学級活動実践例 (小学校中学年で実施) | 指導案等はこちら | |||||
題 材 | 「大切な朝ごはん」 | |||||
ねらい | 朝食の大切さを知り,自分の朝食のとり方を見直すことで,自分から進んで朝食をとろうとする態度を育てる。 | |||||
授業の ポイント |
核家族化・女性の就労率の高まりなど,家庭内の環境の大きな変化は児童の食生活にも大きく影響し,年々朝ごはんを食べないで登校する児童が増えてきている。それが,学力の低下の一要因だとも考えられている。県内小学生の食生活実態調査結果でも,朝食の欠食や主食のみの朝食,一人で食べるなどが問題であった。朝食の欠食理由として,「食欲がない」「時間がない」の順に多かった。 この時期にしっかりと自分の食生活を振り返り,朝ごはんの重要性について学習すること,そして自分の食生活を見直し実践につなげていこうとする態度を育てることは,とても大切であると考える。本時では,自分の朝食を見直す視点を3点に絞って,子どもたち自らに自分の食事を改善させていく。 |
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○事前の活動:朝食の実態調査をする。 (朝ごはんの摂食状況,今朝の朝ごはんの内容や食べた時間など記入させる) ○事後の活動:朝ごはんの摂取状況調べをする。 調査後,「自分の生活リズムを見直して,朝食をきちんととること」をねらいとした授業を計画する。 ※指導の順序は,本時を後にしてもよい。 |
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授業の実際 | 段階 | 児童の活動と児童の反応 | 教師の指導・支援 | |||
T1(担任) | T2(栄養教諭) | |||||
活動の 開始 |
@アンケート結果や朝食の様子の絵を見て,問題点を見付ける。 ・ごはんだけ…? ・少ない。 ・時間が少ない。 A本時のめあてを把握する。
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・朝食アンケートの結果や児童の朝食の様子の絵を見せ,毎日食べていても内容に問題があることをとらえさせる。
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・児童の反応を見取り,問題を見付けられないときには,視点を与える。 |
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活動の展開 | B朝食をとらないとどうなるのかを考え,朝食の必要性を知る。 ・力が出ない。 ・脳が働かない。 ・気分が悪くなる。
C自分の朝食の問題点を見付ける。 (ワークシートでチェックする)
D自分の朝食を改善する。 (足りないメニューを加えたり, 食べる時間を変えたりする) |
・空腹のときの学習について自分の経験を基に考えさせることで,課題をより自分に近いものにさせる。
![]() ・朝食のポイントを確認し,自分の朝ごはんをチェックさせる。 ・毎日食べているか。 ・しっかりかんでいるか。(食事の 時間はどれくらいか) ・内容はどうか。(赤・黄・緑がある るか,色鉛筆でチェックする) ・自分の朝食をよくするために,自分にできる方法で朝食を改善させる。 ・改善が進まない児童には,改善方法を提示する。 |
・朝食の役割や朝食と学力の関係を表したグラフを見せ,朝食の重要性を知らせる。 ・朝食の食べ方で大切なことを提示する。 ・毎日食べる ・よくかむ ・バランスよく (3色そろう※) ・問題点に気付かない児童にはアドバイスをする。 ・見直す問題点がないという児童には,よりよい朝食にするための課題を与える。 ・3色に分けた料理や食品例をプリントにまとめ,配布して活用させる。 |
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活動のま と め |
D本時を振り返り,次時の課題を 知る。 |
・自分で見直したことを基に,これから1週間朝ごはん実践カードをつけてみることを促す。 |
・朝食をしっかりとるためには,生活リズムを整えることも大切であることを話し,次時の課題とする。 |
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授業を 振り返って |
〇 授業者より クラスの朝ごはんの摂食状況を見ると,毎日は食べていない児童が37人中5人ほどいた。また,毎日食べている児童の中には,朝食内容がパンやごはんなどの主食のみを答えている児童が11人もいた。 今回の授業で,栄養教諭の先生から朝食の大切さについてペープサートやグラフを用いて話を聞くことができたことは,児童にとって印象が残り大変有効であった。本時では,自分の朝ごはんについて一人一人が問題点を見付け,見直しをしていった。見直しのポイントを「毎日食べているか」「(時間をかけて)しっかりかんでいるか」「食事内容はどうか」の3点に絞ったことで,児童はスムーズに自分の問題点を改善しようとする姿が見られた。 改善する際には,朝ごはんになりそうなメニューを食品の働き(赤・黄・緑の3色)に分け紹介した資料を与えた。これにより児童は食事内容についても自分の足りない部分を補うという形で考えることができたようだった。本時で食事内容の見直しをした児童は,28人,毎日食べることについての見直し3人,食事時間の見直しをした児童は6人,(欠席3人)であった。授業後は,実践カードを用いてその変容を見取るようにした。 〇 参考 小学校中学年では,食事内容(栄養的なバランス)の改善を行うという課題は一般的には難しいと思われます。この授業実践校では,日ごろから「赤,黄,緑」に分けて栄養のバランスをとることを指導されていましたので,3色に分けた指導となりました。バランスのとり方の指導法としては,「主食(ごはんやパン)」「おかず」「飲み物や汁物」をそろえるという方法が児童に身近で分かりやすいと思われます。 |