小学校・学級活動

学級活動実践例  (中学校第2学年で実施) 指導案等はこちら
題  材  健康な体と食事について考えよう
ねらい  無理なダイエットや過食による害を知り,自分の健康を考えた食生活をしようとする態度を養う。
授業の
ポイント
 多くの生徒は見かけの格好良さから,「やせ」を望む傾向にある。そこで事前に同性,異性にかかわらず「自分が仲良くしたい人(イメージ)」についての調査や理想の体型・特徴について書かせておき,それを基に授業を展開する。指導に当たっては,養護教諭とのTTで授業を実施し,養護教諭から「過食」や「ダイエット」の弊害について,食事のとり方と関連付けながら専門的にアドバイスする。
 授業を通して自分の理想体型を実現すると大変危険な状態になることや,アンケート調査結果を示すことで,人は外見で判断されるものではなく,自分の言葉や振る舞いに気を付けることがよりよい人間関係をつくるものであることをおさえたい。そして,自分の適正体重を知らせ,食事の自己管理能力を身に付けて健康を維持することの大切さに気付かせたい。
○事前の活動  「自分が仲良くしたい人(イメージ)」のアンケート調査や「生徒の理想体型」についての調査を行い,教師が集計してまとめておく。 
★生徒の実態・意識調査結果はこちら (調査様式については,「指導案(PDF)」に掲載)
★本時で活用したパワーポイント資料はこちらPP
授業の実際 段階 生徒の活動と生徒の反応 教師の指導・支援
T1(担任) T2(養護教諭)
活動の
開始
@自分の理想の健康的な体型について考え,それを理想とした理由を発表する。

【BMI 指標に当てはめて】
A本時の活動のねらいを知る。
 自分の適正体重を知り,健康的な食事について考えよう。
・事前に理想の身長,体重,体型を記入させておく。
・自分の理想の体型を発表させ,「やせ」「正域」「肥満」で診断する。(BMIを用いて判定)

・理想体型を実現しようとすると 大変危険な状態になることを確認し,本時のねらいを提示する。


・体格判定の一つの指標であるBMIについて知らせる。


活動の展開 Bダイエットと過食の危険性について班で考え,発表する。
 〈予想される生徒の反応〉
  「ダイエット」  
  ・体がきつくなる 
  ・栄養失調
  ・イライラする  
  「過食」
  ・肥満  
  ・生活習慣病


Cダイエットと過食の危険性について正しい情報を知る。

【養護教諭の説明を聞く】

D自分のBMIと適正体重について知る。
・ダイエットや過食の危険性について,自由に知っている情報を基に意見交換させる。

・各班の発表をキーワードでまとめる。





・無理なダイエットは,心にも影響を与えることを知らせる。

・みんなに認められたいという思いから,「格好良くなりたい,やせたい」という思いへと変化していくことに気付かせる。


・自分のBMIと適正体重をグラフやヘルスサポーターの指標から求めさせる。



・間違っている考えや偏った知識がないか把握しておき,活動Cで指導する。






・ダイエットや肥満を起こす一つの原因を不適切な食事のとり方と関連付けて話す。






・標準には「幅」があることを確認する。
・「標準」でない生徒は個別に指導していく。
活動のま

E自分が仲良くしたい人のイメージ調査の結果を知る。
F本時の学習で学んだことや生かしたいことを考える。
・人は外見より,性格や態度によって好意をもつものであることに気付かせ,自分の言葉,振る舞いに気を付けることが,よりよい人間関係をつくるものであることをおさえる。

・自分の健康は,自分で食べることから始まり,健康な生活が楽しい学校生活や将来の夢への第一歩であることを確認する。


資料に
ついて
○BMIの判定の仕方について  
   「BMI=体重(kg)÷身長(m)」で求める。 正常域:18.5以上,25未満である。
   パソコンを用いて簡単に診断する方法もある。(数値を入力するとその場で診断できる)
       サイト⇒ http://www.ahv.pref.aichi.jp/taikei/index.html
授業を
振り返って
○生徒の感想より
・ ダイエットや過食からくる危険性について知ることができてよかったです。また,「三つのお皿」を基準に食べることや,給食センターの人たちは私たちの体のことを気にしてくれていることを学び感謝しないといけないと思いました。わたしも,バランスのとれた食事を心掛け,無理なダイエットをしないように気を付けたいです。
・ ダイエットをし過ぎたり,太りすぎたりするといろいろ病気にかかることが分かりました。自分の適性体重を知ることができたので,そのくらいになるようにしたいと思いました。それに,アンケートで人は見かけを気にしないということが分かって安心しました。
○授業参観された保護者の感想より
・ 中学生くらいから,スタイルや他人からどのように見られているか,とても気になる年ごろなので,子どもたちに「過ぎたるは・・・」という意味で分かりやすかったと思います。友達になりたいという気持ちは見かけから起こるものではないということが心に残ってくれれば良いと思います。内面を磨くということは,なかなか意識できませんが,中身が大事だと気付いた子が多いのではと感じました。

○授業者より
 特に女子に多い傾向として,自分の体型を気にするあまり,給食を食べきれない生徒や休日の昼食の量が極端に少ない生徒がいる。本時の学習では,理想の体型が「やせ」傾向にあることを実際計算させたり,バランスよく食べることの実際の量を提示したりしたので,自分の理想が「やせ」であることやバランスの良い食べ方について具体的に分かったようである。また,仲良くしたい人のイメージアンケート結果から,体型より自分の言動や振る舞いが大切ということが分かり,安心した生徒もいた。将来にわたり,楽しく充実した生活を送るには,今の時期にしっかり食べて健康な体を作っておくことが大切であることを気付かせることができた。 

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