実験教材

U ヘルツの実験をやってみよう

簡易ヘルツの実験セット 実験観察の様子@ 実験観察の様子A

 ヘルツ(Heinrich Rudolf Hertz 1857-1894 ドイツ)が電磁波の存在を実証した実験を再現してみましょう。この実験によって,発信器から発生しているものが光と同じように横波で,偏り(偏波)をもつことを確認できます。単純ですが,生徒は興味津々で,考えます。なお,ネオン管の光が弱いので,部屋を暗くして,実験してください。
 なお,ヘルツの実験では,電磁波が周囲に飛びます。影響が考えられる機材があるときは注意してください。
目的 ヘルツの実験を行い,電磁波の存在やその性質について確認する。
必要なもの 発 信 器 誘導コイル(各学校に1つはあると思います。)
アルミ板:2枚(300mm×400mm×0.5mm)
真鍮棒:2本(直径2mm×長さ300mm)
パチンコ玉:2個
スタンド2個(アルミ板を立たせる)
クリップ付きリード線:2本





直線形検出器 真鍮棒:2本(直径3mm×長さ500mm) 
    エナメル線・導線でも可
角材:1本(10mm×5mm×900mm) 
    真鍮棒固定用,大きさは任意
ネオン管:1個(ヒューズ形,点灯電圧80〜300V,
    大きさ 直径6mm×30mm)
ヒューズホルダー:1個(ヒューズ固定用)
クリップ付きリード線,固定用テープ 
ループ型検出器 エナメル線又は導線:1本(約1.3m,直径約40cm)
パネル:1枚(450mm×600mm A2規格,
     エナメル線(導線)固定用
ネオン管:1個(ヒューズ形,点灯電圧80〜300V,      大きさ 直径6mm×30mm)
ヒューズホルダー:1個(ヒューズ固定用)
クリップ付きリード線,固定用クリップ
※上記の寸法などは,目安です。また,ヒューズ固定用ホルダーがない場合は直接ハンダ付け等を行ってください。
右図のように誘導コイルと電極を付けたアルミ板を接続し,放電させましょう。

※2枚のアルミ板がコンデンサー,真鍮棒がコイルとして働き,電気振動が起こることにより電波(電磁波)が発生します。

生徒用ワークシートはこちら
実験

実験観察
実験前予想 発信器で放電させたら,検出器のネオン管は光るだろうか?まず予想しよう。光れば○,反応なし×
発信器で放電させ,検出器のネオン管が光るかどうか実験観察を行う。(検出器の向きは変えず,発信器に近付けたり遠ざけたりしてみよう。)
※ a(○),b(×),c(○),d(○),e(○),f(×)
a〜f の中で,一番強く光るのはどれ?
※ c(実験観察結果より)
なぜそうなるか考えよう。(ヒント:電界と磁界の関係を考えて)

★解説シート

※電波(電磁波)の存在を確認するまでの流れ
・2つの電極の間に高電圧をかけ,金属球の狭いギャップに火花が生じる
              
・検出器のネオン管が点灯するのを観察。(ただし,向きと距離に影響する。)
               
・ネオン管を点灯させるエネルギーが伝わっている。
             
・電波(電磁波)の存在を確認



◇参考文献  愛知・岐阜物理サークル編著 『いきいき物理わくわく実験 改訂版 1』 
                                               2002年 日本評論社 pp.196 - 197