PDCAサイクルを踏まえた指導と評価の一体化
今回の調査結果から、各教科の指導に当たって、PDCAサイクルを踏まえた指導と評価の一体化が、学力の定着と向上に効果的であることがうかがえた。指導と評価の一体化によって、学習指導のねらいを明確にし、授業実践、学習評価をすることで、児童生徒一人一人の学習状況を把握でき、その後の指導の工夫、改善や個に応じた指導の充実が図られたからだと考える。
まず、指導計画の作成においては、生徒に身に付けさせたい学習内容から学習目標を設定することが重要である。また、学習目標の設定とともに、学習目標の到達度を評価するための評価規準の設定や評価規準に対応した評価方法・評価基準を準備しておくことで、評価方法の妥当性、信頼性が高まり、授業実践においても指導と評価を着実に実施することができるものと考えられる。
次に、作成した指導計画に基づく授業実践においては、学習目標を達成するために必要な教材を選択したり、学習活動を取り入れたりして授業を展開することが重要である。学習活動については、今回の調査結果から、レポートや作文、発表、話し合いなどの言語活動を充実させることが、効果的であることが読み取れた。言語活動を充実させることで、基礎的・基本的な知識及び技能の定着や思考力・判断力・表現力の育成が図られるからだと考えられる。
そして、学習評価については、児童生徒の学習意欲を喚起する視点から、学習の成果だけでなく学習の過程を一層重視していくことが大切である。児童生徒のよさや進歩の状況などを積極的に評価し、児童生徒がどれだけ成長したかを評価していくことが大切である。また、評価方法については、観察、ノート、ワークシート、作品、ペーパーテストなど様々な方法が考えられるが、評価の観点や評価の場面などにおいて児童生徒の学習状況を的確に評価できる方法を選択していくことが重要である。
最後に、児童生徒の学習評価の結果は、一人一人の学習状況を把握するだけではなく、児童生徒の形成的な評価として、評価後の指導に役立てることが、児童生徒の更なる学力の定着と向上につなげることが重要である。また、指導の改善や工夫に生かし、教師が指導の過程や評価方法を見直すことにより、更に効果的な指導が行えるように、工夫や改善を図らなければならない。
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