教師の困り感調査結果

原因がわからない・原因が取り除けない

よくない状態の原因がわからない

泣いたり,教室を飛び出したりしたとき,理由を聞いても言わない

学校に来たくない理由を次々に変える

友達とのトラブルの理由を,自分の都合のいいように話す

よくないことを友達や教師や保護者のせいにする

生育歴が問題だと思うが,どうしようもない

発達障害が疑われるが,診断がないので,わがままか発達障害かが,わからない。原因がわからないと支援できない

保護者のライフスタイルが問題だが,介入できない

家庭環境が気になるが,プライベートなことなので,介入できない

 実際,気になる子どもと学校でかかわっている教師からの聞き取りで,「教師の困り感」が次のようなものだとわかり,8つに分類することができた。

 その中の4つのカテゴリー(下線)については,ブリーフセラピーを生かした学校内カウンセリングが有効であると考えられる。

 ★…ブリーフセラピーの考え方や技法を取り入れることで,対応への糸口がつかめると考えられます。

保護者とのかかわりが難しい

保護者の理解が得られない,子どもの学校での様子をわかってもらえない

学校は対応に困っているのに,家庭では困っていない

家庭での協力をお願いしたが,実行してもらえない

・家庭訪問するが会ってもらえない・話したいが,学校に来てもらえない

子どもの様子を伝えたら,自分と保護者との関係が悪くなった

・子どもの口から保護者に,事実でないことが伝わる(自分にとって都合の悪いことは言わない)

子どもの状態は安定しているのに,保護者が心配しすぎる

・家庭で,子どもに無理をさせすぎている(塾・けいこ事など)

時間や人員の確保,支援体制の確立が難しい

ひとりの子どもにゆっくりかかわる時間の余裕がない

担任ひとりでの対応に限界を感じる

・職員間で共通理解したはずのことが,そうなっていない

1対1だと状態がいいが,そういう機会がつくりにくい(放課後はほとんど会議などで詰まっている)

・その子どもとだけのかかわりが増えると,周囲の子どもが納得しない

・学校の支援体制が整っていない

相談室や保健室登校の子どもや,教室外でうろうろしている子どもにかかわる職員が足りない

・今年度加配があり,気になる子どもたちについてもらっているが,来年度も同じ体制がとれるかどうかわからない

スクールカウンセラーに相談しているが,1か月に1度程度しか会えない

教師自身の姿勢への反省

・自分自身に,力量がない

子どもとどうかかわっていいか,どう指導していいかわからない

子どもの話を聞こうと思うが,つい一方的に子どもを見てしまう

・子どもの目線で話をしたり,聴いたりしようと思っても,そうできない

・かかわりの難しい子を敬遠してしまう

かかわる場がもてない

・学校に来ていないので支援のしようがない

・教室にいないので,かかわれない

・特定の先生としかかかわらない

その他

落ち込んでいる子どもへの励まし方がわからない

・小学校高学年女子への話しかけ方が難しい

・同じ指導を何度も繰り返さなければならない

子どもの反応

・こうすればいいよとアドバイスしても,子ども自身が動かない

子どもの言葉の表出が少なく,話が教師主導になる

・否定的,拒否的態度で,話ができない
  (教師の問いかけに,「わからん」「別に」としか反応しない)

・話しかけても反応がない

子どものマイナス面やできないところに目が行く

その子どものいいところが見いだせない

子どもの好きなことや得意なことが見付けられない

その子どもとつながるきっかけがつかめない

子どもに希望や見通しをもたせるようなかかわりができない

・支援しても子どもに変化が見られない よい方向に行かない

子どもにやる気が見られない

・教師に対して反抗的で,指示が通らない

言葉を尽くして諭しても効果がない

・注意を素直に聞き入れない

自分のよくないことろは棚に上げて,人を責める

・周囲の好意(よかれと思って教師や友達がしたこと)を受け入れない