これからの算数科学習指導について提案します!

 小学5年 「単位量あたりの大きさ」  4/5時の学習プラン 
        〜5年生全体の畑のとれ具合を求めよう〜
  1 本時の目標
    単位量あたりの大きさを使って二つの畑全体のじゃがいものとれ具合を考えている。
     
数学的な考え方
  2 算数的活動について
 
(ア)
 発展的・応用的に考える活動として、 単位量あたりの大きさで表した数量を使って単位量あたりの大きさについての考えを深めさせる。
 
(イ)
 説明する活動として、どちらの畑の方がよくとれたといえるか表現した図や式、言葉を使って説明させる。
  3  本時の展開
 
過程
学習活動
指導上の留意点(○)、評価規準と評価方法(◇)
算数的活動(◎)
つかむ

 本時の問題について知り、課題をとらえる。


問題場面を的確にとらえることができるようにするために、具体的な絵図を提示しながら問題を理解させていく。
かずやさんの考えではいけないことを絵図をもとに明らかにしていく。そして単位量あたりの大きさで表された、1uあたりにとれた量は単純にたし算したり平均したりしてはいけないことを理解させる。
[問題]

 かずやさんたちの学校には,畑があります。
  5年1組と5年2組は,それぞれの畑で育てたじゃがいもを収かくしました。
  そして,畑の面積,とれた量,1uあたりにとれた量のうち,分かっていることを表のようにまとめようとしています。
【表】
  面積 とれた量(kg) 1uあたりにとれた量
5年1組の畑 40   3.5
5年2組の畑   150 2.5
5年生
全体の畑
     
   そこで,かずやさんたちは,表で分かっていることをもとに,5年生全体の畑1uあたりにとれる量を求めることができないかと考えました。
 すると,たかしさんとあきこさんが,次のように言いました。
 あきこさんが言った言葉の式の,
「5年生全体の畑1uあたりにとれる量」「5年生全体のとれた量」「5年生全体の畑の面積」
という言葉を使って,5年生全体の畑1uあたりにとれる量を,式や言葉を使って説明して求めましょう。

5年生全体の畑のとれ具合を求めよう。

見通す
 解決の見通しをもつ。
 《予想される児童の考え》
 ・とれた量÷面積=1uあたりにとれた量
 ・1uあたりにとれた量を使って畑の面積やとれた量を求めることができる。

今までの問題とは違い、1組と2組の畑のとれ具合は分かっていることをとらえさせる。そして、何が分かっていないのか、何を求めようとしているかを考えさせる。
作物の取れ具合を求めるためには、畑の面積ととれた量が必要であることをおさえる。
1組のとれた量と2組の畑の面積が求められれば5年生全体のとれ具合も求めることができることを捉えさせる。
  分かっていること(1uあたりにとれた量)を使って考えると畑の面積やとれた量を求めることができることに気付かせる。(ア)
自力解決
 自力解決をする。
《予想される児童の考え》

(式や言葉)

3.5×40=140…1組の畑でとれた量

150÷2.5=60…2組の畑の面積

140+150=290…5年生全体でとれた量

40+60=100…5年生全体の畑の面積

290÷100=2.9…5年生全体の1uあたりでのとれ具合

数直線や式を基に、1uあたりにとれた量を使って考え5年生全体のとれ具合を求めさせる。(ア)
式や言葉、数直線等もノートに記入させる。その際、なぜその式が立式できるのか、その式で何を求めているのかも記述させる。(ア)
図や式、言葉のどれか一つでしかかいていない児童には、自分の考えを明らかにするために自分の考えを図や式、言葉のそれぞれを使って記述するように助言する。
学び合い
 自分の考えをペアで説明し合う。
自分の考えを説明する際には、ワークシートを示しながら説明させる。(イ)
よく分からないところはお互いに質問し合わせる。
 解決方法を発表し全体で話し合う。
 ・ 全体の場で考えを説明し合って共有する。
  ≪児童が実際にノートにかいた考え≫

「考えを表現したワークシート例」

「全体を意識させた際の表や図」
図や式言葉などを関連付けながら説明させる。(イ)
考えを共有するために、一人の児童に全てを発表させずに、他の児童に続きを予想させたり、発表させたりする。(イ)
言葉や数直線などを用いて説明することで、1uあたりにとれた量を使って畑の面積やとれた量が求められることを理解させる。
全体のとれ具合を求めるためには1組と2組の畑全体の畑の面積やとれた量が分かればいいことを理解させる。さらに、表に5年生全体の部分を付けたすなどして全体を意識させる。
つかむ段階のことを想起し、単位量あたりで出した大きさをたしたり、平均したりするだけでは、全体のとれ具合はできないことをおさえる。
全体のとれ具合を調べる時には、異なる2つの量(とれた量と畑の面積)の全体を求めて考えなければいけないことをおさえる。
単位量あたりの大きさを使って、二つの畑全体のジャガイモのとれ具合を考えている。
【数学的な考え方】
[観察、ノート]
まとめる
 本時の学習をまとめる。
   全体のとれ具合を考えるときは単に単位量あたりの大きさをたしたり平均したりするだけでは求められない。異なる2つの量の全体を求めて考えなければいけない。
 本時の学習で学んだことを算数日記に書く。
≪児童が実際に書いた算数日記の例≫
 
   
授業で分かったことや感想これから気を付けたいことやさらに調べてみたいことなどを書かせるようにする。
 
   
 
 
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