学級活動実践例 (小学校高学年で実施) | 指導案等はこちら | |||
題 材 | 元気の出る朝ごはん ―朝食バージョンアップ大作戦― | |||
ねらい | 朝食の大切さを再認識し,朝食の献立を考えることを通して,自分の朝食を改善していこうとする態度を養う。 | |||
授業の ポイント |
導入では栄養教諭(栄養士)の協力を得て,朝食の大切さにいて再確認し,朝食献立を考える際のポイントを理解させる。 献立作りでは,食材(イラスト)を入れた冷蔵庫(図)を6つ(班の数)を用意する。朝食でよく食べるものや家によくある食材(イラスト)を10〜15品ほど選んで入れておく。冷蔵庫の扉を開いて,そこから必要な食材を取り出して,各グループが自由にテーマを決め献立を考えていくような設定にした。考えた献立は発表させて互いに比較させ,それぞれのよさや工夫,改善点などに気付かせていく。まとめの段階では,栄養教諭が各グループの献立について,栄養面や調理法の工夫等の視点から助言をする。 本時で考えた「元気の出る朝ごはん献立」については,休日などを利用し,家庭で作ってみるように声を掛けるとともに,保護者にも協力を依頼していく。 この授業は家庭科「ごはんとみそ汁」の題材学習後に実施し,より発展的な内容としたい。 |
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○事前の活動:家庭環境や各家庭における朝食の様子(実態)を把握しておく。 | ||||
授業の実際 | 段階 | 児童の活動と児童の反応 | 教師の指導・支援 | |
T1(担任) | T2(栄養教諭) | |||
活動の 開始 |
@朝食の大切さを知る。![]() 【朝食の大切さについて話す栄養教諭】 Aどんな食事にするとよいか考える。 ・栄養面のバランスがとれている ・消化しやすい ・食べやすい ・短時間で作ることができる ・準備や後片付けが簡単 ・材料は朝,家にある物で作る B本時の活動のねらいを知る。
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・アンケート結果を提示することで,子ども一人一人が自分の問題としてとらえるようにする。 ・朝食をとらなかった場合の影響について,体験談から考えさせる。 ・朝食にふさわしい食事作りの条件を考えさえる。 |
・朝食が身体に及ぼす効果や生活リズムとのかかわりなどについて話をすることにより,朝食をとることの大切さに気付かせる。 ・朝食として必要なポイント(栄養のバランスがとれた内容,短時間で作ることができる,後片付けが簡単など)をおさえる。 |
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活動の展開 | C冷蔵庫に入っていた食材を使って,元気の出る朝ごはんの献立とテーマを考える。 ・日曜日の朝は,こんな朝ごはんが 食べたいな。 ・冷蔵庫の中の食材で何が作れるかな ![]() ![]() Dグループごとに発表する。 〈子どもたちが考えたメニュー〉ここをクリックしてください。 ・簡単スピード朝ごはん ・パワーブレックファースト ・野菜豊富&スピード朝ごはん ・元気が出るカラフル朝食 ・きせきの元気もりもり朝ごはん ・頭がよくなる朝ごはん ![]() 【考えたメニューを発表する子ども】 |
・冷蔵庫の中にあるような食材を6コース(2つずつは同じもの)用意し,各グループで無作為に選ばせる。 ・食材は少し大きめの絵で提示する。 ・考えやすいように,記入用紙を示し,主食は「ごはん」か「パン」を選ばせる。
・朝食のポイントを意識させながらグループなりの工夫を考えさせる。 献立作成の様子 ![]() ・朝食として必要なポイントがおさえられているか,どんな工夫(調理法や味付けなど)がされているかなどに注意して聞かせる。 |
・朝食として必要なポイントのうち,特に重視したい点をグループのテーマにするように伝える。 ・活動が停滞しているグループには,朝食のポイントについて説明を加えながらアドバイスをする。 ・それぞれのグループのよかった点やもう少し工夫した方がよい点(あと1品加える,こんな調理法がある,この食材と置き換えるのもよい)などを発表後にアドバイスをする。 |
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活動のま と め |
E本時の学習を振り返る。![]() |
・完成したメニューは,休みの日などに家庭で作るように勧める。 ・本時の学習で気付いたことや考えたことなどをワークシートに書かせ,自分の朝食を改善しようとする意欲を高める。 |
・朝食として必要なポイントを再確認し,今後の生活に生かしていくように伝える。 |
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授業を 振り返って |
○児童の感想より ・栄養の先生が,朝食のことについていろいろ教えてくださったので,朝食の大切さやどんな朝食がいいかなどがよく分かりました。これから,学校に行く日は無理かも知れませんが,土・日・祝日などは,簡単にできて栄養のバランスがいい朝食を自分で作って,家族にも食べてもらいたいです。 ・朝ごはんを食べると頭がよくなったり,身体の体温が高くなったりして,朝ごはんを食べることがとても大切なんだなあと思いました。そして,栄養のバランスが大切なことや早く作ることができること,冷蔵庫の中にある物で作ることができることなどが朝食作りのポイントだと思いました。今度,冷蔵庫の中の物を使って自分で作ってみたいと思いました。 ○授業者より 栄養教諭(栄養士)とのTTの授業は,子どもたちが,専門的な立場から食事や栄養についての話や,考えた献立についてのアドバイスが聞たのでとても効果的だった。子どもたちは,栄養教諭の話に「へえ,そうなんだ」と驚いたり,考えたメニューをほめられて喜んだりしながら,真剣なまなざしで話を聞いていた。 また,子どもたちが活動しやすいように,食材をイラストで提示した。視覚的にとらえて献立を考えやすく,活動にも意欲的に楽しく取り組むことができ,有効であった。 ○教材 授業で用いた食材(イラスト):PDFは,こちらから |