実験教材

T 光る携帯電話アクセサリーを作ろう

完成品
携帯電話のアンテナで受信中(動画)
 
 ご存じのとおり,携帯電話のアンテナに付けるアクセサリーです。送受信するときに出る電波のエネルギーで光ります。
 今回は,なるべく簡単で,短時間で作れ,電波を実感することができる教材として導入します。生徒たち自身が実際に製作することで,ものづくりを体験し,なおかつ実験もできます。実際に授業を行いましたが,生徒たちの興味・関心を高めることができました。製作の前に発光ダイオードの整流作用の確認実験を入れても効果があるようです。

目的 携帯電話で送受信するときに光る携帯電話アクセサリーを作り,その基本原理,電波(電磁波)とエネルギーの関係を見る。また,ダイオードの基本的な性質を知る。
必要なもの 携帯電話(800MHzのものがよい)
発光ダイオード1個(高輝度発光ダイオードの方がきれいでわかりやすい。)
ショットキーバリアダイオード(1SS108)1個
エナメル線(直径1mm,約20cm)1本,紙ヤスリ,ハンダこて,ハンダ

※ショットキーバリアダイオード(1SS108)
 金属と半導体との接合によって生じるショットキー障壁を利用したダイオードである。
 多数キャリアによる動作のためPN接合ダイオードに比べると順方向の電圧降下が低く,スイッチング速度が速いという特長をもつ。
 このダイオードはスイッチング特性が優れているため,現在ではオーディオ機器の電源回路やスイッチング電源で主に使用されている。
                                   フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より

 

 
生徒用ワークシートはこちら
製作の手順
@ エナメル線でコイルを作る。
携帯アンテナと同じ大きさのもの(例 ボールペンなど)を使ってエナメル線を4〜5回まく。
コイルの両端は,紙ヤスリで磨いておく。
 コイルを巻いた状態
A ここが Point!
発光ダイオードの+極(足が長い方:アノード)とショットキーバリアダイオードの−極(カソード)をハンダ付けする。

(注)熱でダイオードを壊さないようにしましょう。
                   ダイオードの接続
※教師の方で準備をしておくと,失敗が
少なく,時間短縮にもなる。

(作製時間 1個当たり約3分)

B Aで作ったダイオードと@のコイルをハンダ付け。
(ダイオードやコイルの余分な部分は,ハンダ付けしてから切りましょう。)

実験・観察
携帯電話アクセサリーを携帯電話のアンテナにセットして,携帯電話を使ってみよう。
実験前予想 次の実験を行う前に,どうなるかを予想し,ワークシートに記入しましょう。
アンテナから携帯電話アクセサリーを外した状態で,アンテナに近付けたり遠ざけたり,向きを変えてたりして光り具合を観察してみよう。(直接手で触っていると,あまり光りません。)
(発展) 更によく光るようにするにどのような工夫が必要か。考えてみよう。
※備考
・ 携帯電話は800MHz帯のものでアンテナが付いているものが分かりやすいようです。その他の周波数帯の携帯電話では反応が分かりません。
・ コンデンサー(100pF程度)を接続するとより性能が上がります。
 
◇参考 岡山県教育センター 高等学校物理教育支援 携帯電話用インジケータの製作
(http://www.edu-c.pref.okayama.jp/sien/kyouka/rika/buturi/keitai/kozasiryo/PAGE001.asp)