年度当初に考えておくことは(その1)

年度当初に考えておくことは(その2)

生徒のスキル差をどうする(その1)

生徒のスキル差をどうする(その2)

作業が遅い子をどうする?

実習中,コンピュータがうまく作動しない?

評価の悩み

成績はどうする?



年度当初に考えておくことは(その1)

梅 教科のオリエンテーションの際のアンケート結果が出ました。自分で映像を編集したり,ホームページを運用したりした子もいれば,コンピュータを中学の授業で使った程度で文字を打つのがやっとの生徒がいます。実習はどうしましょうか。

和 うちの学校は,普通高校だから興味がある子は進学し,より高い専門教育を受けるでしょう。けれど,そうでない子は,現在の情報社会で困らないように,ワープロソフトで文書を作成でき,表計算で合計や平均,並べ替えができればいいし,情報機器で何ができるのかを経験させればいいのではないかしら。




年度当初に考えておくことは(その2)

梅 具体的にどういう実習をしましょうか。

和 デジカメ,インターネット,プレゼンテーション。詳しい仕組みは一応講義で扱うにしても経験的に「こんなことができるんだ」ということがわかるようにすればいいのでは。

梅 授業では完全にマスターさせなくてもいいですか。

和 完全にマスターできるかどうかは分からないけれど,経験として知っておくと社会に出て必要なときがきて「こんなことはコンピュータを使えばできるのでは」と生徒たちが思ってくれたら授業は成功と思っていいのかも。

梅 学習指導要領に掲げられている目標が達成できれば良いわけですね。






生徒のスキル差をどうする(その1) 

梅 最初は,文書作成,表計算を教えていく予定だけれど,生徒のスキルの差がバラバラで困っています。たとえば,タイピングテストの結果,速い子は1分間で150字を超えています。遅い子は30字を割っています。

和 私の持っているクラスもそう。1つは課題を実態に応じて2種類以上用意する必要があるね。文書作成の実習だったら速い子はもう一つ本格的な文書を打たせるなどすればいいんじゃないかな。

  ワープロ検定の上級編を用意すれば簡単にいきそう。





生徒のスキル差をどうする(その2)

梅 文書作成以外の実習や評価はどうしましょうか。

和 評価は最低限の目標を定めておいて,スキルの高い子はプラスアルファしてやればいいんじゃない。

梅 そうすれば,スキルの高い子がいつも高得点じゃないですか。スキルのない子でも熱心に取り組んでいる子もいれば高い子でぼんやりしている子もいます。

和 スキルの高い子が高得点をとるのはあたりまえよね。態度などについては別に評価すべきよね。

梅 毎回,2種類以上作るのは大変ですよ。

和 スキルの高い子がいれば何かと便利よ。速く終わったら遅い子にアドバイスにいくように指導するの。

梅 いわゆるスモールティーチャーっていうことですね。

和 そのとおり!実習の際は何かと指導者が少ないと大変よね。その解消にもなるから一石二鳥ってことかな。

作業が遅い子をどうする?

梅 やたら作業が遅い子をどうしています。

和 作業のステップを多くしていないので,授業の流れをストップさせるような子はいないですよ。

梅 それでも遅い子はどうします。

和 隣の席にはやい子がくるようにしています。

 

実習中,コンピュータがうまく作動しない? 

梅 授業中に生徒のコンピュータがうまく動かないときどうしています。

和 たいてい生徒が知らず知らずのうちに何かの操作をしているみたいね。

梅 先生みたいに詳しい人はいいですが,この前はあせってしまいました。

和 先生のクラスにコンピュータに詳しい子は何人いますか。

梅 4〜5人はいますが

和 必ずクラスにいますね。そうしたら,一旦,全員に作業を止めさせ,トラブルを皆に紹介し,その解決法を生徒に求めたらどうでしょうか。うまくいけば文字通り,問題解決の学習になるのでは

梅 生徒も分からなかったら

和 その時はそのとき,解決できないときは故障かもしれないし,例えそうでなくても後で詳しい先生にみてもらえばいいじゃない。

梅 その生徒は

和 教師用でも 空いているコンピュータを使わせれば

評価の悩み

梅:成績を出さなきゃ行けないね。評価はどうしますか?

和:ペーパーテストは過半数の生徒がいい点を取るし,実習もよほどの事がない限り課題内容をこなしていくしね。授業態度もそんなに差はないね。

梅:成績に差がつかないってことね。

和:そう。実際,うちのクラスは半分くらいの生徒が80点以上だったよ。このまま,成績として出していいものかどうか迷っているよ。

梅:じゃあ,今度からペーパーテストを難しくすれば?

和:でも,ペーパーテストが実習内容とかけ離れすぎてはダメだし,それに,情報の授業は実習がほとんどだからペーパーテストに大きく比重も置けないよね。

梅:そうか・・・。じゃあ,実習課題を難しくすればいいじゃない。

和:課題が難しくなると,できない生徒も増えるよね・・・

梅:まあ,そうなるでしょうね。

和:そうなると,実習がイヤになる生徒が増えて,情報の本来の目的の『情報嫌いをつくらない』に反する気がするのだけど・・・

梅:そうだねぇ。なかなか難しいねぇ。

和:年度当初に,生徒にアンケートをしたりコンピュータの操作をさせて生徒のスキルを把握しておき,授業を通してどの程度レベルアップしたかで成績を出す方法もあるね。しかし,絶対的なレベルとレベルアップの度合をどのように成績に反映させるのかは難しいね。

成績はどうする?

梅:どうやって成績を出しているの?

和:ペーパーテストの成績を5割,実習評価を4割。授業態度(出席状況・ノートを含む)1割。実習はほとんどの生徒ができてしまうから,結局はペーパーテストで差が出るって感じだよ。

梅:実習評価は確立した規準なんかあるの?

和:あればいいんだけど・・・。実際は「できたら○,まあまあは△,できていないは×」という具合。だからこそ生徒の姿がとらえられるような具体的な評価規準が必要なんだね。

梅:その評価を後で点数化するわけね。

和:そう。曖昧な部分があるのも否めない事実・・・。なんかいい方法がないかと,時々インターネットで検索したりしているけどね。情報公開の流れもあって,評価についても説明責任が求められる時代になりつつあるし…

梅:ヒントになるようなもの,見つかった?

和:学校の実情(使用教科書や進度)も考慮しなければならないからすぐにパッとは使えないけど,こういったページこういったページを参考にして,ペーパーテスト・実習・授業態度の評価割合と規準を,事前に明確に示しておく必要があるね。