家庭との連携を図り、家庭学習の定着を
普段、学校の授業以外に学習している時間について、平成23年度からの経年で比較すると、小学校では、1時間以上勉強している児童の割合は年々高くなっていた。中学校において2時間以上勉強している生徒の割合は、どの学年も平成23年度と比較して高い割合であった。一方、学習時間と全教科平均正答率との関連を見ると、長い時間勉強している児童生徒が必ずしも平均正答率が高いとは限らない結果となった。学校によっては、年度当初に家庭学習について記した手引きを配付し、学習の時間や学習への取り組み方、学習の内容等を示しながら家庭学習の定着に取り組んでいる。その際、学習への取り組み方について「テレビを消して」や「机の回りを整理して」など学習に集中できる環境作りを示している学校もある。このような取組は、児童生徒が集中して学習に取り組む上で大切なことと考える。今後も、家庭での学習環境にも目を向け、家庭と連携を図りながら指導していくことが大切である。
家庭学習への意識を定着させるためには、年度当初に示すだけでなく、定期的に意識付けを図る必要がある。意識付けを図る方法の1つとして、児童生徒やその保護者を対象とした意識調査を行うことが考えられる。意識調査を定期的に行っていくことで、児童生徒に家庭学習の状況を振り返らせながら意識の定着を図るだけでなく、その保護者に対しても家庭での児童生徒の学習状況について考えてもらう機会としたい。
家庭での過ごし方に計画性を
計画的に勉強を進めている児童生徒の割合を平成23年度からの経年で比較すると、はっきりとした傾向は見られなかったものの、全教科平均正答率を見ると、計画的に勉強を進めている児童生徒ほど平均正答率が高くなっていた。このことから、学習時間を延ばすことも大切であるが、限られた時間をどのように活用していくかについて児童生徒に考えさせることも大切であると考える。1日の過ごし方や1週間の過ごし方について考えさせる時間を学校または家庭で確保し、計画的な過ごし方を意識させ、効率のよい学習習慣を身に付けさせることが大切である。 |