を「いい学校であってほしい」と思っているんだ。
・三田川小を卒業した人は,きっとこの学校にたくさんの思い出があると思うよ。
・私にも学校の中に〜な思い出があるよ。
・三田川小には,よさや願いや思い出がたくさんつまっているんだ。
中心となる資料 ○学校の全景図・校内の平面図,
○作文(地域の方,卒業生)

第 3 時
主  題 学校の一員ってどんなことだろう
ね ら い ◎ 付箋を貼り付けた学校の平面図などから自分たちへ向けられた多くの人々の期待に気付かせるとともに,資料を通して更に学校の一員としての自覚をもって行動しようとする心情を育てる。
ねらいの具体化 【価値についての理解】
・私たちをみて三田川小がどんな学校か決めるんだな。
・私たちのことを期待している人がいるんだ。
・ぼくたちも三田川小の一員なんだ。(見えない名札が付いてるんだな)

【道徳的心情】
・三田川小学校がよくない学校だと思われるのはいやだなあ。
・三田川小学校がいい学校だと思われるのは嬉しいなあ。

【道徳的実践意欲と態度】
・三田川小を他の人にもいい学校だと思われるようにしていきたいなあ。
・三田川小の一員としてこれから〜ができるようになりたいなあ。
・三田川小はいい学校だから,もっともっとよくしていきたいなあ。
中心となる資料 ○学校の全景図・校内の平面図,
○見えない名札(出典 4年 文溪堂)