教育用デジタルコンテンツの活用 − 地層の学習は,アニメーションでイメージ化!


第一次 しまもようの見える土地(1・2時目) 

  単元導入時へのデジタルコンテンツ利用について 


  従来この単元では,教科書の写真を見せたり,一般的な地層が見られるがけの写真やビデオを見せたりすることで,導入としてきたことが多かったと思います。それらの資料の教材的価値は高いと考えますが,身近な場所ではなかったり,一斉的な資料の提示になったりするため,児童の多様な意見や疑問を引き出すことは難しかったのではないでしょうか。
  そこで,実際に取材をするなどして集めた,県内各地の露頭(地層が見られるがけ)の写真やビデオをデジタルコンテンツとして提示することで,自分たちの住んでいる土地のつくりや地面の下のようすについて目を向けさせたいと考えました。いろいろな写真やビデオを自分なりの視点で見ることで,さまざまな「なぜ?」「どうして?」が出てくるものと期待できると考えます。


  指導の実際   

1 本時の目標(1・2/16)
教科書やコンテンツの写真やビデオを通して,「土地はどのようなものからできているのか」「どのようにしてできたのか」など,土地のつくりについて興味・関心をもつことができる。
 
2 本時の展開
段階 児童の活動 教師の指導と支援(○は主な発問)




1 地面の下のようすについて予想する。
   
学習課題
 地面の下はどのようになっているのだろう? 
 
○地面の下はどんなようすになっていると思いますか?
 <固い岩になっている>
 <土が重なっている>
 <しまもようがある>(地層)
自分の考えを確かめるために学習を進めていきましょう。









2 教科書の写真を見て,気付きや感想をもつ。

3 コンピュータを使って,佐賀県内のしまもようの見える場所の写真とビデオを見て,その特徴をつかむ。 <map.htm>

デジタルコンテンツを用いた単元の導入場面ビデオ

写真県内の地層のようすを写真で見てみよう


4 写真の中から「不思議だな」「なぜだろう」と感じたものを選び, ワークシートに,疑問点や感想を書く。
  (worksheet1-1)

写真1枚の写真をよく見て、自分なりの考えをもとう

写真気付いたことをワークシートに書こう
 
○教科書の写真を見て,何か気づきや不思議だなと思うことはありませんか。

○しま模様の見られる土地と見られない土地がありますが、ここではまず「しま模様の見られる土地」についての学習を進めていきます。 


○佐賀県にもしまもようの見えるがけが見られるところがあります。コンピュータを使って見てみましょう。

○写真の中から,特に「不思議だな」「なぜだろう」と思った写真を選び,ワークシートに具体的に書いてください。
 <どうして斜めになっているのかな?>
 <色の違いはどうしてできるのかな?>   
 <化石があったよ>

<自然事象への関心・意欲・態度>
土地のようすやつくりに興味をもち,進んでコンテンツの写真や動画を見て,自分なりの疑問をもつことができる。
                      <行動観察・発言>









5 発表の準備をする。
「なぜだろう」「不思議だな」と感じたことを書くビデオ
  児童のワークシート記入例1
  児童のワークシート記入例2
  児童のワークシート記入例3

6 記録したものをもとに,発表する。 

7 良い気付きや疑問点について話し合う。

地面の下は,しまもようになっているところがある。
しまもように見えるのはなぜだろう?  

8 「しまもよう」に見える理由を考え,ワークシートに書き入れる。    (worksheet1-2)
  児童のワークシート記入例4
  児童のワークシート記入例5
○前でスクリーンを使って発表してもらいます。「わかったこと」や「疑問点」「不思議だな」と感じたことを,発表できるように準備をしてください。  
・自分たちが気付かなかったことなどがあれば,メモさせる。
・友達の意見を聞いて,わかったことや新たな疑問など,気付いたことを発表し合う。


<科学的な思考>
しまもようのできる理由について,自分なりの考えを持つことができる。                   <記録>
 


め 
9 次時の内容を知る。  ・しまもようを形成しているものについての学習であることを知らせる。 


  本時を振り返って 

本時へのデジタルコンテンツ導入の成果 今後の課題
・教科書の写真と違い,自分たちにとって身近な県内の露頭(地層の見られるがけ)の写真であるため,より興味を持って取り組むことができ,さらには学習に向かう意欲に結びつけることができた。

・多様な写真を見ることができるため,しまもようのようすも多面的にとらえ,表現している児童が多く見られた。

・「しまもように見える理由」の質問に対しても,従来はいわゆる教科書的な答えしか出てこなかったが,今回は自分なりの考えをもつ児童が多く見られた。
・県内でも、まだ多くの露頭(地層の見られるがけ)があるため、収録データの充実を図る必要がある。


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