○ 学習指導案    中学校第2学年 「 英語科 」


1  単元名 Unit 6 The Story of Silent Night (平成19年11月実施,26名)
       

授業実践者:山本 千加

2 単元とその指導について

本単元では前半がブラウン家のクリスマスイブの様子とクリスマスの本についての対話で,後半 は「きよしこの夜」の誕生の話である。欧米の代表的な年中行事であるクリスマスを通して,英語の表現を身に付けるには有効な場面設定である。生徒たちにとっては,クリスマスという設定は楽しみがあり,取り組みやすいものである。また,「きよしこの夜」は誰でも知っているクリスマスの歌で,この歌を通して異文化も感じることができるものと思われる。

本学級は2クラスを等質に3つに分けた少人数のクラスである。生徒たちは授業に熱心に参加し,ペア学習やグループ学習にも積極的に取り組んでいる。そこで,普段の授業の中で英語を使う機会をより多く与えれば,生徒たちの英語の力は更に伸びるものと思われる。また,本単元を通して,英語への関心を高め,楽しく,そして,より活発な言語活動ができるようになればと期待している。

本単元には,自分の考えを相手に伝えるときに有効な表現(There be構文や動名詞など)が出てくる。これらは生徒が自己表現をする際には大変役に立つものである。実践的コミュニケーション能力の基礎を養うための手立てを考えるときに,英語を使うことを考慮する必要がある。また,コミュニケーションの場では即興性があり,素早く対応することも大切である。そこで,本単元では自己表現活動を通して,相手に伝える力の基礎となるような学習の深化を図りたいと考えている。


3 単元の目標

   (1) There is [are] 構文の形・意味・用法を理解し,表現できる。
   (2) 動名詞の入った文の形・意味・用法を理解し,表現できる。
   (3) 物語を読んで,登場人物の心情や場面変化を読み取り,内容を理解できる。
   (4) 物語の内容を理解し,気持ちを込めて朗読できる。

4 単元の計画 (全5時間)

   ・ Starting Out プレゼントは何でしょうか・・・・・・・・・・・・・ 2時間  
   ・ Dialog プレゼントについて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1時間
   ・ Reading for Communication 「きよしこの夜」の由来・・・・2時間

5 本時の学習指導 (2/5) 場所:2年5組教室 時間:2校時

 (1) 目標

   ・ 「私の町」を友達に英語で紹介することができる。  
   ・ There be構文の後に文を付け加えることができる。

 (2) 本時の視点

   ・ 積極的に自己表現活動に取り組んでいるか。【関心・意欲・態度】(観察)   
     評価 B・・・ワークシートの例を参考に自分の町の紹介をしようとしている。
          A・・・まちがいを恐れず,即興で自分の町の紹介をしようとしている。 
   ・ There is[are]構文の後に英文を付け加えることができているか。
    【表現】【言語や文化についての知識・理解】(観察・ワークシート)  
    評価 B・・・There be構文の後に3文付け加えることができている。
        A・・・There be構文の後に4文以上付け加えることができている。

 (3) 展開

児童・生徒の学習活動
教師の指導・支援(※評価)
あいさつ 楽しい雰囲気を作る。
Warm up
・英問英答をする。
既習事項(未来形や不定詞及び接続詞など)を使って英語で質問する。
前時の復習
・There be構文の復習をする。

前時の内容を理解しているか確認する。
生徒が理解しやすいよにピクチャーカードと単語カードを用いる。
自己表現活動
・モデルスピーチを聞く。

・説明を聞く。
・「私の町」についてのスピーチ原稿を考える。

・ペア活動をする。

・スピーチ原稿を書く。


・スピーチの練習をする。






























生徒が理解しやすいように絵を用いる。
モデルスピーチをする。
手順を説明し,モデルスピーチを文字で示す。










モデルスピーチやワークシートを参考に生徒自身の内容を考えるように伝える。できるだけ,たくさん考えるように促す。
※机間指導をしながら英語の不得意な生徒を援助する。
ペアを作り,お互いに「私の町」について英語でスピーチすることを伝える。二人とも終わると,相手を換えて同じことを繰り返すことを伝える。
※机間指導をしながら英語の不得意な生徒を援助する。
自分のスピーチを英語で正しく書くように伝える。たくさん書くように促す。
※机間指導をしながら英作文の不得意な生徒を援助する。

書き終わったら,スピーチの練習をするように伝える。
発表 数名のボランティアを指名する。
本時のまとめ 自分たちが住んでいる町の紹介を振り返る。
あいさつ 次時までの課題を伝える。
※ 資料等
【指導案【一太郎】 学習プリント【一太郎】   
     

6 児童・生徒の反応

  • ○ 全体的に生徒はよく活動していた。
  • ○ ペア活動は男女のペアで行った。1分間という限られた時間で行うので,お互いに集中すること ができたようだった。
  • ○ お互いのスピーチを聞いて,相手の考えを知ることができ,新しい発見があったようだった。

7 授業を終えて

  • ○ 今回の授業では,「書いてから話す」を「話してから書く」に順番を置き換えた。コミュニケーショ  ンの場では常に原稿を持っているわけではない。そのため即興的(impromptu)にできる力を養う必要があると考え,この授業を試みた。生徒にとっては初めてのことだったが,1分間という緊張感がプラスの方にはたらいたようだった。今回は初めてということもあって,生徒同士の評価はどのくらい言えたか(文の数)にとどまった。次回は相手のスピーチを聞いて,内容を理解できたかなど,も う一つレベルを上げた評価を生徒同士でできるようになればと思った。
  • ○  スピーチ原稿を書く活動では,実際に自分が話したことを文字にするので,5分間という時間の中で,辞書で調べることも速くなり,ほぼ完成させることができていた。特に英語の得意な生徒はこちらが要求した以上の英文を書くことができた。英語の不得意な生徒も頑張って英文を書いていたのでよかったと思う。
  • ○  発表では2名のボランティアがスピーチを行ったが,内容・量ともによくできていたので,他の生徒の手本となることができた。英語の不得意な生徒や英語を得意教科にしたいと思っている生徒にとって,よいモデルを提示することは必要だと感じた。生徒からは羨望の声があがった。
  • ○  相手のスピーチを聞いて自分のスピーチを修正することができるが,間違えていることをその まま覚えてしまうこともあるので,この点についてはこれからの課題だと思う。しかし,コミュニケーションの場では,いろいろなことが起こるので,今回のようなimpromptu speechを授業の中に入れる機会をつくっていきたいと思う。