学級活動実践例 (中学校第2学年で実施) | 指導案はこちら | |||
題 材 | 自分の生活に合った食事を考えよう | |||
ねらい | 食生活の仕方によって生活リズムが変ってくることが分かり,自分の生活に合った食事のとり方をしようとする態度を養う。 | |||
授業の ポイント |
中学生の時期は,心身ともに発育・発達が著しい。部活動などスポーツや文化活動に参加するようになり学校で活動する時間も長くなる。学校外でも夜遅くまで塾や習い事などに行く生徒もいて,生活時間や生活空間が大きく変化する時期である。また,弁当給食など食べるものを自分で選択する機会も多くなる。以上のようなことから生活のリズムが乱れやすく,規則正しく,栄養バランスのとれた食事をとれないなどの問題が起こりやすい。 授業の展開部分では,生徒の実態を考慮した事例を基に班討議をさせ,ヒントカードを参考に解決策を考えさせたい。ここでは,勉強や部活動など充実した学校生活を送るためには,自分の生活に合わせて食生活を工夫し,きちんとバランスのとれた食事をとることが大切であることをおさえたい。終末では,自分の食生活の問題点を解決する方法を考えさせ,進んで自分の食事や生活リズムを改善していこうとする態度を養いたい。 |
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○事前の活動:自分の食事のとり方について,食事時間,内容を記録させておく。 |
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授業の実際 | 段階 | 生徒の活動と生徒の反応 | 教師の指導・支援 | 資料など |
活動の 開始 |
@自分の生活時間と食事内容を振り返り,問題点を知る。 ・寝る時間が遅い ・野菜を食べていない ・夕食を一人で食べることがある A本時の活動のねらいを知る。
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・事前に,生活時間と食事内容,問題点を書かせておく。 ・食事の内容や食事をとる時間や間食の内容についての問題点を発表させる。 ・充実した生活を送るためには,食生活によって心身の健康づくりをしておくことが大切なことに触れ,ねらいを提示する。 |
・ワークシート |
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活動の展開 | B事例について班で分析をし,問題点を見付ける。 〈Aさんの事例の問題点〉 朝食の問題,間食と夜食の問題 〈Bさんの事例の問題点〉 サプリメントの問題,偏った栄養 のとり方の問題
C問題点を解決するための方法を考える。 (班で,事例AかBを選び話し 合う) D各事例について考えた解決策を発表する。 〈解決策の例〉 ・朝食をしっかり食べる ・早寝早起をする ・間食(夜食)を見直す ・筋肉をつけるには,バランスよく 食べる |
・生徒の実態を考えた事例A,Bを提示し,班討議を通して問題点を見付けさせる。 ・付せん紙に各自が考えた問題点を書かせ,班でまとめさせる。 ・問題点を発表させて,問題点を整理して,活動Cに入る。 ・解決策を班でまとめさせ,そう考えた理由も考えさせる。 ・困った場合は,ヒントカードを用意しておき,参考とさせる。 ※ヒントカード:朝食の必要性,間食と 夜食, サプリメントに関する情報など ・解決策と,そう考えた理由を発表させ,次の点を確認する。 ・「朝食の重要性」を確認し,朝食がし っかりとれるための方法は,前日の 食事のとり方とかかわっていること (間食の内容や食事の時間,寝る 時刻など) ・「筋肉をつける」ためにある1つの栄 養素だけをとっても,バランスが悪 いと,効果が出ない |
・事例A,B ・付箋紙 ・記録カード ・ヒントカード (PDF) ・記録カード(発表用) |
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活動のま と め |
E自分の食生活の問題点を解決する。
F本時の学習で学んだことや生かしたいことを考える。 |
・活動Dをもとに,自分の食生活の問題点について解決策を考えさせる。 〈解決策を考える視点〉 ・間食の内容や時間 ・食事の内容 ・食事のとり方(時間,だれと) ・実践ができるように,必要に応じて事後指導を行う。 |
ワークシート | |
授業を 振り返って |
○生徒の感想より ・ Aさん,Bさんともに問題がありました。私自身にも似ている問題が見付かりました。解決方法をみんなで考えたので自分の食生活を見直してみようと思いました。 ・ 自分も寝る前にお菓子や夜食をよく食べてしまっているなと思いました。これからは,お菓子を減らして,しっかり食事をとろうと思いました。 ・ よく考えてみればテレビの時間が長かったり,寝る時間が遅かったりしたからもっと早く寝ようと思いました。朝食をしっかり食べると集中して授業が受けられることも分かりました。食生活や生活のリズムを見直す機会になりました。 ・ 朝食のバランスが悪いことに気付かされました。これからはただ食べてくるということだけではなく,緑黄色野菜や魚を食べるなど,食事のバランスも考えて食べようと思いました。 ○授業者より 部活動で優勝することを意識して,家庭でも筋肉トレーニングや朝練を欠かさず頑張る生徒や,学力を気にして夜遅くまで塾で過ごしている生徒がいる。その中には「きつい」「疲れた」と訴える生徒も少なくない。本時の学習では,生徒の実態に近い事例を提示したため,自分の食生活と比較して考え,事例の問題点を解決することで,自然と自分の問題点の解決策を考えることができた。事例の問題点を出した後の問題の整理が支援のポイントと考える。班討議では付せん紙を利用し,まとめさせたが,班討議が活発にできるようであれば,班ごとに意見を記録カードにまとめるだけでも良いと思う。展開では,ワークシート等に書かせる時間を長くとるよりも,話し合いに時間をとった方が良いと思われる。 |