授業の実際 職場体験で学んだことを深めよう −職場体験学習を中核に据えた進路学習−
単元の構想 題材名 職業について学ぶ 〔学級活動  4時間計画〕
職業と産業の理解           指導案とワークシート〔PDF〕 職業について具体的に考える
多様な職業の内容や特色      指導案とワークシート〔PDF〕 職業の内容や特色について理解する
職場体験で学ぶこと   指導案とワークシート〔PDF〕 職場体験学習の事前準備をする
職場体験で学んだことを深めよう 職場体験学習で学んだことを自分の生き方に生かす
題材への思い
 生徒自らが職業に関する具体的な知識や情報を得て,職業観や勤労観形成の基礎がはぐくまれ,自己理解を深める中
で,自己の生き方に目を向けるきっかけともなる職場体験学習は,総合的な学習の時間に行っている場合がほとん
どです。ここでは,総合的な学習の時間の意義を踏まえ,職場体験学習の事前・事後の学習を学級活動の時間に確保し
て,系統立てた指導を進め,生徒たちの進路意識を高めていきたいと考えています。
題材の目標
お互いを認め,高め合う人間関係を築こうとする。 〔人間関係の形成〕
自己の個性や能力・適性を理解し,伸ばそうとする。 〔自己理解〕
働くことの意義や役割を考える。 〔社会の一員としての自覚〕
自己の生き方を考える。 〔生き方の自覚〕
題材の評価規準
 人間関係の形成 自己理解 社会の一員としての自覚 生き方の自覚
  集団の中で,互いに理解し合い,認め合い,協力し合って,望ましい人間関係とよりよい生活を築こうとしている。   将来の生き方や進路との関係で,自己の個性や能力・適性を理解し,伸ばそうとしている。   様々な職業や職業生活について理解するとともに,職業・勤労の目的や意義を理解しようとしている。  自己の将来に希望を抱き,その実現に向けて将来の生活設計を考え,自己の進路や生き方について考えている。
 
指導の実際   職場体験で学んだことを深めよう 実際の指導案〔PDF〕 ワークシート〔PDF〕
過程 活動の内容 指導・援助の留意点








〈課題確認〉
1 職場体験学習を振り返り,『充実度自己評価』を行う。
       画像にふれてみて下さい
〈黒板に自分のマグネットシートを貼る生徒〉
2 本時のねらいと流れを知る。
〈充実度自己評価は高い。充実した職場体験学習で学んだことをこれからの自分の生き方に生かそう〉
職場体験学習の様子を視聴覚教材(プレゼンテーションソフト)で提示し,職場体験学習を思い出させる。
職場体験学習の充実度自己評価とその理由を記入させる。ワークシート◆職場体験学習の充実度をグラフで表すと    
職場体験学習を振り返り,働くことや生き方に関して自分の考えをまとめていくとともに,友達の考えや学びを知って自分の生活に生かすことがねらいであることを説明する。




〈課題追究〉
3 職場体験学習で感じたことについて意見交換を行う。
 〈意見交換もしくは,記録したノートを回し読みする〉
ワークシート@友だちの考えや感想を聞いて,あなたが気付いたことや考えたことを書こう。
4 『職場体験中の自分』について振り返る。
ワークシートA職場体験中のあなたはどんな自分でしたか。
 
〈職場体験中の自分を振り返って話す〉
意見交換(回し読み)をさせる。友達の職場体験学習での感想を読んで,気付いたことや考えたことを自由に記入していいことを助言し,記入した内容を発表させる。ワークシート@
生徒一人一人の素直な気持ちを表現させたい。
〈どんな意見が出ているかな?〉
机間指導により,一人一人の生徒の気付きに注目し,自分への気付きを自分のよさととらえることができるような助言を行う。ワークシートA
自分の将来を考えていく上で,自分のよさを生かしたり改善が必要なところは補っていかなければならないことを卒業生の例などを挙げて話し,生徒たちに自分のことをじっくり振り返らせる。
職場体験中の自分を振り返り,自分のよさや改善していきたい点に気付く。





〈実践化に向けて〉
5 働くことについての教師のまとめの言葉を聞く。
〈「働くことは大人として自立することである」職場体験学習を通して働くことについて真剣に考え始めた生徒たちに語りかける〉
6 学習を終えて学んだことをまとめる。
ワークシートB今日までの学習を終えて学んだことなどを書きましょう。
      
7 発表会など今後の予定を把握する。
友だちの考え方,感じ方を知ることは,自分の考えが深まったり,今後の生き方について考えてみるきっかけとなるということを助言する。
職場体験学習で学び,これからの生活に生かしたいことを記入できている。ワークシートB
クリックすると拡大して表示します。
 〈生徒記入例Aさん Bさん Cさん〉   
学級活動と総合的な学習の時間に,進路学習を進め,2年生では進路計画を立てることを説明する。
事後の指導と生徒の活動
活動の内容 指導・援助の留意点
職場体験学習に向けて,職業理解や自己理解など,学んだことを整理し,これからの生活に生かそうとする。 職場体験学習の発表会に向けて,意欲的に進路学習を継続できるように,指導・助言を行う。
〔総合的な学習の時間〕への接続に留意する。
評価
職場体験学習を通して学んだことを自分の生活に生かそうとしているか。(観察・ワークシート・発言など)
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ポスターセッションの実施例

ポスターセッションに関してのシートについては下のリンク先を御覧下さい。
ポスターセッションの手引き
発表シナリオシート
発表練習チェックシート
発表会を終えて(記入シート)

1 ポスターセッションとは?
  ポスターセッションとは,壁またはホワイトボード,または広用紙等に,図や表,写真やキーワード等を書いたものを並べて張り出し,聞き手が発表者の前に立つたびに適宜説明を行うという報告形式です。

2 ポスターセッションの特徴
(1) 発表者と聞き手の距離が近く,気楽に質問しやすい。
(2) 少人数で実施し,時間の制約をあまり受けないので,議論を発展させやすい。
(3) セッション時間以外でもポスターを貼りだしておけば,続けて見ることができるし,発表者も聞き手からの要望に対応することもできる。

3 具体的方法
(1) あまりたくさん詰めて張り出しても,見づらく,しかも報告自体が長々と続くことになりがちですので,避けた方がいいと思われます。
(2) 図には見る順番を示した番号を記入しておくと,報告者がいないときにも理解しやすいので親切です。
(3) 発表のやり方として,2通りあります。
 
  一つは,教師側が「説明開始 1:30, 2:00, 2:30 」とか開始時間をあらかじめ決めておいて,その通り実施していく方法です。
  もう一つは,適宜発表という形です。発表者は,生徒が一人,二人と興味をもって近付いてきたら,自分の職場体験内容の報告を始めます。ポスターの横で立ってて,興味をもった人が来たら,「ご説明しましょうか?」と聞いて説明を始めます。基本的に,聞き手の生徒は分からないことや疑問に思う事があれば,質問をしてもいいことになっています。聞き手のどんな質問にも 発表者は,答える必要があります。報告だけだと10分か15分ぐらいでできます。途中で質問等が入ると,一回の説明に20分ぐらいはかかるようです。これを聞き手の生徒が来るたびに繰り返します。質問・議論が活発な良い発表だと,1回の説明に30分くらいはかかります。発表が終わったら,聞き手の生徒は説明を受けて良かったところ,分からなかったこと,こうすれば更によくなることなどを付箋紙に記入し,ポスターに貼って次の報告を聞きに行きます。

4 実施の際のポイント
 ・ ポスターセッションがうまく行くかどうかは余裕のある時間配分が大切です。
 ・ ポスタープレビュー(事前紹介)の時間を設けるのもよいと思われます。
   1グループ1分,A4用紙1枚という制限で,ポスターセッションで発表する内容を話させます。
   ポスター発表で興味のあるものをすべて時間内に聞くことは,不可能なので,聞きに行く発表の優先順位を付けさせる判断になります。
   また,ポスターセッションに聞きに来ないグループが出ることもあるので,ポスタープレビューのあと,自分がどの報告を聞きに行くのか事前調
  査をし,担任で調整を行い,自分たちのグループには誰も来なかった,という状況をつくらないようにします。
 ・ 会場にポスターを張り出すためのスペースの確保ができるように調べておきます。
    全体の様子を把握したり,下級生や保護者,地域の方々にも見てもらうには,体育館などの広い場所で行うのも有効だと思います。

5 聞き手のポイント
 職場体験学習で学んだことを発表するのも大切ですが,その情報を共有化すること,つまり,質問や意見を述べて,理解を深めることがこのポスターセッションなど発表会では大切なことです。聞くためのポイントとして,
(1) 分からなかったこと,聞き取れなかったことを確かめる。
   「・・・については・・・ということですか?」,「・・・がについてよく分かりませんでした。詳しく教えてください。」

(2) 自分の聞き取った内容が,発表者の伝えたいことと合っているか確かめる。
   「・・・について,・・・と発表されましたが,・・・(具体的には)ということでしょうか?」

(3) さらに詳しい内容について聞く。
   「・・・について,さらに詳しく教えてください。」

(4) 発表者の意見に対する自分の意見を述べて,発表者の意見を確かめる。
   「・・・は・・・と言われましたが,私は・・・だと考えますが,どう,お考えでしょうか?」

<会順例>
13:00〜14:00 1回目 グループA 
14:00〜15:00 2回目 グループB 
15:00〜15:25 自己評価
※ 途中で休憩の時間をとる。
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