「児童生徒一人一人が居心地のよさを感じる学級集団づくり」について提案します!

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2 研究の実際
 

(1) 開発的・予防的生徒指導の考え方

生徒指導の分類 

八並・國分(2008)は、生徒指導を開発的生徒指導、予防的生徒指導、問題解決的生徒指導に分類して実践モデル(図1−1)を提案しています。
開発的生徒指導とは、全ての児童生徒を対象とした問題行動の予防や、子どもの個性・自尊感情・社会的スキルの伸長に力点を置いた生徒指導のことです。主に学級集団に焦点を当てて、集団の中で個を育てる生徒指導として、現在、多くの学校で非行防止教育や犯罪被害防止教育、構成的グループエンカウンター、ピア・サポート、ソーシャルスキルトレーニング、キャリア教育などが行われています。
  予防的生徒指導とは、登校をしぶる、保健室に頻繁に行く、早退や欠席が目立ち始めるなど、一部の気になる児童生徒に対して、初期の段階で問題解決を図り、深刻な問題へ発展しないように予防する生徒指導のことです。また、問題解決的生徒指導とは、いじめ・不登校・暴力行為・薬物乱用・摂食障害・不安障害など深刻な問題行動や悩みを抱えている児童生徒に対して、学校や関係機関が連携して対応する生徒指導のことです。いずれも、個に焦点を当てて、個を育てる生徒指導のことを言います。


図1−1  生徒指導の実践モデル 

八並  光俊・國分  康孝編集  『新生徒指導ガイド』  p.17 
 

開発的・予防的生徒指導について

  『生徒指導提要』には、いじめ対策としての開発的・予防的生徒指導の充実の項目があります。この中では、児童生徒同士の心の結び付きを深めて社会性を育む教育活動を進めるために、開発的・予防的な生徒指導がますます求められることや、互いの違いを認め合う学級経営やホームルーム経営が必要となることが述べられています。
 そこで、本研究では全ての児童生徒を対象とした開発的生徒指導と一部の気になる児童生徒を対象とした予防的生徒指導を開発的・予防的生徒指導とし、児童生徒理解を基に学級集団や児童生徒一人一人に指導や支援を展開しています。

開発的・予防的生徒指導のプロセス

ア 児童生徒理解
@ 集団の理解

主に学級集団に焦点を当てて、集団の中で個を育てる開発的生徒指導を展開するに当たり、学級集団の状態を把握する必要があります。 学級集団の状態を把握するためには、「観察法」「面接法」「質問紙法」の3つの情報収集の方法があります。どの方法がよいのかではなく、併用することで偏りのない学級集団の理解を進めることができます。

A 個別の理解
  一部の気になる児童生徒に対して進めていく予防的生徒指導では、児童生徒一人一人について個別の理解を図ることが必要であると考えます。一人一人の児童生徒は、それぞれ違った能力や適性、興味・関心等をもっています。また、児童生徒の生育環境や将来の進路希望等も異なります。そのことからも、児童生徒理解においては、児童生徒を多面的に理解していくことが重要であり、学級担任の日頃の観察や面接などに加えて、学年の教師や教科担任、部活動等の顧問などによるものを含めて、広い視野から児童生徒理解を行うことが大切です。


 対応
   『生徒指導提要』では、集団指導と個別指導の両方が必要であることと、その両方の場面でバランスよく指導をすることが述べられています。そこで、開発的・予防的生徒指導においては、集団指導を通して個を育成し、個の成長が集団を発展させることをねらいとしています(図1−2)。
                 
                               図1−2 集団と個別の観点における開発的・予防的生徒指導の位置付け


ウ 本研究のプロセス

   本研究では、図1−3のようなプロセスで研究を行いました。質問紙は、県内の多くの学校で採用されている「Q−U」や、佐賀県教育センターで開発した「がばいシート」を活用しました。実態把握や対応策の検討については、複数の教師でチームを組んで行うことで児童生徒を多面的に捉えたり、より効果的で現実的な対応策を選んだりしました。対応策の実施後に、再度「Q-U」や「がばいシート」を活用して変容の様子を考察しました。
  
  
                                                           図1−3 研究のプロセス

 
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