『小学校学習指導要領解説 特別活動編』 では、「(2)日常の生活や学習への適応及び健康安全」における「話合い活動」の事前、事後等の一連の活動過程をこのように示しています。 |
|
小学校学習指導要領解説 特別活動編 p47 |
|
イ |
「本時の活動」での話合い活動の位置付け |
|
上に示した『小学校学習指導要領解説 特別活動編』の活動過程を基に、本研究では、児童生徒が解決すべき問題を自分自身の問題として受け止めていくような手立てとして、その問題を解決する必要性をもたせることが重要であると考え、本時の活動を次のような4つの段階で進めることとしました。 |
|
|
小学校学習指導要領解説 特別活動編 |
 |
プロジェクト研究での提案 |
本
時
の
活
動 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
※ |
本研究では、話合い活動となる「@問題の状況の把握」と「B解決や対処の仕方などについて共に考える」の間に、問題を解決することの価値を意識する段階、「A価値の意識化(必要性を考える)」を加えました。これらの段階を授業モデルや授業実践の中でそれぞれ話合いの「柱1、柱2、柱3」としています。
「C自分としての解決方法などを自己決定する。」については、柱1から柱3までの話合いを基に自分自身で解決方法を考える段階です。
以下に、それぞれの段階について説明します。 |
|
|
@ 問題の状況の把握 【柱1 自分や学級の様子を振り返る】 |
|
|
|
まず、問題に対する自分や学級の様子を振り返り、自分たちの状況を把握することが大切です。自分たちの状況を把握できなければ、問題の本質に気付くこともできませんし、解決に向かうための考えが形骸化したものになりかねません。それぞれに振り返ったことを話合い活動の中で出し合うことで、問題点を共有化し、共に考え解決していこうとする意欲に結び付くと考えました。 |
|
A 価値の意識化(必要性を考える) 【柱2 必要性を考える】 |
|
|
|
問題を解決するには、まずその問題の原因を考えます。問題の原因を追究することで、それを解決するための必要性も生まれ、その結果が解決方法につながっていくからです。しかし、原因追究を話合いで行ったときに、学級がマイナスの雰囲気になってしまうことがあります。そこで、プラスに向かわせる気持ちのよい話合いであり、さらに、深まりのあるものにするために「原因追究」ではなく題材の意図することはなぜ大切なのかという「価値の意識化」を2の段階に位置付けました。
大人から見ると当たり前のことであっても、中にはその必要性が分からない児童生徒がいることもあります。また、児童生徒相互にその必要性を出し合わせることにより、身近な友達から出た言葉でその必要性を主体的に再確認することができ、実践への意欲につながると考えました。 |
|
B 解決や対処の仕方などについて共に考える 【柱3 解決方法を考える】 |
|
|
|
ここでは、問題の解決方法について、意見を出し合います。「自分で実践していくのだから、出し合わなくてもよいのでは」と考えがちですが、ここで解決方法を出し合わせることで、それぞれが学級の友達の前で「自分はどう考え、どう実践していこうとするのか」ということを宣言することになり、それが実践への意欲につながります。また、友達の考えを聞くことでそれが自己決定のヒントとなって自分の考えを振り返り、より具体的なものへ、より効果的なものへと自己決定の質を高めることにもつながります。 |
|
|
|
|
一人一人の問題について、実際に解決に向けて努力することを具体的に決める自己決定をさせます。柱1から柱3で意見を交換し、互いに参考にしていくための話合いをさせることを通して自己決定をさせることが大切です。 |