平成22年度佐賀県小・中学校学習状況調査Web報告書

Web報告書もくじⅣ 教師意識調査の結果の分析


教師意識調査の結果の分析

5 学校組織のマネジメントに対する意識

教育活動の具体的な内容についての学校の方針を理解していると回答した教師は9割を大きく上回っている。

教育活動の具体的な内容についての共通理解が図られていると回答した教師は9割を大きく上回っている。  

 
この節では、教育活動方針の理解、方針や内容についての共通理解、職員間の雰囲気について問うことにより、学校組織のマネジメントが児童生徒の正答率や児童生徒の学習に対する意識に及ぼす影響を把握する。

 

「あなたは,学力向上や生徒指導など教育活動の具体的な内容についての学校の方針を理解していますか」という設問については、「理解している」と回答した小学校教師の割合は56.9%、「どちらかといえば理解している」と回答した小学校教師の割合を合わせると9割を大きく上回っている。同様に「理解している」、「どちらかといえば理解している」と回答した中学校教師の割合も9割を大きく上回っている。[図1]


 
この設問においてAグループとBグループの平均正答率を比較すると、小学校、中学校ともに明らかな特徴は見られないものの、全ての教科においてAグループが高くなっている。 [図2]
 
 
「あなたの学校では,教育活動の方針や具体的な内容について,学校全体で共通理解が図られていると思いますか」
という設問については、「そう思う」と回答した小学校教師の割合は43.1%、「どちらかといえばそう思う」と回答した小学校教師の割合を合わせると9割を上回っている。同様に「そう思う」、「どちらかといえばそう思う」と回答した中学校教師の割合も9割を大きく上回っている。[図3]


この設問においてAグループとBグループの平均正答率を比較すると、小学校では、国語と社会においてAグループの方が平均正答率が高くなっている。また、中学校では社会においてAグループの方が平均正答率がやや高くなっている。 [図4]
 

 

「あなたの学校では,指導の在り方や課題などについて,気軽に話し合える雰囲気がありますか」という設問については、「そう思う」と回答した小学校教師の割合は68.4%、「どちらかといえばそう思う」と回答した小学校教師の割合を合わせると9割を上回っている。「そう思う」と回答した小学校教師の割合は中学校教師の意識調査の結果と比べてやや高くなっている。[図5]


この設問においてAグループとBグループの平均正答率を比較すると、小学校では明らかな特徴は見られないものの、すべての教科においてAグループの方が高くなっている。中学校では、英語においてAグループの方がやや平均正答率が高くなっている。[図6]
 

 
<これからの指導に向けて>
学校組織マネジメントに対する意識との関連

指導法の改善、充実を図るためには、学校全体での取り組みが重要であり、学校組織マネジメントの充実は不可欠である。今回の調査結果からも、県全体として学校組織マネジメントの視点から見た場合、おおむね良好であるといえる。その中でも、学校全体として学校組織マネジメントへの意識が高い学校においては、正答率も高くなる傾向が見られた。これは、教師集団が目的を共有化しており、教師間の連携・協働体制が有効に働き、学校全体で教育に取り組む風土が醸成されていることの表われであり、教師の意欲や指導力の向上が、児童生徒の学力向上につながっている結果であると考えられる。


最終更新日:  2011-1-31