スクイグルゲーム 
準備 黒マジック,色マジック,色鉛筆,クレヨン,画用紙(八つ切り)
導入 「お絵かきでもする?スクイグルって言うんだけど。」とこちらから提案した。
返事はしないが,(何,それ?)と言う感じで視線を返してきたので,「どちらか一人が,適当に一筆書きで好きなように線をひいて,その後でもう一人がその線を使って何かの絵に仕上げる遊び。」と説明した。
「いいよ」と返事をしたので,棚に用意しておいた道具を机に出した。
方法 枠作り
1.画用紙の各辺から1pあたりのところに黒マジックで枠を作る。
2.黒マジックで描いた枠の中を6分割する。
スクイグルゲーム 3.描く順番を決める。
4.はじめに描く人がどこでも好きな枠に一筆描きをする。
5.できあがった自由な線を見てイメージをふくらませ,もう一人が何かの絵に仕上げる。
6.次に5で絵に仕上げた方が一筆書きをする。
7.もう一人は一筆書きから何か絵を仕上げる。これを6コマ埋まるまで繰り返す。
物語作成 8.全て埋まったら,6コマの絵を自由につなげて,物語を作る。
9.互いに発表しあう。
実施 枠作り 1.「はじめに,四角い枠を描くね。」と言って,画用紙の各辺から1pあたりのところに黒マジックで枠を作った。
2.「今度は,大体でいいから,こんな風にして6つに分けてね。」と言って,指で6等分の線を指示して,黒マジックで書いてもらった。
スクイグルゲーム 3.「はじめにグルグル一筆書きをするのと,そのできた線を何かの絵にするのとどっちがいい?交代にするからどっちが先でもいいんだけど。」と言って,どちらが先に描くのか相手に決めさせた。担当が先に線を描くことになった。
4.「じゃあ,描くよ。」と,適当な線を描いた。
5.「・・・」無言で色マジックを取り,簡単に絵に仕上げた。
6.「今度は一筆書き描いてね。」と勧めると自分で思い描いたものの輪郭を描いた。
7.担当が絵に仕上げた。
物語 落書きしながら話を始めたので,物語は作らなかった。
留意点
1.本人の自主性を重んじ,無理に勧めないように気を付けた。
2.描く道具や色など自由に選ばせた。
3.作業時間を十分に取り,会話を急がないようにした。
4.線を描いたり,線から絵を発想したりする速さをできるだけ相手に合わせようとした。
5.やめたいときはいつでもやめられるような自由な雰囲気を作ろうとした。
子どもの様子 ・進んで熱心に取り組んだ。
・発想がよく,線を有効に利用した楽しい絵を短時間で仕上げることができた。
・相手が描きやすいような一筆書きを返す。
・相手が困ると,ヒントを与えた。
・6コマ仕上げたところで用紙を裏に返し落書きをはじめた。
・用紙の裏にランダムにスクイグルゲームをした。
・落書きをしながら,自分のことや今考えていることなど,絵や言葉を使って伝えてきた。
考察  スクイグルゲームをしていると,話をしないのに互いに笑顔になり,視線もよく合うようになった。
私自身,「A子と何を話そう。何を聞こう。」などということも考えなくなっていた。
A子はスクイグルを6コマ書き終えた頃から,これまで聴いても話さなかったこと,今,気になっていることなどを伝えてくれた。
言語的コミュニケーションよりも非言語的コミュニケーションであるスクイグルゲームが,A子と私の間では構えのない関係を作るのに有効に働いたと考えられる。