数学的な思考力・判断力・表現力の育成について |
「算数科の目標」で、今までと変わったところはどこですか? |
「日常の事象について見通しをもち筋道を立てて考え、表現する能力を育てるとともに、算数的活動の楽しさや数理的な処理のよさに気付き、進んで生活や学習に活用しようとする態度を育てる。」
と示されています。 |
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まず、
「表現する能力」という文言が付け加えられています。
そして、
今までは「生活に生かそうとする態度」と言われていましたが、「生活や学習に活用する態度」と変わっています。毎日の学習の中で取り扱うことが大事だと言われています。 |
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どうして、「表現する能力」が加わったのですか? |
それはですね、 |
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互いに補い合う能力だからです。 |
考えを表現する過程で、自分のよい点に気付いたり、誤りに気付いたりする。 |
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考えを表現することで、筋道を立てて考えを進めたり、よりよい考えにまとめたりする。 |
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つまり、
考えたことを、友だちに説明したり、文章にまとめたりしているうちに、よいところや悪いところが改めてはっきりすることがありますね。また、文章に表したり、メモにまとめたりしていきながら、考えが整理できることもありますね。このようなことから、考える能力と同じぐらいに表現する能力をはぐくむことを大事に考えているようですね。 |
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だから、日々の学習では、
様々な考えを出し合って、お互いの考えを説明したり、伝え合ったりする算数的活動を取り入れることが大事になりそうですね。 |
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なぜ、算数科の学習で取り扱うようにされたのかな? |
それはですね、 |
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算数科の学習場面に問題を解決したり、判断したり、推論したりする場面を設定することができるからです。
そして、このような場面を通して学習させることで
見通しをもって考えたり、筋道を立てて考えたり、表現したりする力を高めさせていくことができるようになると言われています。
だから、このようなねらいが設けられている算数科の学習が、最も適していると言われています。(もちろん、他の教科等でもこのようなねらいをめざすことはできます。)
そこで、このめあてに沿うような学習計画を立てていくことが大事になりそうです。 |
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特に算数科の学習の特徴として、 帰納的に考えたり、演繹的に考えたりする場面などを計画的に設けることが必要になると思います。また、算数科の学習に系統性があることが、筋道を立てて考えたり、説明したり、表現したりする能力を育てていくことにつながると言われているようですね。 |
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では、具体的な学習場面ではどうすればいいのですか? |
各学年における学習では、
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児童の発達段階や、その学年での指導内容に適した形で見通しをもち筋道を立てて考える能力を育てていくことが重要 |
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児童が具体物を用いたり、言葉、数、式、図、表、グラフなどを用いたりして、自分の考えたことを表現したり、友達に説明したりする学習活動を取り入れることが重要 |
と示されています。 |
このことから考えると、
児童の実態をつかんで、現在理解していることを使って考えさせることが大事なります。
そして、自分の考えを分かりやすく表現させ、友達に伝えさせることが必要になります。
それと、具体物など使って考えさせたり、説明させたり、表現させたりすることも重要になりそうです。 |
また、言葉で説明したり、絵や図に表したり、式などに分かりやすくまとめたりさせることが大事になります。そして、逆にそれらを読み取ることも大事になりそうですね。 |
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数学的な思考力・判断力・表現力をはぐくむ学習を続けると |
○ |
日常生活においても、合理的に考えたり、論理的に考えたりすることができるようになります。 |
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根拠を明らかにしながら、説明したり、表現したりすることをを通して、互いの考えや思いを伝える能力を育成することになります。 |
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自分の考えたことを分かりやすく説明したり、表現したりするために、基礎的・基本的な知識・技能を活用しながら、学習したことをきちんと身に付けることができるようになります。 |
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そこで、
「数学的な思考力・判断力・表現力をはぐくむ」ためには、基礎的・基本的な知識・技能を習得することと、算数的な活動を取り入れた学習を行うことが大事になります。 |
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