○ 学習指導案 小学校第4学年 「 理科 」 |
1 単元名 「温度を変えてかさの変化を調べよう」 (平成20年10月実施,33名)
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授業実践者:樋口 俊久 |
2 単元とその指導について |
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本単元では,閉じ込めた空気や水,金属を温めたり冷やしたりしたときのかさ(体積)の変化について,児童の問題意識を温度とかさの変化に着目させて,空気や水,金属は温めるとかさが増え,冷やすとかさが減るという考えをもたせることができるようにすることがねらいである。また,また,温度による空気や水のかさの変化で学習した知識や技能を活用させる活動やものづくりを通して,空気や水にはそれぞれ違った性質があることについての認識を一層深め,実感を伴った理解ができるようにすることをねらっている。
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○ |
児童は,「とじこめた空気や水をおしてみよう」では,空気や水をペットボトルやビニル袋,固い筒などに閉じ込めてその手ごたえを調べたり,空気と水の手ごたえの違いを比べたりして,外からの力とかさの変化に共通点や相違点があることを学習してきている。その学習についてのアンケート調査では,次のような4年1組児童の実態が明らかになった。
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ア | 閉じこめた空気を圧したときの変化 | |
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空気を圧したときに気付いたことを正確に記述できた児童数は33名であった。記述数が多い児童は,「手ごたえが強い。」「強くやればやるほど,手ごたえが強くなった。」「強くやればかさが減った。」など,6種類の記述ができていた。クラス全体の記述の平均数は2.6種類であった。 |
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イ | 閉じこめた水を圧したときの変化 | |
水を圧したときに気付いたことを正確に記述できた児童数は33名であった。記述数が多い児童でも,「おせなかった」「水にもかさがある」など3種類の記述であった。記述の平均数が1.8種類で,空気の気付きと比べて少ない。そのような中で「分子がこまかいから,おせない(空気はあまりこまかくないからおせる)」と記述した児童がいた。空気と水を比較しながら自分なりのイメージをもつことができ,表現できている。 | ||
ウ | 閉じこめた空気や水を圧したときの変化の違い | |
空気と水の変化の違いについて明確に記述できた児童は,10名であった。記述例として「水は空気よりも強い」「空気はおせたけど,水は全然おせない」「水のかさはへらない(空気のかさがへっていく)」などであった。 | ||
○ |
本単元の導入において,外から力を加えなくても閉じ込めた空気のかさが変化する事象(これまでに学習したこととは違う事象)を取り上げることによって,温度による空気や水,金属のかさの変化について意欲的に追究させるとともに,空気や水,金属の性質やはたらきについての認識を一層深めさせたい。そのためにも,繰り返し実験を行わせたり,空気や水,金属の変化の様子を比べさせたりして実感を伴った理解ができるようにしたい。 |
3 単元の目標 |
(1) |
自然事象への関心・意欲・態度 | |
○ | 空気や水,金属を温めたり冷やしたりすることで,起きる現象に興味・関心をもち,空気や水,金属の性質を意欲的に調べようとする。 | |
○ | 空気や水の性質を利用したものづくりに意欲的に取り組んだり,空気や水の性質を利用した日常生活のものを見付けたりしようとする。 | |
(2) |
科学的な思考 | |
○ | 空気や水,金属を温めたり冷やしたりするとき,かさが大きくなったり小さくなったりすることを,石けん水の膜の動きから考えることができる。 | |
○ | 水や金属を温めたり冷やしたりしたときの様子を,空気を温めたり冷やしたりしたときのかさの変化の大きさと比較しながら考えることができる。 | |
(3) |
観察・実験の技能・表現 | |
○ | 空気や水,金属を温めたり冷やしたりしたときの現象を工夫して調べ,記録することができる。 | |
○ | 空気や水のかさの変化を絵や図で書いたり,説明したりすることができる。 | |
○ | 空気や水の性質を利用したものづくりを工夫して行うことができる。 | |
(4) |
自然事象についての知識・理解 | |
○ | 空気や水,金属は,温められるとかさが大きくなり,冷やすとかさが小さくなる性質があることを理解している。 | |
○ | 水や金属は,温度によるかさの変化は,空気の温度によるかさの変化と違って小さいことを理解している。 |
4 単元の計画 (全7時間) |
次 |
時間 |
主な学習の流れ |
第1次 空気の温度をかえて,かさの変化を調べよう |
温められた空気 (1時間) |
試験管にスポンジ玉やシャボン玉を付けて,試験管を温めたときの動きについて話し合う。 ・ 試験管を温めるとスポンジ玉が飛び出したり,シャボン玉がふくらんだりする。 |
空気の温度とかさの変化 (1時間) 〈本時〉 |
試験管を冷やしたり温めたりしたときの空気のかさの変化をシャボン玉を使って実験する。 ・ 試験管を冷やすとシャボン玉が下がり,温めるとシャボン玉が膨らむ。 ・ 空気は冷やすとかさが小さくなり,温めると大きくなる。 |
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第2次 水の温度をかえて,かさの変化を調べよう |
水の温度とかさの変化 (1時間) |
水も温度が変わると,かさが変わるかをシャボン玉を使って実験する。 ・ 水も空気と同じように温めるとかさが大きくなり冷やすとかさが小さくなる。 |
水と空気のかさの変化をくらべよう (1時間) |
水を温めたときのかさの増え方と,空気の増え方と工夫した実験で比べる。 ・ 水を温めたときのかさの増え方は,空気の増え方に比べて小さい。 |
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第3次 |
アルコールランプの使い方 (1時間) |
アルコールランプの使い方をマスターする。 |
金属の温度とかさ (1時間) |
金属も温度が変わると,かさが変わるのかを実験して確かめる。 ・ 金属も空気と同じように温めるとかさが大きくなり冷やすとかさが小さくなる。 ・ 金属を温めたときのかさの増え方は,空気の増え方に比べて小さい。 |
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まとめよう (1時間) |
金属,水や空気の温度の変化とかさの変化についてまとめよう。 |
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5 本時の学習指導 (2/7) 場所:理科室 時間:2校時 |
(1) 目標 |
○ シャボン玉の動きから,閉じこめた空気の温度変化とかさの変化を関係付けて考えることができる。 【科学的な思考】 ○ 空気は,温めるとかさが大きくなり,冷やすとかさが小さくなる性質があることを理解できる。 【知識・理解】 |
(2) 展開 |
児童・生徒の学習活動
| 教師の指導・支援(※評価) | |||
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1 | 事象提示を見て,空気の温度の変化で本当にかさが変化するのかについて調べることに意欲をもつ。 |
○ | 前時の学習で,疑問に思ったことを基に,閉じ込めた空気を冷やしたり温めたりすることで,かさがどのように変化するのかをさぐることに対する意欲を喚起する。 |
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2 | 本時の学習のめあてを考える。
| ○ | 児童のつぶやきを集めながら,学習のめあてを立てる。 |
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3 | 試験管を冷やしたり温めたりすることで,空気のかさがどうなるのかを前時の学習をもとに予想する。
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○
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冷やしたり温めたりしたときにシャボン玉がどうなるのかを予想させ,ワークシートに書かせる。 |
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○ | 試験管を冷やしたり温めたりすることが,中の空気を冷やしたり温めたりしていることだと意識させながら考えさせたい。 |
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○ | シャボン玉が動くことで,空気のかさが変化していることだと意識させながら予想を考えさせたい。 |
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4 | 予想を実験で確かめる。
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○ | 冷やしたり温めたりする活動を十分に行わせながら,机間指導では空気のかさの変化について考えるように助言したい。 |
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5 | 実験で確かめたことをワークシートに書き,発表の準備をする。
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○ | 実験して確かめたことをワークシートに言葉や絵図を使って表現させる。 |
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6 | 実験して確かめたことを発表し合いながら,試験管を冷やしたり温めたりしときの空気のかさの変化についてまとめる。 |
○ | 実験した結果について発表させる。 |
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○ | 同じ結果や似た結果であってもより多くの児童に発表させながら,全児童が自分の考えをもたせたい。 |
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○ | シャボン玉の動きから中の空気のかさの変化を考えさせてまとめていきたい。 |
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※ | シャボン玉の動きから,温度の変化による空気かさの変化について考えることができる。 【科学的な思考】
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A: 温度の変化と空気のかさの変化を関連付けている。 | ||||
B: 温度の変化とシャボン玉の動きを関連付けている。 | ||||
7 | やってみよう「動く一円玉」をみて現象を説明する。 |
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一円玉が動くしくみを考えさせ説明させる。 |
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○ | 確実に一円玉を動かすための工夫などを考えさせる。 |
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※ | 空気の温度によるかさの変化を理解している。 【知識・理解】 |
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A: 空気は温めるとかさが大きくなり,冷やすとかさが小さくなくことが分かる。 |
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B: 温めるとかさが大きくなることだけが分かる。または,冷やすとかさが小さくなることだけが分かる。 |
※ 資料等 |
指導案【WORD】 | 学習プリント【WORD】 |
6 児童・生徒の反応 |
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7 授業を終えて |
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