これからの算数科学習指導について提案します! |
2 研究の実際 |
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(6)平成24年度 全国学力・学習状況調査の問題分析と指導の手立て
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平成24年4月に実施された全国学力・学習状況調査の中で、これからの小学校算数科において求められている力を問う問題や本県児童に課題が見られた問題を取り上げ、分析をしています。出題の趣旨や調査問題の具体的な内容、調査問題で求められている力等について示していますので、これからの指導の参考にしてください。 ↓調査問題はこちらから↓ |
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小学6年生 A問題3(1)(2) |
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出題の趣旨 |
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(1)基準量(基準にする大きさ)、比較量(割合に当たる大きさ)、割合を図と対応させることができる。
(2)基準量の求め方が(比較量)÷(割合) になることを理解している。 |
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問題の内容 |
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(1) (2) |
赤いテープの長さが120cmであり、白いテープの長さが1に当たる大きさになることを捉え、適切な図を選択する。 赤いテープの長さが120cmであり、白いテープの長さが1に当たる大きさになると考え、立式する。 |
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この問題で求められている力 | ||||
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示された場面の数量の関係を理解する力 基準量を求めるために除法が用いられることを理解する力 |
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求められている力を育むための指導例 | ||||
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■ ■ |
数量の関係が文章で与えられた場面で、文章から分かることを順序よくテープ図や線分図などの図に表す活動を取り入れる。 基準量を求める場面を用い、最初に乗法の式に表して数量の関係を捉え、次に除法の式に表させる。 |
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などが指導上必要と考えられます。 | ||||
小学6年生 A問題5(2) |
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出題の趣旨 |
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三角形の底辺と高さの関係について理解している。 |
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問題の内容 |
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辺アイを底辺とするときの高さを図の中から見付ける。 | |||
この問題で求められている力 | ||||
■ | 示された底辺に対応する高さを、図から読み取る力 | |||
求められている力を育むための指導例 | ||||
■ ■ |
1つの三角形において、底辺をどこに取るかで高さが決まることを図を用いて理解させる。 方眼上にかかれた三角形から、必要な辺の長さを求めて面積を考えさせる。 |
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などが指導上必要と考えられます。 | ||||
小学6年生 B問題2(2) |
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出題の趣旨 |
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必要な情報を用いて、指定された高さにすることができるかどうかを判断し、その理由を言葉や数を用いて記述できる。
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問題の内容 |
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中型の跳び箱では70cmの高さができるかどうかを判断し、その判断の理由を記述する。 | |||
この問題で求められている力 | ||||
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跳び箱の仕組みと式に表された数量の関係とを対応させる力 判断の根拠を説明するために必要な数値を求め、筋道を立てて表現する力 |
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求められている力を育むための指導例 | ||||
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設問(2)を用いて、中型の跳び箱でできる高さを表にまとめ、表の中のどの事実を取り出して示せば十分な説明ができるかを話し合う活動を取り入れる。 日常の事象を数や量などに着目して観察し、算数で学習したことと関連付けていく学習の機会を設定する。 |
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などが指導上必要と考えられます。 | ||||
小学6年生 B問題5(3) |
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出題の趣旨 |
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表から適切な数値を取り出して割合の大小を判断し、その理由を言葉や式を用いて記述できる。
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問題の内容 |
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表から、一輪車に乗れる男子と女子の割合を求め、乗れる人数の割合が等しいことを言葉や式で説明する。 | |||
この問題で求められている力 | ||||
■ | 示された情報から、必要な数値を選択し、割合が等しい理由を表現する力 | |||
求められている力を育むための指導例 | ||||
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日常生活で二つ以上の事象の大きさを比べるときには、量で比べる場合と割合で比べる場合があることを理解させ、目的に応じて適切に使い分けられるようにする。 図を用いて、量で比べる場合と割合で比べる場合との違いを明らかにさせる。 商品の金額の割引率など、日常の場面の中から問題を取り上げ、割合の考えを用いて比べるよさに気付かせる。 |
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などが指導上必要と考えられます。 | ||||
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