「児童生徒一人一人が居心地のよさを感じる学級集団づくり」について提案します!

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イ 「Q−U」について
 @ 「Q−U」とは
 
◆「Q−U」とは
  「Q−U」(QUESTIONNAIRE−UTILITIES)とは、『楽しい学校生活を送るためのアンケート』のことです。「Q−U」は発行前に、総計3万人の児童生徒を対象に事前検証が実施されました。その結果、日本テストスタンダード委員会の審査基準を満たした、標準化された心理テストとして認定を受けています。
  「Q−U」を実施することによって、児童生徒一人一人についての理解と対応方法、学級集団の状態と今後の学級経営の方針を把握することができます。     
 
◆「Q−U」の種類及び構成
  「Q−U」には図3−3のように、「Q−U」と「hyper−QU」の2種類があり、 それぞれに「小学校1〜3年用」「小学校4〜6年用」「中学校用」「高校用」があります。
  「Q−U」は、「やる気のあるクラスをつくるためのアンケート」「いごこちのよいクラスにするためのアンケート」という、2つの心理テストから構成されています。
  また、「hyper-QU」は、これら2つのアンケートに、「ふだん(日常)の行動をふり返るアンケート」が加わった、3つの心理テストから構成されています。
図3−3 「Q−U」の種類及び構成
 
◆「Q−U」の内容
  「Q−U」と「hyper−QU」の内容は、図3−4のようになっています。
 
 
 
図3−4 「Q−U」の内容(『実施要領』を基に作成)
 
◆「Q−U」で分かること
  「Q−U」を実施するで、把握できるのは以下の3つです。
 
          
 
 以上の情報を解釈すると、次のような情報を得ることができます。
 
  ★不登校になる可能性の高い児童生徒はいないか?
  ★いじめ被害を受けている可能性の高い児童生徒はいないか?
  ★意欲が低下している児童生徒はいないか?
  ★学級崩壊に至る可能性はないか?
  ★学級集団の雰囲気はどのような状況であるか?
 
◆「Q−Uの」実施時期について

「Q−U」を実施する時期や回数は活用の目的によって異なりますが、どのような場合においても複数回実施することが望ましいと考えます。
  年度当初からの学級づくりを意識する場合は、児童生徒の人間関係や学級の中での位置付けがほぼ固まってくる、5月中旬から6月上旬までに1回目を実施することが望ましいと考えます。この段階で「Q―U」を実施することによって、児童生徒の様子や学級集団の状態を把握して、今後の大まかな対応方針を立てることができます。
  そして、10月頃に2回目を実施し、対応方針の修正を図ります。余裕があれば、2月頃に3回目を実施して、当該年度の教育実践を振り返ると更によいと考えます。
  また、学級内に何らかの問題や変調を感じた時は、上記のパターンに限らず、随時実施することも可能です。「最近、学級集団の雰囲気が変わったように感じる」「学級が騒がしく、授業中も落ち着かない」など、教師の感覚や観察で察知したシグナルを「Q−U」で確認して、具体的な対応へ展開していきます。 なお、学期開始直後や大きな学校行事(運動会、文化祭等)の前後、グループ同士の衝突があった直後などは、実施を避けた方がよいと思われます。目先の出来事の影響を強く受けてしまい、結果の信頼性を損なう恐れがあります。

 
◆実施時間について

  「Q−U」は、朝・帰りの会やショートホームルーム(以下、SHR)、ロングホームルーム(以下、LHR)の時間の一部を利用して、15分程度で実施できます。また、実施する際には、児童生徒に目的と方法を明確に説明し、教師が事前に実施方法を確認しておくことが大切です。

 
◆実施上の留意点
  「Q−U」を実施する際には、児童生徒の実施への不安をできるだけ少なくすることが大切です。次に、実施する際の留意点を示します。
 
 
 
   
 
◆結果の分析と対応策の検討について 
 「Q−U」を実施したら、結果を児童生徒にフィードバックすることが重要です。必ずその結果を分析して、必要な対応を検討します。対応策の検討に当たっては、学級担任が一人で行うのではなく、児童生徒に関わる関係者(例えば、副担任や学年主任、教科担当者、教育相談担当者、養護教諭、スクールカウンセラー等)を交えて話合う機会を設けて、検討会を実施するとより効果的です。
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