出題の趣旨 |
複数の記事を結び付けながら読み、事実を基にして自分の考えをもつことができるかどうかをみます。
|
問題の内容 |
■ |
二つの記事に書かれている内容を結び付けながら読み、理由となる事実を基にして自分の考えを記述する問題です。この問題では、記事の中の事実を基に、日本の女子選手が活躍してきたと考えられる理由をまとめて書く場面が設定されています。
|
この問題で求められている力 |
■ |
「マラソンの世界記録上位5人」と「日本人選手の記録」の二つの記事を結び付けながら読み、理由となる事実を基にして記述することが求められています。
|
求められている力を育むための指導例 |
■ |
目的や意図に応じて、必要となる事実を読み取る
目的や意図に応じて、適切な雑誌や新聞などを読み、その特徴や編集者の意図を考えながら、編集の仕方や記事の書き方を捉えることや、それらに含まれる内容や構造を捉えることが大切です。そのためには、比べ読みや速読、多読、必要な部分だけを見つけて読む拾い読みなどの中から、目的に応じた効果的な読み方を選択し、活用できるように指導することが必要です。
指導例としては、必要となる事実を読み取らせるために、書き手がどのような事例を挙げ、考えの理由や根拠としているかを捉えることができるよう、それぞれ色分けをしてサイドラインを引かせるなどが考えられます。また、書き手がどのような感想や意見、判断や主張などを行い、考えを示したり説得したりしようとしているのかなどについて、文章の要点を読み取らせ、書き手の意図を考えながら文章全体の構成を捉えることができるようにすることも有効です。 |
■ |
目的や意図に応じて、複数の情報を関係付けて読む
目的や意図に応じて、与えられた情報の中から必要な複数の資料を選び、それらを関係付けて読むことが大切です。そのためには、どのようなことが必要とされているのかを押さえ、文章の内容の中心となる事柄や書き手の考えの中心となる事柄を捉えることができるように指導することが必要です。
指導例としては、はじめに、雑誌記事から目的に応じて必要となる情報を取り出す。次に、取り出した複数の情報を比較し、分析、統合する。最後に、与えられた条件(字数など)に合わせて、情報を操作し加工する。このような活動を児童の実態に応じて、意図的に行っていくことが考えられます。他教科の授業でも、新聞やインターネットなどを活用し、様々な情報の中から必要なものを選択していく学習活動を取り入れたいものです。 |
■ |
条件に合わせて自分の考えをまとめる
目的や意図に応じて自分の考えをまとめ、その考えを広げたり深めたりすることが大切です。そのためには、自分の知識や経験、考えなどと関係付けながら文章を読み、それに対する自分の考えを条件(字数など)に合わせて簡単に書いたり、詳しく書いたりすることができるように指導することが必要です。
指導例としては、記事から把握できる事実を根拠として挙げながら理由を明確にして自分の考えをまとめて書くことや、考えたことを発表する交流活動を通して、必要に応じて、他者の考えを自分の考えに取り入れることができるようにすることが考えられます。授業の中で、共通点や相違点に目を向けさせる活動を行い、読み手を意識し編集を工夫するような学習活動を展開するなど、実践的な場面を設定して、繰り返し取り組ませると効果的です。 |