「意思決定を取り入れた討論型の学習」に取り組んでみませんか! |
2 研究の実際 |
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(3) 社会的な問題を把握する段階の考え方 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ア 社会的な問題を把握する段階にどう取り組めばよいのか
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「意思決定を取り入れた討論型の学習」に取り組む先生方から、「社会科で何を考えさせたらいいの?」、「どんな問題をどのように取り上げるの?」、「話合いをさせたけれど、なかなか盛り上がらなかった」などの疑問や質問等が寄せられます。「教科書を使った学習」から「意思決定を中心にした学習」へのつなぎ方に難しさを感じられるようです。この段階は単元づくりでの中核であると考えます。 そこで、意思決定を中心にした学習を図5のように3段階に分け、「社会的な問題を把握する段階」に研究内容を焦点化し言及していく必要があると考えています。
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イ 社会的な問題から導き出される論題をどう設定すればよいのか
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社会的な問題を設定する際に次のような点に留意して指導内容を吟味します。
社会的な問題は、児童生徒が意思決定する対象となる社会的事象、歴史的事象のことです。しかし、事象そのものを論題にするかどうかを考える際に、指導内容とずれが生じたり、資料の準備や児童生徒が話すことができる論題設定が難しかったりします。そこで、
「何が問題」で「何についてどのような討論がなされるか」を考える手順について、以下の(ア)〜(ウ)のように整理しました。
(イ) 「何を論題とするか」…問題になる社会的事象、歴史的事象を分析し論題を見付けましょう。 社会的な問題と導き出される論題との関係から、論題作成パターンは以下のように3つに分けられます(表2)。 表2 社会的な問題と導き出される論題との関係
@ 「この問題はこれからどうなる(このままだと…。)」
A 「この問題に対して、どうするべきか」
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ウ 実際の学習(授業)の流れをどう考えればよいのか |
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社会的な問題から導き出される論題を設定できたら、学習(授業)の流れを考えてみましょう。
これらの要素を勘案し、社会的な問題を把握する段階に組み入れることで、問題を明解にし、意思決定を中心にした学習へ誘う手立てを考えました。これにより、児童生徒が自分の考えをもち、意欲的に討論活動に参加すると考えます。ひいては、討論活動を通して児童生徒の思考力・判断力・表現力を育成することができると考えます。 そこで、社会的な問題を把握する段階の具体的な学習活動の流れを図6のように考えました。そして、問題を明解にする手立てについて具体的に考えました。
この学習活動の流れには、児童生徒の発達段階に応じて、1〜3単位時間を必要とします。この学習に慣れてきた中学生においては、課外の課題で調査させたり、既習事項を復習させたりすることで、1単位時間の前半で取り扱うことも可能です。 |
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