生きて働く言語能力を育てる「国語科学習指導の具体策」を提案します!

   

「生きて働く言語能力」の育成を目指した中学校国語科における学習評価の進め方

学習評価の方法
 

生徒の学習状況を適切に評価し、その評価を指導に生かすためには、最適な評価場面と評価方法を考えておく必要があります。評価対象が生徒の内面的なこと(関心・意欲・態度、聞く能力、読む能力など)である場合や、記録として残りにくい音声言語を評価資料とする場合は、評価が難しいので、特に配慮が必要です。ここでは、評価が難しいとされる【国語への関心・意欲・態度】【話す・聞く能力】【読む能力】の3観点を取り上げて、評価の方法や留意点について説明します。表中の◎は「ポイント」、○は「具体的内容」、●は「注意事項」を示しています。

観点
国語への
関心・意欲・態度
話す・聞く能力
読む能力
評価の対象 国語科の学習内容についての関心、学習活動への意欲や態度等 学習指導要領の「話すこと・聞くこと」の指導事項に対応する話す・聞く能力 学習指導要領の「読むこと」の指導事項に対応する読む能力
評価の難しさ
関心や意欲は、内面的なものであること。
   
聞くという行為は、聞き手の内面で行われていること。
音声言語による伝達行為は、記録が残しにくいこと。
読むという行為は、読み手の内面で行われていること。
   
評価方法
(評価資料)
【何を見て】
明確な根拠となるものを評価資料とする。
発言や行動等取り組みの内容や様子。
作文、ノート、ワークシート、レポート等の記述。
明確な根拠となるものを評価資料とする。
実際に話したり聞いたりするときの発言や様子。
スピーチ原稿や聞き取りメモ、インタビュー構成メモ等の記述。
明確な根拠となるものを評価資料とする。
感想交流や意見交流の際の発言内容。
作文、ノート、ワークシート、レポート等の記述。
評価方法
(留意点)
【どのように評価するのか】
評価の目安を具体化する。
メモやビデオ等による記録(録音・録画)を工夫する。
ある程度長い区切りの中で適切な頻度で多面的に評価する。
発言の回数や様子、忘れ物の多寡などといった表面的な状況のみに着目することのないようにする。
評価の目安を具体化する。
メモやビデオ等による記録(録音・録画)を工夫する。
聞く能力の評価は、どのように聞いているかを何らかの形で表現させて評価する。
一人ひとりを丁寧に評価するために、活動の進め方や学習形態を工夫する。
スピーチ原稿や聞き取りメモ、インタビュー構成メモ等の記述内容と、実際のスピーチ、質問、助言、意見、感想等の発言を組み合わせて総合的に評価する。
評価の目安を具体化する。
メモやビデオ等による記録(録音・録画)を工夫する。
読む能力の評価は、どのように読んでいるかを何らかの形で表現させて評価する。
感想交流や意見交流の際の発言内容だけを評価資料とするのではなく、交流メモやスピーチメモ等の記述なども評価資料として総合的に評価する。
書いたものや話したものを評価資料とする際には、【書く能力】や【話す・聞く能力】の評価をしないように注意する。

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最終更新日:2012-08-20