トップ >  学習状況調査事業 > 全国学力・学習状況調査分析ツールとは
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   データ分析をより簡便、かつ効率的に行うための方法の一つとして、グラフ等として視覚化するという方法があります。無味乾燥な数値の羅列を、目で見て分かる形に加工することで、様々な示唆がより得られやすくなります。分析ツールとは、こうしたグラフによる視覚化等の作業を、一つ一つ行わなくてもいいように、表計算ソフトを用いて、自動で処理できるようにしたものです。
 
     
   この全国学力・学習状況調査分析ツールは、教職員ポータル内にある県調査用のツールを基本として開発し、学校等からの要望や提案なども盛り込み、充実を図っています。
   ポイント1:ボタン一発でらくらく操作!    
   第一に、「各学校が、少ない操作で出力できるように!」と考え、Microsoft Excelのマクロ機能を生かし、データ分析に有効な資料が得られるよう、工夫しています。各学校においては、基本的に佐賀県教職員ポータルからログインした画面で、諸調査集計・分析システムから関係のデータをダウンロードし、分析ツールフォルダ内に保存した状態で、ファイルを展開すると、あとは自動的に分析に必要なグラフが生成されます。
   ポイント2:データを多角的に見るための多様な分析グラフ群    
   各教科等の設問ごとや領域別、評価観点別、A問題とB問題の相関を見るバブルチャート、意識調査のグラフなどデータを多角的に見ることができるように多様な分析グラフ等を表示できるようにしています。各学校における教育実践と比較しながら、活用していただければと思います。
   ポイント3:操作性に優れた分析機能    
   最初に分析ツールのポータル画面を設定し、このツールの機能を概観できるようにしました。このツールで見ることができるグラフやデータを一覧にして把握することができます。また、設問ごとの正答率を表すグラフは正答率が高いものからの並べかえ機能や実際の調査問題等を閲覧できる機能など、操作性を充実させています。グラフ作成後も、いろいろな形でデータを表示させながら、結果を見ることにより分かることがあると思います。できるだけ簡単な操作で、これらの分析ができるようにしていますので、ぜひご活用ください。
   ■その他の工夫や配慮    
   グラフの色もユーザーの立場を考え、パソコンの画面ではコントラストの強いカラー表示を用いつつも、モノクロ印刷にした場合を考慮し、配色や網掛けを施しています。また、マクロを実行したあと、不要なエクセルファイルを自動的に削除するなど、使いやすくしました。
   
 

 一口に学力と言っても、様々なとらえ方がありますし、全国学力・学習状況調査の結果だけで、そのすべてが分かるものではありません。一方、昨今、「知識社会」と言われる中、実社会や実生活の様々な場面で、以前のように知識や情報を「知っている」、「覚えている」だけでなく、それらを生かして「考える」、新たな知恵を「創造する」ことが求められています。
 この全国調査や、その背景にある新学習指導要領の中で問われている「活用する力」とは、まさにこうした問題意識からのものであり、子どもたちの「生きる力」を育む上で、今後、重要視すべき要素の一つと考えます。また、こうした到達目標に一定の共通理解をもったうえで、「では、何に取り組むべきか?」を考えるに当たって、重要となるのは、学校ごとに異なる児童生徒の現状の把握・検証です。
 いかに到達目標がある程度共通のものであろうとも、そこにいたるプロセスは、現状に応じて様々であり、ましてや、教育課題の多様化が言われる昨今、その傾向はますます強まっています。
 つまり、「何をしたらいいのか?」という答えを待つのではなく、それぞれの学校が、自ら考え、みんなで工夫を凝らし、授業を変え、試行錯誤していくことが求められている時代といえます。
 このようなことから、今、県教育委員会では、教育事務所を中心に「現場志向の政策形成」を合言葉として、各学校等に出向き、現場の皆さんと同じテーブルで、「子どもたちのために何が必要なのか?」をともに考え、取り組んでいます。
 今回のツールは、こうした取り組みを行ううえで、まずは校内・外の関係者が、学校の現状・課題について共通理解をもち、それぞれの強みと弱みを適切に判断しながら、建設的かつ効果的な協議・検討につなげていくための一つの有力な道具となるものと期待しています。この結果を使った校内研修を企画するなどして、単に小学6年生、中学3年生、または国語、算数(数学)のみの結果としてとらえるのではなく、そこに到るまでの6年間、または3年間の教育活動がどうであったかということを全教職員で考える材料に使っていただければと思っています。

         
   
 

佐賀県教育センターが開発した分析ツールが紹介されています!

 
       
  掲載された「学校マネジメント2009.8月号」目次はこちら。編集後記はこちら  
       
  掲載された「内外教育2009.3.6号」はこちら  
         
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