他者に対する広い心を育てる道徳の時間を提案します。

2 研究の実際
(3) 授業実践 第2次
          
1 主題名
 
 「広い心」 内容項目2−(5)
 
2 資料名
 
 「三分間」 (出典 みんなで生き方を考える道徳 日本標準) (一部改作)
 
3 資料について
 
 本資料「三分間」は、友達との待ち合わせを通した女子中学生の心情の変化が描かれており、生徒にとって身近な内容です。友達との待ち合わせにいつも3分間遅れてくる私が、最後の日だけ待ち合わせの時間より早く着くことによって、待つ立場になり、相手がどんな気持ちだったのかを理解していく内容です。広い心で接することで、友人間に生じる意見の対立や摩擦が少なくなるということに気付かせるのに適した資料であると考えます。
4 本時のねらい
 物事を自分本位な見方で捉えてしまいがちであることに気付かせ、相手の立場や考えを認めようとする態度を育てる。
 
5 展開 (形成的な評価:、●達成不十分な生徒への指導、◎中心発問、○主な発問)
過程
学習活動
主な発問と生徒の反応
指導上の留意点
導入

1 待ち合わせについてのアン
     ケートの結果を知る。

 ○この結果を見て、どう思いますか。   ・待ち合わせについてのアンケート結
   果を提示することで、資料への導入
     を図る。  (アンケート結果はこちら)
展開  2 資料「三分間」(前半)を聞
    き、前半の「私」の気持ちを
    考える。
 ○いつでも3分ぐらい遅れていくこと
 を、「私」はどう思っているのだろう。
  ・あまり気にしていない。
  ・待っている友達のことを考えず、待た
    せていることに慣れている「私」に気
   付かせる。

  ・補助発問「そんな『私』のことをどう思
   うか」を問い掛けて、ねらいとする価
    値を捉えさせる。
 3 資料「三分間」(後半)を聞
    き、後半の「私」の気持ちを
    考える。

 

 

 

 

 

 

 

  ○絵美ちゃんを待っているとき、
  「私」はどんな気持ちだろう。

・腹が立っている。

・イライラしている。

・あせっている。

・待つのは当然。

・待っている時の「私」の気持ちと待た
   せている時の気持ちを対比させ、気
   持ちの変容に気付かせる。

・ただ、怒っているのではなく、相手の
   立場に立って考え行動しようとする
   「私」 にも気付かせる。

  ○「今日ぐらいは待たせるの悪いと
  思って…」の…にはどんな言葉が
  入るのだろう。

・少し早めに来たのに。

・今日は迷惑をかけないように、早く
    来た。
  

  ・…は言いたかったが言えなかったこ
   とを確認させる。

・ワークシートに記入させた後、隣同
  士で確認させる。

◎「私」が分かったような気がした、
  絵美ちゃんが3分間遅れてきた理
  由は何だったのだろう。

・「私」の時間に合わせてくれた。

・待っている人の気持ちを考えて欲
     しい。  

・絵美ちゃん自身もあまり長く待た
   なくていいように。

  ・ワークシートに書かせてから、グルー
    プで考えを交流させる。
   ・発表をさせ、考えを広める。
 相手の立場にたって考えたことを、ワークシートに書いている。
●資料の最後の部分を読ませ、絵美ちゃんの行動が変わった理由に気付かせるように声掛けをする。

・「絵美ちゃん自身があまり長く待たな
   くていいように」という考えには、補
   助発問 「絵美ちゃんは少し待ってで
   も、たっぷり時間がある方が安心す
   る」ことを問い掛けて、ねらいとする
   価値を捉えさせる。

終末

4 本時の感想を書く。

 

5 教師の話を聞く。

  ○「私」と絵美ちゃんのやりとりを学
  習して、これからの自分の友達付き
  合いで生かせることはどんなことだ 

ろう。

 

 ・発表をさせて、考えを共有させる。



 ・詩を紹介して、余韻を残して終わる。

 
6 評価の観点
 
  物事を自分本位な見方で捉えてしまいがちであることに気付き、相手の立場や考えを認めようとする態度を育むことが
できたか。
 

 
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