研究の成果と課題が日々の実践につながる校内研究の進め方を提案します!
 2 研究の実際
 (3) 校内研究の推進・充実のための方策
 
  C 校内研究の進め方・生かし方
    ア PDCAサイクルの各段階における手立ての工夫
 PDCAサイクルの各段階における校内研究の推進・充実のための方策や手立ての工夫、さらに、充実した研究会の進め方や生かし方を提案します。(青字をクリックすると、それぞれの詳細を見ることができます。


 前年度末に全員で確認した成果や課題を生かしながら設定した研究主題を基に、今年度の校内研究をスタ-トさせます。

             研究主題を常に意識しましょう!
 

 研究を始めるに当たっては、下の図のように、1年間を見通して計画を立てることが大切です。

 
  この@からBの流れに沿って、具体的な取組を以下に示します。

@
研究主題と実践方法について共通理解しましょう。 
 先生方が同じ方向を向いて研究を進めることは、とても大切なことです。まずは、次の5点を確認しましょう。
  ・ 研究主題は、年度当初の会議の中で共通理解する。

  ・ 研究主題に照らし合わせながら、目指す児童生徒の姿を具体化し、共有する。

  ・ 指導案や資料を活用するなど研究成果を日々の教育実践に生かすために、使った資料はその都度デジタル
    データに保存したり、ファイル等に綴じ込んだりして保管していくことを確認する。

  ・ 研究を進めるに当たり、共通して実践することや授業の視点など、研究の視点について話し合い、確認する。
      【授業の視点例1】1時間の授業の中に学習の目標提示の場と振り返り活動の場を設定する。
      【授業の視点例2】1時間の授業の中に話合い活動を取り入れる。

  ・ 新しく赴任した先生は、引き継ぎ資料に目を通し、それまでの研究の流れを把握する。

 ■ 研究主任

     下記を参考にしながら、校内研究推進のための準備に取り組みましょう。
          ・研究主題を職員室等、先生方が常に意識できるところに掲示する。
           ・全校共通に取り組むことを明らかにし、各教室や特別教室に掲示する。
           ・前年度末に立てた校内研究推進計画に基づいて、年度末にはどういう形にまとめるか、ということまで
          見据えた学校全体の年間計画を立てる。

           ・資料の保管の仕方について提案し、共通理解を図る。
           ・最初の研究会の中に、前年度までの研究に目を通す時間を保障する。
           ・視点の明確化を図るために、実践方法を示した提案授業などを実施する。
   
A
部会(学年・教科等)の年間計画を作成しましょう。

学校全体の年間計画を確認した上で、グループの年間計画を作成します。
  校内研究での実践を日々の教育実践に生かしていくためにも、次年度以降の教育実践につなげるためにも、「年度末にはどういう形にまとめていくか」ということまで見据えて年間計画を立てると、研究授業や事例研究前の取組や授業後、研究会後の取組など、1年間の具体的な取組が明らかになります。
 今年度の実践が、日々の教育実践に、また、来年度以降の実践に生かせることを意識して、1年間を見通した無理のない年間計画を立てましょう。

  
                  【年間計画例】                           
内                     容 
PDCAの段階
部会で取り組むこと


年間計画の作成
個人の役割分担
教材・題材等の選定








11
pdcaサイクル
研究授業における取組についての成果と課題、改善策を共有し、日々の教育実践に生かすというpdcaサイクルを繰り返す。
12
研究のまとめ
ワークショップ型を用いた協議の場で確認する。
授業をし合って確認する。
資料の整理
まとめの作成
次年度に向けた校内研究推進計画の作成
申し送り事項等の確認
青字をクリックすると、それぞれの詳細を見ることができます。
B
研究成果のまとめ方を確認をしましょう。
  研究成果を、日々の教育実践に生かすようなまとめ方には、以下のような方法もあります。
【研究成果のまとめ方の工夫例】
 それぞれの先生が、研究関係の文書(指導案、写真、記録、ワークシート、実践シート、資料等)を綴じる「研究ファイル」を準備し、表紙に研究主題を記入する。
        * 日々の教育実践に生かす資料→「研究ファイル」についてはこちら


Planで立てた計画を基に全員で実践する場です。


         授業の視点や自分の役割を確認しましょう!


 どのような立場で研究に臨むかにより、役割が違います。下の図のように、研究授業では授業者・参観者、また、事例研究では提供者、参加者(フロア)等、それぞれの立場に応じた役割があります。

↑画像上をクリックすると、それぞれでの役割について見ることができます。
 

以下、それぞれの役割の詳細について示します。  →研究授業までの事前の取組の過程(例)についてはこちら
 

研究授業での役割
 《授業前》 
○授業者
  
授業の視点に対する具体的手立てを明確にすることが大切です。( @→Dの順に進めます。)
  @指導案作成
   本時の展開案を中心に作成する。
 
 A授業の視点の具現化        
   【例1】授業の冒頭で学習の目標を示し板書するとともに、ノートに書かせる。
   【例2】授業の最後5分間は、振り返りの時間とし、学習の目標に対する振り返りをノートに書かせる。
   【例3】話合い活動を取り入れた授業を組み立てる。
 
  B授業の視点の共有化                   
   【例1】紙面に起こして事前に配布する。
   【例2】指導案事前検討会を開催する。
 
  C指導案事前検討会
   学年や教科等、様々な立場の先生の参加の下、指導案の検討などを行う。
 
 D授業の準備
   指導案事前検討会で出た意見を基に指導案を検討し、授業に備える。

○参観者
  授業の視点に対する具体的手立てについて理解し、研究授業に主体的に参加できるように関わることが大切です。
  (@→Bの順に進めます。)
 @授業者が設定した授業の視点に対する手立ての確認
   指導案の中で、授業の視点を具現化させた手立てがどのように設定され、研究授業が行われるのか確認する。
 
 A事前説明会への参加
   事前説明会では、授業の視点に対する手立てについて自分の立場から気付いたことを伝える。
 
 B授業研究会につなげるための準備
   係を決め、責任もって準備する。
   ・拡大指導案
   ・付箋(2〜3色)
   ・授業チェックシート
   ・ビデオ、カメラなどの視聴覚機器 等
 

 


  《授業当日》

   日々の実践につなげるために、明確な目的をもって参加します。

○授業者   「完璧な授業」ではなく「提案授業」を行い、授業改善を目指す。
○参観者
目的をもって参観するために、指導案は事前に目を通しておく。
 
授業の視点に沿って参観する。 
 
児童生徒の表情も観察できるような場所から参観する。
 
手立ての有効性を正確に検証するために、「参観者は児童生徒に対して、授業中の指導をしない」を徹底する。


【主体的な参観の手立ての例】

手立て
取  組  例
付箋を使って ピンク:効果的指導   ブルー:課題   黄:疑問点   
*全て授業の視点に沿った意見を書く。
拡大指導案を使って ・指導案を拡大したものを教室横の廊下に掲示しておく。
・気付きを書いた付箋を貼っていく。
グループ観察 誰がどのグループを観察するのか決めておき、児童生徒の様子を観察する。
役割分担・心掛け
ビデオ撮影、写真撮影、板書記録、授業者の言葉記録、児童生徒の発言・つぶやき記録、計時
*同学年グループで分担する。  


                                               チェックリストに戻る

事例研究(ケーススタディ)での役割

実際にあった事例による研究:問題発生の背景や原因を直接究明する方法。当事者意識が高まり、実質的な研修
                       ができます。

【進め方例】 @→Gの順に進めます。
番号
進  め  方  例
役  割
提供者
研究主任
参加者
@ 事例提示のための資料を準備する。
 
 
A 事例提示をする。





 
B 質疑応答をする。
C 個人で考える。
 
D 4〜6人でグループ討議する。
E グループごとに、話し合った内容について簡潔に発表し、質疑応答をする。
 
F 実際の対応について説明する。
 
G 講師がいる場合は、指導・助言及びまとめの講義をしてもらう。
 
 
  
創作事例による研究:研究内容に適した事例を作成し、協議を行う方法。意図的に問題場面を設定することで、様々な
                テーマに対応することができ、問題解決能力を養うことができます。

【進め方例】 @→Hの順に進めます。
番号
進  め  方  例
役  割
提供者
研究主任
参加者
@
事例提示のための資料を準備する。
 
 
A
ワークシートを準備する。
 
 
B
事例提示をする。




 
C
質疑応答をする。
D
個人で考える。
 
E
4〜6人でグループ討議する。
F
グループごとに、話し合った内容について簡潔に発表し、質疑応答をする。
 
G
全体討議を行う。
H 講師がいる場合は、指導・助言及びまとめの講義をしてもらう。
 
 

   


@


  全員が主体的に参加する研究会を行うためには、ワークショップ型で進めることが有効です。研究会の目的に応じた手法を選択します。

主体的に参加しましょう!

ここで紹介するワークショップ型は、以下の3つの例です。また、互いが活発に意見を述べ合うためには、「環境づくりのポイント」に挙げているような雰囲気づくりも大切です。

                    ↑画像上をクリックすると、それぞれの詳細を見ることができます。


 以下、ワークショップ型研究会の進め方の例を示します。

【研究会の進め方の例1】                                                          

プレゼンテーションソフトによる研究会の進行の視覚化
○ 活用目的: 研究会の焦点化を図る。
○ 進め方: プレゼンテーションソフトによる説明資料に準じて行う。
○ 準備: 付箋、ワークシート、プレゼンテーションソフトによる説明資料
                      ア 情報の共有化を図る研究会
                      イ たくさんのアイデアが得られる研究会
                        ア、イをクリックすると、それぞれの説明資料の例にリンクしています。
【イによる進め方の例】
                      
時間
内  容
ポ  イ  ン  ト
  @はじめのことば
 
○和やかな雰囲気にすることで、次の活動に入りやすくします。
○研究主任は、この後もプレゼンテーションソフトによる説明資料で、その都度、活動を示しながら研究会を進めていくようにします。
 
 
○作成したマニュアルを印刷して配布すると、日々の実践につながります。
 
 
5分
Aアイスブレイクをする。
 (例) さいころトーキング
5分
B研究主任がプレゼンテーションソフトによる説明資料で研究会の流れを説明する。
10分
C付箋に記入する。 (個人で)
30分
D記入した付箋を使いながら、グループで協議する。
30分
E協議したことを基に、指導に関するマニュアルを作成する。 (グループで)
10分
Fグループで解決できなかったことを全体に報告し、それを受けてよい方法を出し合う。
10分
G指導助言をしてもらう。 (講師を招聘した場合)
  Hおわりのことば

【研究会の進め方の例2】                                                          
拡大指導案の活用
○ 活用目的: 多くのアイデアを出し合うことで様々な解決方法を見付け、日々の教育実践につなげていく。
○ 使うワークショップ型:
     ブレインライティング、 マトリックス図 「フレーム例1」5W1Hクリックすると、それぞれの詳細を見ることができます。
○ 準備: ・推進委員会等でグループ編成は済ませておく。
        ・ 授業中に活用された拡大指導案を研究会場に移動させて(掲示して)おく。  
                
時間
内  容
ポ  イ  ン  ト
  @はじめのことば
 
○和やかな雰囲気にすることで、次の活動に入りやすくします。
 
○課題が多い場合は、それぞれのグループに振り分けて改善策を考えるというやり方もあります。
 
 
○日々実践できる、無理のない計画を立てます。

○(誰が)どの課題に取り組むか確認して終わると、すぐに実践することができます。
○拡大指導案は、研究会終了後、先生方全員が見ることのできる場所に掲示すると、成果や課題、改善案を共有できます。
5分
Aアイスブレイクをする。
  (例) さいころトーキング
3分
B授業者は、参加者に授業を振り返っての話をする。
5分
C拡大指導案上に貼られた課題をピックアップする。
5分×人数
D「ブレインライティング」で改善案を出し合う。
20分
E「フレーム例1」を使って、 改善案をマトリックスの中に分類していく。
15分
F「5W1H」法で、縦軸、横軸の高いフレーム内にある改善案を日々の教育実践につなげていくようなモデルプランを立てる。
10分
Gグループごとにモデルプランを発表し合い、共通理解を図る。
  Hおわりのことば


【研究会の進め方の例3】                                                
映像の活用
○ 活用目的: アイデアを出し合い、カテゴリー別に分類することによって日々の教育実践につなげていく。
○ 使うワークショップ型: KJ法5W1Hクリックすると、それぞれの詳細を見ることができます。
○ 準 備: ・推進委員会等でグループ編成は済ませておき、研究会会場入り口に掲示しておく。
         ・ビデオの視聴のセッティング

時間
内  容
ポ  イ  ン  ト
  @はじめのことば
 
○和やかな雰囲気にすることで、次の活動に入りやすくします。
○必要に応じて、確認したい部分に映像を合わせ、再生することも可能です。
 
 
 
○日々実践できる、無理のない計画を立てます。
○(誰が)どの課題に取り組むか確認して終わると、すぐに実践することができます。
◯モデルプランは写真に撮り、職員室に貼ったり共有ファイルに入れたりして、いつでも振り返られるようにします。
5分
Aアイスブレイクをする。
  (例) さいころトーキング
15分
B導入の5分間を見る。参加者は、気になるところがあればその都度合図をして、映像を止め、授業者と質疑応答をする。
10分
C導入の5分間を見終わった後で、授業者以外の先生方が画用紙の短冊に、よいと思った授業行為に絞って書く。
5分
D書き終わった短冊を黒板に貼る。
25分
E「KJ法」で、Bの気になるところで出した課題に対する改善案を出し合い、分類していく。
15分
F「5W1H」法で、縦軸、横軸の高いフレーム内にある改善案を日々の教育実践につなげて
いくようなモデルプランを立てる。
10分
Gグループごとにモデルプランを発表し合い、共通理解を図る。
  Hおわりのことば


【ワークショップ型の運営のための工夫】クリックすると、それぞれの詳細を見ることができます。)         
   ・運営上のポイント   ・小集団での協議   ・ファシリテーション   ・映像の活用

【研究の目的に応じたワークショップ型の手法】
クリックすると、それぞれの詳細を見ることができます。)  
○ たくさんのアイデアを出し合う方法
   ・ブレインストーミング
   ・ブレインライティング
   ・マトリックス法
・・・ 全員が同じ立場で、もっている知識やそれまでの経験に基づいてアイデアを出し合う方法です。
○ 思考を整理し、まとめるための方法
   ・ワールドカフェ
・・・ 小グループでワークショップ型の話合いを進める中で、各グループで出された意見の共有をグループをつくったまま全体に広げていく方法です。
○ 課題の分類や分析を行う方法
   ・ウェビング
   ・KJ法
   ・マトリックス図
・・・ 様々なアイデアを出し合い、それを整理し、相互に関連付けていくことにより、それまで思い付かなかったような新たな発見を引き出そうとする方法です。
○ 実践に結び付けるための方法
   ・5W1H
・・・ 研究会で明確にし把握した成果や課題を、話合いで終わらせず、日々の教育実践へと確実につなげていくための方法です。
○ 学習過程の相互関係を明確にする方法
    ・指導案拡大法
・・・ その場で互いの意見を把握することができ、研究授業を参観しながら、授業展開に従って、教師や児童生徒の活動に応じた細やかな分析をすることができる方法です。
   

【ワークショップ型研究会を効果的に進めるための環境づくりのポイント】                       
○ 用意するもの
  ・ 付箋(ピンク、ブルー、黄等)、マジックペン(赤、青、黒)、模造紙
○ 和やかな雰囲気づくりのために
  ・ 花を飾る。
   ・ お茶等を用意する。
   ・ 研究会を始める前には、アイスブレイク等のエクササイズで和やかなムードをつくる。 (さいころトーキング  等)

                                                    チェックリストに戻る


A


 共通理解を図りながら研究を進めていくには、情報を共有することが必要です。


成果や課題を明確にしましょう!


 授業者、参観者、研究主任それぞれの立場で取組を工夫することで、成果や課題に対する共通理解を図ることができます。                                                                                                                                                                   

以下、それぞれの立場で取り組むことを示します。                                                                             

○授業者
     指導案の修正版を作成して、保管する。
   *研究会で出された意見を反映させ、修正した指導案も一緒に保管しておくと、成果や課題が明確になり、次
    につながります。

○参観者
     研究会で得たことをまとめて、保管する。
■ 研究主任
   研究会で出た成果や課題、改善案を可視化する。
    【例1】研究便りを発行する。
    【例2】校内研究掲示板に掲示する。
   *発行した便りや掲示物は、先生方全員が確実に目を通し、理解できるようにすることが大切です。

                                                                                          チェックリストに戻る
  

@


                                                  

 研究授業や授業研究会の成果や課題を、日々の教育実践に生かし、指導法改善につなげます。


         どのように生かしていくかを明確にしましょう!

 研究会で確認し合った成果や課題を日々の教育実践につなげる実践計画の立て方を示します。


 研究会で明らかになった成果や課題が、以下の場合の実践計画例を示します。 

   【例】      
               

○ 成果
  ・ 終末の振り返り活動が今後の学習意欲につながった。
○ 課題
  ・ 学習意欲が高まるような学習の目標提示の仕方を工夫する必要がある。
  ・ 話合いが活性化するような工夫が必要である。


これらの課題に対して、日々の教育実践ができるように、5W1H法で話し合う例が以下の表で
す。

 5W1H法での実践計画の記入例】                      

いつ
誰が
何を
どこで
なぜ
どうする
9月第2週の
算数の時間
3−1 担当教諭
提示する
学習の目標
導入
学習意欲の高揚が見られないから。 具体物を用意する。
2−2 担当教諭
話合いの工夫
展開
集中力が持続しないから。 型をつくる。
5−1 担当教諭
振り返りシート
終末
次時の学習につなげられるから。 振り返り活動用のワークシートを作る。

 このように、役割分担をして、研究会を生かした実践につなげることができます

                                                  チェックリストに戻る



A
                 

               生かすための工夫をしましょう!                             

 研究会で確認し合った成果や課題を日々の教育実践に生かすための工夫を示します。                      



 実践計画を立てただけでは、その実践を継続させることは難しいと考えます。そこで、以下のような実践シートを用意し、
授業後全員が記録できるシートを活用します。                      
 


   【実践シートの活用例】                                  
   ◎手応えを感じた取組  △実践はしたものの、課題が残った
実践項目(例)                   期日
/
/
/
/
/
/
/
/
成果
終末の振り返り活動が今後の学習意欲につながった。
      *次回の校内研究の時間ま
で実践を続ける。
 
 

学習意欲が高まるような学習の目標提示の仕方        
話合いが活性化するような工夫
       



B


             実践を継続しましょう!研究を深めましょう!  

 研究会で確認し合った成果や課題を生かした日々の教育実践を継続させ、研究を深めるための工夫を示します。            


 実践シートの記録を話題にした会話を日常的に行うなど、互いの教育実践を把握することで、研究会の協議内容を更に深めることができます。また、実践シートには、課題として残った内容について具体的に記録しておき、次の研究会で話題にできるようにすると、課題解決につながります。さらに、記録した付箋を互いに共有できる校内研究掲示板等のスペースを作り、先生方それぞれがそこに付箋を貼っていくと、視覚的にも互いの教育実践を把握でき、日常的に研究を意識した実践に取り組むことができます。


                                                 チェックリストに戻る




 1年間の取組自体を振り返り、協働で実践したからこそ得られた成果や、今後の課題を把握・確認し
合うことが次年度の研究につなげるために大切なことです。


          次年度に生かせるような1年間の振り返りをしましょう!

 
以下のような振り返りの取組を通して、1年間の総括を行います。

     
ワークショップ型を活用した研究成果の確認例           
 
研究会同様、目的に応じてワークショップ型を活用して、研究成果を確認します。
                    
(それぞれの内容については名前をクリック) 

課題の分類や分析を行うのに有効な手法で確認する。
     ・ウェビング
     ・KJ法
    ・マトリックス図
思考を整理し、まとめるために有効な手法で確認する。
   ・ワールドカフェ
  
協働で実践することの楽しさを再確認するには、次のような方法もあります。
 
模擬授業で行う研究成果の確認例  
(「授業バトル」1)という手法で)
   2つのチームに分かれて、同じ教材で授業づくりをし、 互いに授業を見合った上で研究会を行うことで、研究成果を確認します。                                                                      
  詳しくは、以下のとおりです。

                          
○ ねらい
【展開例】 @→Dの順に進めます。
@ 2つのチームに分かれ、それぞれのチームで授業者(異学年担当者)を決める。

A 2つのチーム共通の教材を決め、推進委員会から冬休み前までに、教材を配布する。
* 1時間扱いでできる国語の詩教材(教科書にないもの)

B 授業づくり
* 2つのチームが別の場所で授業づくりをし、話合いの内容は、授業公開まで秘密にする。
* 授業づくりの開始、終了時間は揃える。


C 授業公開
・ 相手チームの授業内容をここで初めて知る。
・ 同じ教材を違う学年で取り組むことから、異学年の発達の違いも見えてくる。
・ 同日に2つの授業を公開し、比較しやすいようにする。

D 授業研究会
* 授業の視点は1つに絞る。・・・授業内容の類似点が多いほど、類似点がテーマに近いほど、
   「成果の共有化がなされていた!」 ということになります。


                                                                    【参考:1)石川晋・大野睦仁 著 『笑顔と対話があふれる校内研修』pp. 78-79 】

                                                       チェックリストに戻る



                  実践の過程が見えるまとめをしましょう!

 研究の成果を全員で確認した上で、1年間の実践を研究記録としてまとめます。


 以下、まとめ方の例を提案します。

○ ねらい

 ・ 1年間の研究の軌跡をいつでも手に取って見ることができる冊子等、形あるものにする。

 ・ 学校全体のものであるので、互いに共有できるものにする。

 ・ 日常の教育実践で誰もが活用できるものにする。

【年度初め】
 研究関係の文書(指導案、写真、記録、ワークシート、実践シート、資料等)を、綴じておくための「研究ファイル」を用意する。

【年度末】

   右図のように背表紙を付けたファイルを学年に1冊ずつ配布し、1年間ファイリングしておいたものを学年ごとにインデックスを付けながら、綴じ直す。管理職に巻頭言を書いてもらい、一緒に挟み込む。
    * いろいろ書き込んだものをそのまま残しておく。
    * 個人で保管しておきたいものについては、
    コピー等して自分で持っておくようにするとよい。


                                                  チェックリストに戻る


          

 研究に携わった全員で成果や課題を確認し、次年度の方向性を決めておくことにより、スムーズ
に次年度の研究がスタートし、更に校内研究が推進・充実します。


 次年度にすべきことを確認しましょう!  

次年度がスタートするまでに、研究主任を中心に、以下のことをしておきます。        

         
 この図の流れに従って、次に示す@→Dの順で進めます。クリックすると、それぞれの詳細を見ることができます。) 

@ 今年度の成果と課題を把握しよう!                  
A 項目を変えながら、様々な視点で考えよう!
B 一番必要性のある課題は何か、判断しよう!        
C どのように進めていくか、具体的な取組の構想を立てよう!
D
 引き継ぎ資料をまとめ(作成し)よう!
・・・ ブレインストーミング
・・・ マトリックス法
・・・ マトリックス図
・・・ 5W1H


■研究主任
  次年度へ向けて校内研究の推進準備開始!!

                                             チェックリストに戻る


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