学習活動 |
教師の働きかけ |
1 本単元の学習のねらいと流れを把握する |
コミュニケーションの場面で,説明不足や,論理性が欠如した説明によって,相手にうまく本意を伝えることができず,人間関係が気まずくなってしまう状況を再現した教師のスキットによって,自分の気持ちをつながりよく,分かりやすく相手に伝えたり,相手の言いたいことをつかむことの大切さを知らせます。
※ 本単元では,携帯電話をトピックに取り上げているので,教師のスキットでも,「携帯電話やメールでの説明不足によって生じた誤解」を取り上げました。 |
2 My Opinion (個人活動)
@ mappingによって「Having A Cell Phone」に
ついての自分の考えを整理する
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mappingの中のバルーンのつながりがよいと,その後,文章化した際に内容が論理的になります。バルーンが滑らかにつながっていない生徒には質問したり助言したりして,書き足すように促しましょう。
※ mappingに慣れてきたら,自分の考えについてのmappingは宿題として取り組ませ,授業の際に持ち寄ってもかまいません。 |
【My Opinionの際のmapping記入例】
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【My Opinionの際のスクリプト記入例】
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A バルーンを英訳し,文章化する
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バルーンの英訳の段階で,このトピックで使用する専門的な用語を把握し,共通理解を図ったほうがいい表現については,学級全体に知らせます。
和英辞書の中の表現等で生徒が迷っている際は,英和辞書で引きなおし,最も適切と思われる表現を一緒に探すなどします。また,難しい表現等の使用が見られる際は,natural,
simple, easyなparaphraseになるよう助言します。 |
3 Role Play(ペア・班活動)
@ 集団編成と役割分担を行う
【4つの役割 four roles】
携帯電話を持つことに・・・賛成の生徒の役
反対の生徒の役
賛成の保護者の役
反対の保護者の役 |
クラスを8人ずつの班に分けます。次に,それぞれの班を4つのペアに分けます。(人数調整のため,3人組を編成してもかまいません)
roleの分担は,それぞれのペアの代表にくじを引かせて決定し,その役割(role)の立場に立って自分たちの考えや意見とその理由を述べることを伝えます。
ペアは同性で組んだほうが,意見が出しやすいようです。グループは,なるべく男子ペア2組,女子ペア2組で編成するように配慮します。
自分の意見と異なるroleのくじを引く場合がありますが,視点を変えて物事を見つめたり考えたりすることが自分の視野を広げることにつながることを伝え,思考させます。 |
A スクリプトの作成
ア mappingによって各roleとしての考えの整
理と検討を行い,バルーンを英訳する
【ペアによるmapping記入例】
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JTEとALTは,controller, observer,resourceという役割を担っています。生徒のそれぞれの活動が滑らかにつながっているか十分に観察し,それぞれの活動に対して助言します。
生徒はこの時点で,すでに個人の意見やトピック特有の専門用語に関する知識をもっています。充実したmapping用紙の作成や,効率のよいバルーンの英訳のためにペアのパートナーと「表現の共有」を図るよう助言します。
生徒たちはペアで,考えや気持ちをmappingによってブレーンストーミングし,用紙中央の「Having a Cell Phone」という命題から放射状にツリーを派生させ,思いついた言葉等を次々とつないで記入します。JTEとALTは,ツリーの内容を下の4つの点から助言します。ペアによっては,これまで考えたことの無い視点に立って,mappingをする場合があります。なかなかmappingが進まない場合は,その立場に立ったらどのように考え,なせ,そのように考えるのかヒントを出しましょう。
ツリーの中のバルーンは,スクリプトに考えや意見を論述する際のキーワードになります。それぞれのバルーンのつながりをよく観察し,つながりが良くなければ,バルーンを書き足すよう促します。
- 何についてのツリーか(grouping及びlabeling)
- どのツリーについて述べていくか(取捨選択)
- スクリプトに起こす際にどの順番で述べるか(numbering)
- ツリーの中のそれぞれのバルーンのつながりが良いか
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【生徒の活動の様子】
スクリプト作成からバルーンの英訳
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イ バルーンの英訳を「Draft(下書き)用紙」
に文章化する
ウ ALTにnative checkしてもらう
【ペアによるDraft用紙記入例】

エ スクリプトを清書する
【ペアによるFair Copy用紙記入例】
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文章化の際は,2−アで述べた留意点(取捨選択,numberingなど)を考慮し,分かりやすくつながりのよい文章構成になるよう,助言します。ここで使用する「Draft用紙」は,考えや気持ちを順序良く述べるための定型表現を盛り込んだ穴埋め式のワークシートです。mappingで明らかになった論旨を記入するだけで,効率よくスクリプトを完成することができます。
「Draft用紙」が完成したら,ALTがnative checkを入れます。また,日本語的な言い回しや,読み手が意味を汲み取らないと理解できないような表現である場合は,JTEが生徒に文意を確かめた上で,誰が読んでも分かる表現へとALTとJTEで加除修正します。
※ 日本語的な言い回しを英語に直すときには
言いたいことを日本語で噛み砕く
↓
噛み砕いた文章を「主語+動詞」を
意識した語順に直す
↓
英訳する
というステップをふみましょう。最初は,JTEの助言が必要です。生徒がこつをつかむまで何度も繰返します。
ALTの修正が,生徒の言いたいことを十分に汲み取っている表現かどうか,JTEが最終確認をしたうえで,生徒に返却し,Fair Copy用紙に清書をさせます。
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