長期間に渡って教室で授業を受けたことがない子どもにとって,教室の中で授業を受けることは,大変な勇気とエネルギー が必要です。
 一度教室に入れても次回も入れる保障はありません。
 子どもには大きなストレスがかかっており,無理をすると自信喪失につながります。支援者側は,子どもの様子を観察 しながら,小目標を立てて支援を行いましょう。

●授業参加後、緊張感を漂わせて戻ってきた。
 長期間に渡って教室に入れなかった子どもが教室で授業を受けることの重圧は相当なものです。子どもの表情やしぐさをよく観察し,子どもの気持ちに寄り添いましょう。気をつけたいことは,授業に参加した当日は,子どもに心の余裕がない場合が多いので,授業に参加しての気持ちを聞いたり,励ましの言葉を掛けたり,助言をしたりすることを控えることです。子どもの方からアドバイスを求めてきた場合は,複数の助言をし,子どもに選択させましょう。
●次回の授業参加は休みたいと言ってきた。
 子どもの意志を尊重します。「せっかく行けたんだから次も頑張ろうね。」などと励まして無理をさせてはいけません。それよりも次に子どもが授業に入りやすくするにはどうしたらいいかを子どもと話し合って実行することが大切です。
●授業が分からないと言ってきた。
 長期間に渡って授業を受けていないので,授業内容が早くて難しく感じるのは自然なことです。まずは,「分からなくて当たり前,だけど真面目に理解しようと努力する」という姿勢で授業に臨むことを子どもに伝えておきます。また,教科担当者にも可能な範囲で子どもへの支援をお願いしておきます。
●何回か続けて授業に参加することができた。
 好きな教科から授業に入っていき,徐々に参加できる教科を増やしていきます。支援の方は継続することが必要です。