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この節では、授業におけるコンピュータや学校図書館の活用頻度と教科別正答率との関連及びそれぞれの活用内容について分析する。 |
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ア |
「コンピュータを活用した授業を行っていますか」について |
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「年に20回以上(平均して月に2回以上)行っている」「年に10回から19回程度(平均して月1回程度)行っている」と回答をした小学校教師の割合は58.0%である。これに対し、同じ回答をした中学校教師の割合は10.7%であり、逆に「年に1~2回程度行っている。」「全く行っていない」と回答をした割合は70.6%と高くなっている。中学校は小学校に比べると、コンピュータを活用した授業があまり行われていない傾向が見られる。[図1]
この設問においてAグループとBグループの教科別平均正答率を比較すると、
小学校と中学校ともに全ての教科において、Aグループの平均正答率が高くなっている。特に、中学校の全ての教科で顕著に表れており、社会と英語においては10ポイント以上、上回っている。[図2-1][図2-2]
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イ |
「授業では、コンピュータをどのように活用していますか」について |
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小学校ではコンピュータを活用していると回答をした教師の中において、「児童がインターネットを用いてする調べ学習」と回答をした教師の割合が59.9%と、最も高くなっている。これに対し、中学校では「教師がパソコンで行うプレゼンテーションや資料の提示など」と回答をした教師の割合が33.6%と最も高く、次いで「生徒がインターネットを用いてする調べ学習」と回答をした教師の割合が19.1%となっている。[図3] |
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ウ |
「学校図書館を活用した授業を行っていますか」について |
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「年に20回以上(平均して月に2回以上)行っている」「年に10回から19回程度(平均して月1回程度)行っている」と回答した小学校教師の割合は48.9%である。これに対し、同じ回答をした中学校教師の割合は3.2%であり、逆に「年に1~2回程度行っている。」「全く行っていない」と回答をした割合が78.2%と高くなっている。中学校は小学校に比べると、図書館を活用した授業があまり行われていない傾向が見られる。[図4]
この設問においてAグループとBグループの教科別平均正答率を比較すると、
小学校では、特におおきな傾向は見られないが、中学校では、全体的にAグループの平均正答率が高くなる傾向が見られる。[図5-1][図5-2]
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エ |
「授業では、学校図書館をどのように活用していますか」について |
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図書館を活用していると回答をした教師の中において、小学校と中学校ともに「調べ学習の場として」と回答をした教師の割合がそれぞれ47.9%、44.2%と最も高くなっている。次いで、小学校と中学校ともに「読書指導や読書活動の場として」と回答をした教師の割合がそれぞれ42.6%、11.4%となっている。[図6] |
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これからの指導に向けて |
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コンピュータを活用した授業
平成23年度佐賀県教育の基本方針において、ICT利活用教育の推進が掲げられている。今日の社会の情報化が急速に進展していることを考えれば、児童生徒だけでなく教師の情報活用能力を向上させることは、今後の教育課題の1つであると考える。また、今回の調査結果から、ICTを授業へ活用することは、学力の向上に効果が期待できると考えられる。ICTを授業に活用することは、教師の指示を明確にしたり、見せながら話すことで説明が分かりやすくなったり、課題や図を簡単な操作で分かりやすく表せたりすることなど、様々なよさがあると考えられる。佐賀県内の各学校においても、少しずつ電子黒板やコンピュータなどの環境の充実が図られ、公開授業や研究会などが行われている。今後も、教師のICT活用におけるスキルアップ研修や児童生徒への情報モラルに関わる教育なども計画的に行いながら、積極的な活用を推進していくことが必要である。また、学校図書館についても、児童生徒の実態や学習の内容に応じて、学力向上における効果的な方法を探りながら活用していくことが大切である。 |
最終更新日:2011-10-07