平成23年度佐賀県小・中学校学習状況調査Web報告書

Web報告書もくじⅣ  児童生徒意識調査の結果の分析


児童生徒意識調査の結果の分析
                                                          児童生徒意識調査の全てのグラフ

1 学校生活

 

「学校での生活は楽しい」及び「学校で落ち着いて勉強することができている」と感じている児童生徒の割合は、小学校、中学校ともに全体の約9割である。[図1]
全ての学年において、「学校は楽しい」、「落ち着いて勉強することができている」、「好きな授業がある」と回答している児童生徒ほど、平均正答率が高くなっている。[図2][図4][図6]
学年が上がるごとに、「好きな授業がある」と回答した児童生徒の割合が低くなることについては、その要因を探り、改善を図っていくことが大切である。[図5]

 

ここでは、児童生徒の学校生活についての調査結果を述べる。具体的には、学校生活の楽しさや学習状況の設問について分析した。

   
「学校での生活は楽しい」について
 

「そう思う」と回答した児童生徒の割合は、小学5年55.2%、小学6年56.6%、中学1年65.6%、中学2年57.6%、中学3年54.8%となっている。「どちらかといえばそう思う」と回答した児童生徒の割合を合わせると、小学生、中学生ともに、どの学年も約9割となっている。特に、中学1年では94.9%と最も高い割合である。[図1]

回答状況と全教科平均正答率との関連を見ると、全ての学年において、「そう思う」と回答した児童生徒の平均正答率が最も高くなっている。学校生活に対して楽しさを感じている児童生徒ほど、平均正答率が高くなっている。[図2]

   
「学校では落ち着いて勉強することができている」について
 

「そう思う」と回答した児童生徒の割合は、小学5年40.0%、小学6年41.7%、中学1年49.4%、中学2年35.7%、中学3年40.2%となっている。「どちらかといえばそう思う」と回答した児童生徒の割合を合わせると、小学生、中学生ともにどの学年も、約9割となっている。特に、中学1年では93.2%と最も高い割合である。[図3]

 

回答状況と全教科平均正答率との関連を見ると、全ての学年において「そう思う」と回答した児童生徒の平均正答率が最も高くなっている。落ち着いて勉強することができていると感じている児童生徒ほど、平均正答率が高くなっている。[図4]

   
「好きな授業がある」について
 

「そう思う」と回答した児童生徒の割合は、小学5年83.5%、小学6年81.8%、中学1年70.9%、中学2年65.0%、中学3年58.4%となっている。「どちらかといえばそう思う」と回答した児童生徒の割合を合わせると、小学校では9割、中学校では8割を上回っているが、学年が上がるにしたがって、その割合が低くなっている。[図5]

 

回答状況と全教科平均正答率との関連を見ると、全ての学年において「そう思う」と回答した児童生徒の平均正答率が最も高くなっている。好きな授業があると感じている児童生徒ほど、平均正答率が高くなる傾向が見られる。[図6]

   
これからの指導に向けて
 

この3つの調査から、「学校生活の楽しさ」や「落ち着いた学習への取り組み」、「好きな授業があること」と、学力の定着については関係があると考えることができる。「学校生活の楽しさ」や「落ち着いた学習への取り組み」において、中学1年で「そう思う」の割合が最も高い数値を示していることについては、入学して間もない生徒の中学校生活への期待感の表れではないかと考えることができる。また、学年が上がるにしたがい、「好きな授業がある」と回答した児童生徒の割合が低くなっていることについては、児童生徒の発達段階や学習内容の違いなど様々な要因が考えられる。しかし、各学年や各教科ごとに課題として受け止め、その要因を探りながら、改善を図っていくことが大切である。小学校と中学校の接続についても、学校区単位での児童生徒に関わる情報交換や授業交流などの小中連携の取り組みを、なお一層進めていくことが重要である。また、落ち着いて学習に取り組むことができる環境を整えることや、そのための指導体制づくりに学校全体で取り組むことが、学力向上に向けての足掛かりとなると考える。


最終更新日:  2011-10-07