○ 学習指導案 小学校第2学年「生活科」 |
1 単元名 「作って あそんで わっはっは」 (平成21年10月27日実施) | |
授業実践者:豆田 幸彦 |
2 単元とその指導について |
○ |
本単元は、新学習指導要領の内容(6)を扱った学習で、身近な自然を利用したり、身近にある物を使ったりなどして、遊びや遊びに使う物を工夫してつくり、その面白さや自然の不思議さに気付き、みんなで遊びを楽しむことができるようにすることをねらいとしている。具体的には、決まった物を作るのではなく、これまでの経験を生かし、素材を手に取りながらできそうな遊びや遊びに必要な物、遊びにつながる物を作っていく活動と、それらの物を使って友達と遊びを通して交流する活動が中心となる。 |
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○ |
本学級の児童は、1年生のときに「秋とあそぼう」の単元において、ドングリや落ち葉などを使ってヤジロベエやドングリごまなどの遊ぶ物や、帽子やネックレスなどの飾る物を作った経験がある。また、1学期に図画工作科「水にうかぶものを作ろう」の学習で、身近にあるペットボトルや発泡トレー、プリンカップなどを用いて工作した経験がある。さらに、図画工作科でお互いの作品について鑑賞し合う活動の経験もある。 |
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3 単元の指導目標 |
○ |
身近にある物を使って遊びや遊びに使う物を工夫してつくり、みんなで遊びを楽しむことができる。 |
4 単元の計画 (全10時間) 本時は9/10 |
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観点 |
生活への関心・意欲・態度 |
活動や体験についての思考・表現 |
身近な環境や自分についての気付き |
評価 規準 |
身近にあるいろいろな物や遊びに関心をもち、友達と交流しながら楽しく遊ぼうとする。 |
身近にある物を使って遊ぶ物を工夫して作り、遊び方を考える。 | 身近にある物を使って遊べることや遊ぶ楽しさ、友達や自分のよさに気付く。 |
学習活動における具体的な評価【評価基準表】 |
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時 |
評価規準 |
A(十分満足) |
B(おおむね満足) |
1 | 【関心・意欲・態度】 身近にあるいろいろな物に関心をもち、遊ぼうとしたり遊びに使う物を作ろうとしたりする。 (発言・行動観察・対話) |
身近にあるいろいろな物にすすんで触れ、友達を誘うなどして積極的に遊ぼうとしたり、遊びに使う物を作ろうとしたりしている。 | 身近にあるいろいろな物に触れ、遊ぼうとしたり遊びに使う物を作ろうとしたりしている。 |
【気付き】 身近にあるいろいろな物の特徴に気付く。 (発言・ワークシート・対話) |
身近にあるいろいろな物の質的特徴をとらえ、具体的な遊びや遊びに使う物を作ることができることに気付いている。 | 身近にあるいろいろな物の特徴をとらえ、遊びや遊びに使う物を作ることができることに気付いている。 | |
2・3 | 【思考・表現】 遊びに使う物を考え、絵や言葉で表す。 (ワークシート・対話) |
素材の質的な特徴を生かし、遊びに使う物を絵や言葉で表している。 | 遊びに使う物を考え、絵や言葉で表している。 |
4・5 | 【思考・表現】 遊びに使う物を自分なりの考えを生かし、作る。 (行動観察・作品・対話) |
自分なりの考えを生かし、みんなで楽しく遊ぶことを意識して遊びに使う物を作っている。 | 自分なりの考えを生かし、遊びに使う物を作っている。 |
6 |
【関心・意欲・態度】 友達と一緒に遊ぼうとし、思ったことを伝えようとする。 (発言・行動観察・対話) |
自分の作った物や友達の作った物ですすんで遊ぼうとし、遊びや遊びに使う物についてよいところやアドバイスを伝えようとしている。 | 自分の作った物や友達の作った物で遊ぼうとし、思ったことを伝えようとしている。 |
【気付き】 友達の遊びのよさや、自分の遊びのよさなどに気付く。 (カード・ワークシート・対話) |
友達の遊びのよさを見つけ、自分の遊びに生かせることや改善点、自分の遊びのよさに気付いている。 |
友達の考えた遊びのよさや自分の遊びのよさに気付いている。 | |
7・8 |
【思考・表現】 遊ぶ物や遊び方を工夫する。 (行動観察・作品・ワークシート・対話) |
友達と楽しく遊ぶことができるように、友達のアドバイスや遊んだ中で気付いたことを基に遊ぶ物を作り替えたり遊び方を工夫したりしている。 | 友達のアドバイスや遊んだ中で気付いたことを基に、遊ぶ物を作り替えたり遊び方を工夫したりしている。 |
9 〔本時〕 |
【関心・意欲・態度】 友達と一緒に遊ぼうとし、思ったことを伝えようとする。 (発言・行動観察・対話) |
友達の作った物ですすんで遊ぼうとし、友達の遊びや遊びに使う物のよさを伝えようとしている。 | 自分の作った物や友達の作った物で遊ぼうとし、思ったことを伝えようとしている。 |
【気付き】 友達の遊びのよさや自分の遊びのよさ、友達と一緒に遊ぶ楽しさに気付く。 (カード・発言・ワークシート・対話) |
自分の遊びと比べた友達の遊びのよさや自分の遊びのよさ、友達と一緒に遊んだり伝え合ったりすると楽しいことに気付いている。 | 友達の遊びのよさや、自分の遊びのよさ、友達と一緒に遊ぶ楽しさに気付いている。 | |
10 |
【思考・表現】 作った物を生かして「北っ子フェスタ」でどのようなことをしたいか考え、絵や文で表す。 (振り返りカード・対話) |
「北っ子フェスタ」に向けて、本単元で作った物の変更点や工夫や改善点を具体的に絵と文でくわしく表している。 | 「北っ子フェスタ」に向けて、本単元で作った物を基本に、やってみようと思っていることを絵や文で表している。 |
7 本時の学習指導 (9/10) 場所:多目的室 時間:2校時 |
(1) 本時の目標 |
○ 自分が作った遊ぶ物や友達が作った遊ぶ物を使って友達と遊ぶことを通して、自分の遊びのよさや友 |
(2) 展 開 |
児童の学習活動
| 教師の指導・支援 (□評価規準と方法) | ||||||||
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1 |
本時のめあてを知る。 | ・ | これまでの活動と結びつけながらめあてを引き出すようにする。 | ||||||
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2 |
「あそびまつり」の約束を確認する。
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・ |
「あそびまつり」は、ペアの班でお店になる班とお客さんになる班に分かれ、途中で交代することなどを理解させる。 時間で紹介する側と遊ぶ側を交代させる。 すぐ交代ができるようにお店の場を指定しておく。 |
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3 |
「あそびまつり」をする。 | ・ | お店側の子には,遊び方やどんなところが楽しいか,どんな工夫をしているかなど,おすすめのポイントを紹介させるようにする。 | ||||||
・ | お客さん側になる子には,カードの例や友達の遊びや遊ぶ物のよいところを見付ける視点や書き方のヒントを示しておく。
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・ ・ ・ |
遊んだらその都度,友達の遊びや遊ぶ物のよいところについてカードに書かせるようにする。 カードを受け取ったら,ワークシートに貼らせるようにする。 書くことが進まない児童には,よいところを見付ける視点や書き方のヒントを示し,対話をしながら気付きを引き出すようにする。
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4
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本時の活動を振り返る。
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・ |
受け取ったカードを見ながら振り返り,ワークシー
トに気付きを記入させる。 嬉しかったことや気付いたことを紹介させるようにし,友達の遊びや遊ぶ物のよいところを見付けた児童も称賛するようにする。
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資料等 | 学習指導案【PDF】 | 本単元のワークシート集【PDF】 | |
8 児童の様子 |
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○ | 素材の特徴に合わせ、自分なりの思いを巡らせた遊びや遊ぶ物を考えていた。最初のうちはなかなか活動が進まず、どのように作ったらよいか分からない児童もいたが、友達と相談したり、教師からの言葉掛けにより、自分の思いを少しずつ具現化していくことができていた。 | |
○ |
「あそびまつり」では、限られた時間ではあったが、一緒に遊びを楽しみ、お互いにアドバイスやよいところを書いて伝えることができていた。その中で自分の遊びと比べて改善を図る糸口を見付けたり、友達と伝え会うことのよさを味わったりすることができた。 | |
○ |
伝え合う活動を通して、自分の頑張りやよさにも気付き、次の単元「みんなにこにこ『北っ子フェスタ』」への思いを膨らませていた。 | |
9 授業を終えて (指導者の考察) |
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○ | 単元の基本的な学習の流れについては、よかったのではないかと思う。児童の実態に合わせながら、単元を通して意欲的に取り組ませることができた。 | |
○ |
2回の「あそびまつり」を仕組むことで、友達の遊びのよさや自分の遊びの改善点を見付け、友達と交流することの楽しさを味わうことができた。 交流する中で気付きを書いて渡す活動が、児童にとって心情的にも内容的にも学習への意欲や対象(人・もの・こと)へのかかわり方において効果的な手立てとなった。 |
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○ | 本来なら十分な時間を取るべきであったが、限られた時間内で伝え合う活動をスムーズに行うことができたことは、これまでの良好な学級経営と的確な学習指導によることも理由の一つにある。このことから、生活科に限らず、学習指導や学校生活全般における指導が相互につながり合って児童の成長が成り立っていることを改めて実感できた。 | |
○ | 気付きの質を高めるために、十分な体験活動と、絞った視点を与えることが必要であることが分かった。今回の実践では、一緒に遊ぶ時間や気付きを書いて渡す時間の不足と、カードを書く際の視点の与え方が幅広く項目も多かったため、児童の気付きの質を十分に高めるというところまで達していないと考える。気付きの質を高めるための単元の学習計画のたて方の工夫や教師側の視点の与え方の工夫について、今後も研究を進めていきたい。 |